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ハンター・バイデン氏が関わる怪しい外国企業とのビジネス案件一覧:FT紙が報道

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ウクライナと中国を巻き込んだ汚職疑惑の渦中にあるジョー・バイデン元副大統領とその息子ハンター・バイデン氏。特に息子のハンター・バイデン氏は、成功したビジネスマンというよりも、麻薬中毒者であることや、亡くなった兄の妻との色恋沙汰で悪名を馳せていた存在であった。しかし次々と外国との汚職疑惑が報じられ、彼が「ビジネスマン」として本当は何をしていたのか?にスポットライトが当たっている。諸外国が、アメリカの政権や有力政治家たちと裏でつながり影響力を行使できる「窓口」としてハンター・バイデン氏が使われていたのではないかという疑惑が濃厚になってきている。

 

フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は、ハンター・バイデン氏が興味を抱くビジネス案件が、「しばしば思いもよらない場所で起きる」と報じている。野党民主党は、明らかにトランプ大統領への弾劾審理に焦点を当てており、バイデン親子の汚職疑惑を全く問題視していない。

 

しかし、父親が大統領府のナンバー2として在職している時に、息子のハンター・バイデン氏はウクライナ、中国、その他外国との間でビジネスを行っていたことは否定しようがない。そこには明らかに利益相反の可能性があった。ジョー・バイデン氏は、不正行為はなかったと否定しているが、ウクライナの検事総長を解任させたことについて、バイデン元副大統領が果たした役割に対する疑念は払拭されない。いまだに、ジョー・バイデン氏は、息子ハンター・バイデンへ捜査の手が伸びるのを防ぐために、当時のウクライナ検事総長を解任させたと指摘する人々がいる。

 

* * *

 

ハンター・バイデン氏が2013年5月に海軍の予備部隊に入隊した際、彼にはいくつかの条件が免除された。(当時すでに42歳と一般的な入隊年齢を大きく過ぎていたことや、具体的には記されていないが「薬物関係」の問題があり、彼が入隊失格になる可能性もあった。)

 

無事に入隊できたものの、ハンター・バイデン氏は、翌年、薬物検査でコカインの陽性結果が出たため除隊処分となった。その直後、弁護士で政治家でもあった兄のボー・バーデン氏が脳腫瘍で亡くなっている。さらにその頃、ハンター氏の妻キャサリーンが離婚を申請した。その離婚申請書の中で、夫ハンター・バイデン氏について「(彼は)麻薬、酒、売春、ストリップ・クラブ、そして彼が性的関係を持っている女性へのプレゼントなど自分の興味があることに多額の出費を重ねている」と記している。

 

しかしその後、ハンター・バイデン氏は、兄の元妻ヘイリーと恋愛関係になる。

 

2016年に兄の元妻ヘイリーと付き合い始めてすぐ、ハンター・バイデン氏は薬物依存から脱却するためにアリゾナ州のデトックス・センターに入る計画を立てた。しかし、そこに向かうために立ち寄ったロサンゼルスで乗り継ぎのフライトを逃し、ロサンゼルスのダウンタウンにある貧民街へ向かった。そこで彼は銃を突きつけられたと後に語っているが、そこで無事にコカインを手に入れることができそれを使用したと語っている。そこには数日間滞在して薬物を利用していたという。それからレンタカーを借りて予定していたアリゾナ州の薬物治療センターへ向かった。しかしレンタカー会社の社員が、返却された車の中にコカインを吸入するためのパイプとコカインが入った袋が落ちているのを発見したため、彼らは警察に通報した。また、車内にはハンター・バイデン氏の免許証と、兄ボー・バイデン氏がデラウェア州司法長官であった時代のバッジも落ちていたという。

 

