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数百人のパイロットがボーイング社を相手に集団訴訟:2度の墜落事故を起こした737 Max に設計上の重大な欠陥があることを隠蔽か

Boeing 737 Max

400人以上のパイロットが、ボーイング社に対して集団訴訟を起こしたとAustralian Broadcasting Companyが報じた。訴状によると、同社が販売する中で高い売り上げを誇っていた機体737 Maxについて、「設計上の欠陥を知りながら」「未曾有の隠蔽」を行なっていたと訴えている。

機体MAXの運用が始まったのは2017年だが、これまでに2度の墜落事故を起こしている。最初の墜落事故は2018年10月、インドネシア沖で起き189名が亡くなり、2度目は今年3月エチオピアで墜落事故を起こし157名が亡くなった。

訴状では原告の身元が伏せられ”Pilot X”とだけ表記されているが、その原告はボーイング社が「機体MAXには深刻な設計上の欠陥があることを知っていたにも関わらず、その隠蔽を行なったことは前代未聞であり、その結果、当然のように2件の墜落事故を起こし、すべてのMAXの機体が全世界で利用停止となった」と訴えている。

原告のパイロットらは、MAXが全世界で利用停止となったことで、「深刻な所得の損失を被っており、今後も継続して所得損失、その他の経済的・非経済的な損失を被る」と訴えている。

訴状で焦点が当てられているのは、Maneuvering Characteristics Augmentation System (MCAS)と呼ばれる失速防止システムで、Pilot Xは「本質的に危険な空気力学上の欠陥があった」と主張している。

さらにPilot Xは、「(ボーイング社は)MAXを操縦するパイロットに対して失速防止システムMCASについてあえて伝えず、パイロットへMCASの訓練は必要ないと決定をした」とし、その理由としてボーイング社の顧客である各航空会社が「売上高の高い人気路線で迅速に同型機を導入できるため」と主張している。

今年3月、カナダの公共放送Canadian Broadcasting Corporation (CBC)が報道した内容によると、この失速防止システムMCASは機体マニュアルのなかで一度しか言及されておらず、しかもそれはMCASという頭文字が何を意味するかを説明した解説部分のみであった。このことについてはボーイング社もCBCの取材に対して認めている

原告のパイロットたちは、この訴訟により、「ボーイング社やその他の航空機製造企業が、パイロットや乗務員、乗客らの命よりも企業利益を優先することをやめる」ようになることを希望すると語っている。

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