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ユニコーン企業PelotonがIPOを達成するも2008年以来3番目の公募価格の下落率

Peloton Bike - Lifestyle 03

自宅用フィットネス機器を提供するベンチャー企業Pelotonが、先週IPOを達成した。IPOの公募価格は29ドルで設定されていたが、初日は公募価格を大きく下げて取引された。

 

Pelotonは、4000万株を1株29ドルの公募価格で株式公開した。証券取引委員会(SEC)に提出された報告書に記載されている発行済株式総数を元に計算すると、Pelotonの時価総額は約81億ドルとなる。

 

株式公開直後は31.50ドルまで値を上げていたが、その後、値を大幅に下げ、初日の終値は27ドルだった。これは公募価格から6.9%の下落率。

 

2008年以来、時価総額が10億ドル以上のIPOの中で、初日の公募価格からの下落率として、Pelotonは過去3番目に悪い数字であるとブルームバーグ紙は報じている。

 

  • SmileDirectClub:- 11%の下落率(2019年9月12日)
  • ADT:- 9.6%の下落率(2018年1月19日)
  • Uber:- 6.7%の下落率(2019年5月10日)

 

2008年以来、100社近いベンチャー企業が最低10億ドルの資金調達を達成しており、これらPelotonやUberよりも順調な滑り出しであった。

 

しかしPelotonが公募価格に到達しなかったことは驚きではないと、サイトGrizzleは報じている同サイトは、Pelotonのファンダメンタルを分析しており、株価格は到底29ドルには到達しないと指摘している。

 

Grizzleが行なった見積もりによると、フィットネス機器市場は、2030年までに売上高75億ドルの市場になる。Pelotonが30%のマーケットシェア(年間売上23億ドル)を達成すると仮定しても、同社の現在の株価は14ドルにしかならない計算になる。これは公募価格の半分である。

 

Grizzleは、Peloton株の「買い時・売り時」の範囲を以下のグラフにまとめている。

Via Grizzle

 

IPO翌日の先週金曜の終値は25.24ドルであった。

 

それでもなおPeloton株への投資に興味がある投資家は、次の事実を考慮する必要があるとGrizzleは指摘する。政府当局へのS-1ファイリングが行われてから181日が経過すれば、同社社内の株保有者たちが保有株を売却することが許されているということだ。この181日の「売却禁止期間」が解禁になるのが2020年2月24日。一定の条件下ではこの売却禁止期間が120日へと短縮され、解禁日は2019年12月26日となる。

 

少なくとも同社の8400万株が0.50ドル以下で発行されており、この売却禁止期間が終了すればこれら社内の人間が保有する株式がある程度売却されることが予想される。

 

* * *

 

PelotonのIPOが期待外れに終わったことは、今月IPOを無期延期することになった(かつての)ユニコーン企業WeWorkのニュースが少なからず影響していることは間違いないだろう。今月、短期資金を調達するレポ取引市場で大量のキャッシュが不足したことはここでも報じたが、IPO市場でも同様のキャッシュ不足が起きている。

 

ロイター紙は、冷め始めたIPO市場を次のように報じている

 

WeWorkの大崩壊が起きて以降、IPO市場は赤字企業に急ブレーキ

 

米国株式市場にデビューを果たそうとしている企業は、荒々しい歓迎を受けている。特に、それが赤字企業である場合、今年残り数ヶ月のIPO予定表に暗雲が立ち込めている。

 

WeWorkによる驚きのIPO延期は、資金調達を目論む企業にとっても投資家にとっても、市場の信頼が損なわれていることを白日のもとにさらした。

 

IPOに目の肥えた市場は、PelotonがIPOを達成した翌日金曜も、同社を痛め続けた。同社株は4%下落し、一時24.74ドルまで下落した。同社株は現在、水曜のIPO価格よりも15%下げて取引されている。

 

かつて、公開市場における投資家は、ベンチャー企業がIPOすると通常18ヶ月以内に黒字化すると見込んできた。資産運用会社は、自社のポートフォリオに急成長する企業を組み込むことに熱心であるため、この(18ヶ月という)時間枠はますます緩和されてきている。

 

しかし最近行われたIPOを見てみると、経済見通しが不確実であるため、投資家は赤字企業に対する投資判断を厳格化している。

 

Pelotonは、6月30日締めの会計年度において、同社の売上成長率が110%であったと報告している。しかし同社は、マイナスの経営レバレッジであることを示しており、昨年度の営業経費は147%上昇している。

 

歯科矯正キット開発企業のSmileDirectClub(SDC.O)は不採算企業であるが、今月初旬に行われたIPOで、初日の終値が公募価格を上回る値で取引された。調査会社のRenaissance Capitalによると、これは過去3年間で初となる。

 

2019年における平均的なIPOリターンは約9%であり、6月末から30%以上下落し、2週間前より18%以上下落している。

(筆者拙訳)

 

大手金融機関の間でIPO市場に対する信用が急激に低下しているようだ。ロイター紙が報じているように、「目の肥えた市場(a discerning market)」は現在の企業バリュエーションに対して数年前ほど温かい目では見ていない。

 

 

Photo via Peloton’s Media Kit

 

 

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