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2020年11月より前に「軽度の不況」が起きる可能性あり:米政権が共和党幹部らに事前説明

米政権に関する世論調査で、有権者が今の政権を信頼している最大の理由は経済にあることが明らかになっている。しかし今週水曜、トランプ政権が、支援者や共和党の重鎮、そしてその他の主要な共和党議員らに、来年の大統領選挙までに「軽度で短期の(”moderate and short”)」経済不況が起きる可能性を、秘密裏に事前説明していると左派系メディアのPoliticoが報じた

2020年の大統領選挙で再選を目指すトランプ大統領とその側近たちにとって、健全な経済が有権者たちに訴える最大のセールスポイントとなっている。しかし、中国との貿易戦争が過熱する中、アメリカの国益を最優先する優秀なビジネスマンとしてイメージを売っているトランプ大統領は、そのイメージが壊れてしまう危機に直面している。その危機を避けるために、米国の経済が多少の不況に突入するかもしれないことを、事前に有権者たちに知らせる必要に迫られているとPoliticoは報じている。

 

連邦議会の下院の議席数を野党である民主党に過半数が牛耳られている中、経済不況に陥る前に経済をてこ入れするか、有権者たちを安心させる方策を考えなければいけない。しかし現政権が選べる選択肢はそう多くない。トランプ大統領が連邦準備制度理事会を批判したことは、ある程度功を奏したが、すでに市場はさらなる2、3回の政策金利削減を織り込んでいる。実際に連邦準備制度理事会が追加で2、3回の政策金利削減を実施するのかは不透明である。さらに、トランプ大統領は所得税や法人税の減税を検討していると報道されている。

 

しかし最大の懸案は中国との貿易戦争である:

 

現政権は、大きく金利を下げるよう連邦準備制度理事会に要求しており、トランプも公に中央銀行を攻撃している。そして現政権は、関税を上げることで中国からディールを勝ち取ろうと目論んでいるが、民間企業の中には高まる関税は深刻な経済リスクを突きつけていると語っているところもある。

 

「今の政権チームがコントロールできるのは、中国(との貿易戦争)、それと政府による規制ルールだけである。それ以外に政権ができることはほとんどない。しかし、政権チームはこれら以外の選択肢を検討していないわけではないだろう」と、元政府高官は語っている。

 

現政権は、国家経済会議(National Economic Council)のディレクターであるラリー・クドロー氏や経済アドバイザーと協力して、現在の国内経済は健全であるというメッセージを世論に送っている:

 

ホワイトハウスは、火曜、経済状況は健全であるというメッセージを発信した。経済アドバイザーのトップであるラリー・クドローは、地方政府および州政府の職員、そして保守派グループと2件の電話会議を行い、彼独自の経済分析と国内経済の健全性について説明を行った。この電話会議は、数週間前から予定されていたとホワイトハウス職員は語った。政権チームは、民間企業グループにもメッセージを伝え、株式市場は回復力があり立ち直りが早いことを強調した。

 

大統領は、有権者に対しても、国内経済が健全であることを説得しようとしている。なぜなら、有権者は、投票する時点で彼ら自身の経済状況をどう感じているかを元に投票するということを大統領は知っているからだ。

 

トランプは、彼の政権チームを総投入して、米国経済が健全であるというメッセージを発信している:

 

「有権者は、経済指標データを元に投票するわけではない。彼らは自分たちの気分が良いかどうか、そして大統領がそれを気にかけているかに基づいて投票する。大統領は、その「気分」を売り込んでいる。それは通常の営業トークとなんら変わらない:彼は常に有権者が経済について抱く気分や感情に反応し支持率を高めようとしている」とホワイトハウスのアドバイザーは語っている。

 

大統領だけでなく、クドロー氏、大統領参事官のケリアン・コンウェイ氏、ホワイトハウス副報道官のホーガン・ギドレイ氏らはここ数日テレビに出演し、経済は好調であるというメッセージを世論に訴えている。マイク・ペンス副大統領も、今週月曜にデトロイト経済クラブでスピーチを行い、現政権下で失業率が最低を記録していることや賃金が健全に上昇していることを強調している。

 

「主流メディアによる数多くの無責任な報道にも関わらず、アメリカの経済は力強く、将来の経済見通しも同様に力強い。先週、グローバル市場では乱高下があったが、大手の小売事業者は力強い売上高と収益を報告しており、個人消費も3月以来最高を記録している」とペンス副大統領はデトロイトで語っている。

 

 

トランプ大統領は、もし中国との貿易戦争に挑まなければ、彼の人生はずっと楽だっただろうと語っている。そこには少なからず真実があると言ってよいだろう。

 

トランプは、火曜、政権が中国と貿易戦争で膠着状態にあることを強く擁護している。多くの経済専門家や共和党議員は、この貿易戦争が主要因となり米国の経済問題を引き起こしていると指摘している。

 

トランプはいかに中国が米国の知的財産を盗んでいるか詳しい手法を説明しつつ、彼以前の歴代の大統領が誰も中国に対峙しようとしなかったとレポーターたちに説明した。そしてトランプは、「人々は私がこの闘争を戦っていることを幸せに思うべきだ。なぜなら、誰かがこれをしなければいけないからだ。我々はこれを見逃すわけにはいかない。これまで起こっていたことを見過ごすことは持続的ですらないと考える」と語った。

 

さらにトランプは次のように語っている。「もし中国に戦いを挑まなければ、私の人生はずっと楽だっただろう。しかし私はこれをしないといけないため、喜んでこれを行う。そして我々は大きな支援を受けている。中国は過去27年間で最悪の年を経験している。そして非常に多くの人が中国は過去54年間で最悪の年となっていると語っている」。

 

もし米国経済が悪化した時のために、トランプはすでにスケープゴートを用意している:パウウェル連銀議長、主要メディア、民主党、ヨーロッパ、中国、とリストは続く。

 

トランプ大統領は次のようにツイートしている:

 

 

(訳)フェイク・ニュースである説得力のないダメなメディアは、アメリカの経済不況を「創作」しようとできる限りのことを行なっている。しかし数字や事実はそれとは正反対の方向を示している。彼らは多くの人々にダメージを与えようとしているが、彼らは気にしない。我々の経済は、申し訳ないがとても力強い!

 

 

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