検察官は、証拠不十分としてハンター・バイデン氏を訴追することは却下したが、ハンター・バイデン氏にとっては世間の評判を傷つける結果となった。最近では、ハンター・バイデン氏は南アフリカのインスタグラム・モデルと結婚しゴシップ雑誌の見出しを飾っている。さらに、とある女性が、彼女が最近出産した子供はハンター・バイデン氏が父親であると父親認知訴訟を起こしている。ハンター・バイデン氏には、いまだに私生活のスキャンダルが絶えない。

 

しかしこのような私生活のスキャンダルは、彼が父親のネーム・バリューや政治権力を利用して何百万ドルもの資金を手にすることの障害にはなっていないようだ。今週水曜、フィナンシャル・タイムズ紙は、ハンター・バイデン紙が関わっている諸外国とのビジネス案件の一覧を報じた

 

以下にその一覧を抜粋して紹介する:

 

ブリズマ・ホールディングス

役職:取締役(2014年〜2019年)

報酬:5万ドル/毎月

 

ブリズマは、ウクライナの個人所有の天然ガス会社大手。そのほとんどの優良なガス埋蔵場所を、ブリズマの設立者であるミコラ・ズロチェフスキー氏が大臣を務めていた際に取得した。元大統領ビクター・ヤヌコビッチの政権時代、ズロチェフスキー氏は大臣として天然ガスの採掘権を徐々に自社ブリズマに与えていた。2014年、ヤヌコビッチ氏がロシアに亡命した後、同社に対する捜査が開始された。

 

同年、ブリズマは西欧諸国から有名人らを同社取締役に迎え入れた。その中に、ハンター・バイデン氏が含まれる。同氏は月に50万ドルの報酬を受け取っていたと報じられている。トランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領に電話をし、ブリズマ社とジョー・バイデン元副大統領の関係について調査するよう依頼したとされる。これにより、来年の米国大統領選挙に出馬しているバイデン氏に対して外国政府に圧力をかけて醜聞を暴こうとしているとし、野党民主党はトランプ大統領に対する弾劾審理を開始している。

 

しかし今日10月10日、Fox Newsのジョン・ソロモン氏が新たな文書を報じた。その文書によると、「ウクライナの政府関係者たちは、トランプ大統領がウクライナの大統領と電話会談を行う何ヶ月も前から、ハンター・バイデンとブリズマ社との関係を調べる新たな捜査が開始されていたことを示している」と報じられている

 

パラダイム・カンパニーズ

役職:投資家および社員

報酬:給与として120万ドル

 

2006年、ハンター・バイデン氏は、ヘッジ・ファンド・グループであるParadigm(パラダイム)の一部株式を取得。ハンター・バイデン氏は、彼の叔父ジェームス・バイデン氏が設立した有限事業組合のLBBを使って、Paradigmの全株式を購入するつもりであったがその試みは失敗していた。

 

叔父のジェームス・バイデン氏とハンター・バイデン氏は、元ビジネス・パートナーのアンソニー・ロティトJr.から訴えられている。両氏が、見込みのない買収案件について彼を騙した詐欺行為を行なったとアンソニー・ロティトJr.は訴えている。これを受け、ジェームス・バイデンとハンター・バイデンは、ロティト氏に対して逆提訴を行なっている。

 

もともとParadigmは、1991年にジェームス・パク氏により設立された。ジェームス・パク氏は、統一教教会の共同設立者の義理の息子。2009年、Paradigmが運営するファンドの一つが、テキサスの富豪アレン・スタンフォード氏の関連となる。スタンフォード氏は、のちに80億ドルの高利回り詐欺(ポンジー・スキーム)を行なっていた罪で有罪判決を受けている。スタンフォード氏の会社は、Paradigmの「ヘッジファンドのファンド」の一つを宣伝する責任を負っていた。当時、Paradigmの顧問弁護士は、ハンター・バイデン氏もジェームス・バイデン氏も、スタンフォード氏と面会したことが一度もないと語っている。

 

ハンター・バイデン氏とジェームス・バイデン氏は、2010年、同社を任意清算している。

 

セネカ・グローバル・アドバイザーズ

役職:設立者・コンサルタント

報酬:該当なし

 

ハンター・バイデン氏は、2008年、このコンサルティング企業を設立。父親のジョー・バイデン氏が、オバマ氏の副大統領候補として出馬表明した数週間後のことであった。

 

同コンサルティング企業の売り文句は、中小企業が米国および海外市場に拡大するのを支援するサービスを提供するというものであった。顧客企業には、抗菌治療に特化した医薬品企業のAchaogen(2019年4月に破産申請を行なっている)や、エネルギー技術に関するスタートアップ企業のGreatPoint Energyがある。

 

2012年、GreatPointは、中国の産業複合体企業、China Wanxiang Holdingsから4億2000万ドルの投資を受けている。これは、この年、米国市場において行われたベンチャー・キャピタルによる投資の中で最大規模であった。この投資案件を実施するのに、ハンター・バイデン氏が直接関わっているかは不明である。

 

ローズモント・セネカ・パートナーズ

役職:共同設立者・コンサルタント

報酬:該当なし

 

2009年、ハンター・バイデン氏は、元国務省長官のジョン・ケリー氏の義理の息子であるクリストファー・ハインツ氏、そしてデボン・アーチャー氏らと共にローズモント・セネカ・パートナーズを共同設立した。クリストファー・ハインツ氏は、ケチャップ・メーカーで有名なハインツ一家の御曹司。一方、デボン・アーチャー氏は、クリストファー・ハインツ氏とイェール大学時代の同級生であり、アバークロンビー&フィッチの元モデル。

 

2014年、ローズモント・セネカは、ハーベスト・ファンド・マネジメントと中国の資産管理会社Bohai Industrial Groupが新規に設立したファンドに対して、15億ドルの資金調達を行うことに関与していたと、当時のウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。当時、中銀国際がBohaiの最大株主の一つであった。

 

ウクライナの天然ガス会社ブリズマ社の共同設立者であるミコラ・ズロチェフスキー氏と最初に接点を持ったのは、このデボン・アーチャー氏である。2014年、彼が管理するローズモントの不動産ファンドを売り込むためにウクライナを訪問していた。同年、アーチャー氏は、ブリズマの役員に就任している。ハンター・バイデン氏も、その後すぐにブリズマ社の役員に就任した。

 

BHRパートナーズ

役職:ディレクター、コンサルタント(2013年〜現在)

報酬:該当なし

 

ハンター・バイデン氏は、現在でもBHRパートナーズのディレクター職に就任している。BHRパートナーズは個人の投資ファンドであり、中国で最大の国営銀行数社、地方政府、国営年金基金の支援を受けている。

 

2014年に設立された当時、BHRは、ハンター・バイデン氏が共同設立した投資会社のRosemont Seneca Thornton LLC(RST)を、同ファンドの30%を所有する株主として記載していた。

 

1年後、RSTのパートナーであるRosemont SenecaのコンソーシアムとThornton Group(マサチューセッツ州が拠点。元国務省長官のジョン・ケリー氏はマサチューセッツ州選出の上院議員で同州が地盤)は、両者が保有するBHRの株式を分割し、Rosemont Senecaが20%、Thorntonが10%の株式を取得している。2017年、Rosemont Senecaは保有するBHRの株式を売却したが、Thorntonは保有を続けた。

 

BHRは、急成長を遂げるテクノロジー企業に対して、アーリーステージの投資を行うことで知られている。投資先企業には、中国の配車サービスDidi Chuxingや、顔認識技術を開発する中国のMegviiが含まれる。

 

BHRのCEO、リー・シアンシェン氏は、地元メディアに対して、政府による強力なバックアップが受けられるため、同ファンドは超巨大な投資案件を実行することができると語っている。同ファンドは、中国開発銀行や中国銀行などの株主から融資を受けることができるため、こうした大規模投資案件を実行できるという。

 

ハンター・バイデン氏の弁護士の1人によると、同氏はBHRのファンドに合計42万ドルを投資している。その現在の価値は420万ドルということになる。今年7月、雑誌ニューヨーカーが報じたところによると、ハンター・バイデン氏も彼のパートナーたちも、BHRからいまだに支払いは受け取っていない。

 

 

BHRのポートフォリオ企業FT紙の報道による)

 

Didi Chuxing

キャッシュアウト済み。中国最大の配車サービス。BHRはDidiに2015年に出資し、2年後にエグジットを達成。

 

Megvii

現在も出資中。中国政府によるウィグル族への大規模監視と関連した顔認識技術を開発している主要企業。BHRは、2017年に行われたMegviiのシリーズCの投資ラウンドに出資。

 

Sinopec Petroleum Sales

現在も出資中。世界最大の石油精製業者である企業の小売部門。Sinopecは、小売部門の株式を2014年に売却することで、中国政府が進めている公共部門の混合オーナーシップ改革に参画。その株式は、BHRを含む投資家グループに売却された。BHRは、1.7%のシェアを獲得するのに60億人民元を支払った。

 

Yancoal Australia

現在も出資中。中国で3番目に大きい石炭採掘業社のオーストラリア子会社。BHRは2社の中国銀行と協力し、Yancoal Australiaが2016年に起債した9年満期の社債9億5000万ドルを購入した。

 

CGN Power Group

現在も出資中。大手原子力発電企業。米国の技術を盗み軍事転用しているという理由で、今年8月、米国の経済制裁対象としてブラックリスト化され、この企業へ輸出することが禁じられている。CGNが2014年に香港でIPOを達成した際、BHRはその基盤となる投資家の役割を果たした。

 

Tuniu

現在も出資中。オンライン旅行代理店大手。BHRは2016年にTuniuに出資した。

 

Contemporary Amperex Technology(CAT)

世界最大のリチウムイオン電池製造業社。BHRは、2015年、CATに1億人民元を投資し、3年後に1億9700万ドルでキャッシュアウトしている。

 

3SBio

現在も出資中。中国におけるバイオ医薬品企業の大手。

 

Tenke Copper Mine

キャッシュアウト済み。BHRは、世界最大の銅山採掘業社の一つTenke Copper Mineの24%の株式をカナダが拠点のLundin Miningから11億ドルで購入。BHRは中継ぎとして交渉に参加し、中国国営の採掘業社であるChina Molybdenumにその株式を売却。China Molybdenumは、Tenkeの完全な支配権を手に入れた。

 

Henniges Automotive

現在も出資中。2015年、BHRは中国国営のAvic Autoと協力し、ミシガン州が拠点のHenniges Automotiveを買収。同社は自動車部品の製造企業。同買収金額は6億ドル。BHRはHennigesの49%の株式を取得。Avic Autoの親会社の傘下にある研究所は、中国国内で最大手の防衛関連企業であり、2014年、米国政府により輸出禁止企業としてブラックリスト化されている。

 

Gemini-Rosemont Realty

現在も出資中。2015年、中国国営企業のSino-Ocean Land Holdingsの投資部門であるGemini Investments Limitedは、Rosemont Realtyの75%の株式を購入。Rosemont Realtyは、デボン・アーチャーが所有するRosemont Senecaの姉妹企業であり、ハンター・バイデン氏はRosemont Senecaのパートナーである。この買収によりジョイント・ベンチャー企業、Gemini-Rosemont Realtyが創設された。Gemini-Rosemont Realtyは、全米22の州における135のビルを所有している。

 

Jilin Zhishi Dairy Co

現在も出資中。中国北東部を拠点にした酪農製品メーカー。

 

Chengdu Xijiao Rail Transportation Technology Co

現在も出資中。大手鉄道技術企業であり、BHRは10%の株式を取得。

 

(Photo via Shutterstock)

 

 

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