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ボーイング737NGの5%に当たる機体の翼に亀裂:米航空当局が発見

737 Next Generation

ボーイング社には次々と新たな問題が発覚している。2度の墜落事故を起こし多数の犠牲者を出したボーイング737 Max機であるが、それとは別のモデルである737 Next Generation (737NG)に新たな問題が見つかった。同社のDreamliner B787型機にも安全性の問題が指摘され、米司法省が捜査の対象にしている。

 

ボーイング社が世界で利用されている737NGの機体を検査したところ、36の機体の翼に亀裂が見つかったと発表した。これら問題が見つかった機体は緊急飛行停止の措置がとられ、修理が行われる予定であるとUSA Today紙が報じた

 

今回、ボーイング社は686機の737NGを検査し、そのうちの5%に当たる36機の翼に亀裂が見つかった。ボーイング社は、1997年から同型機を製造しており、これまでに全部で7043機を出荷している(2019年8月29日時点のデータ)。これら7043機のうち、どれだけ現在も運用されているかや、ボーイングが今後、何機を検査する予定かについては報じられていない。

 

今回の亀裂発見により、すでに大手航空会社には影響が出始めている。

 

ブラジルの航空会社GOLは、同型機11機を運行停止にし、修理に回している。アメリカのLCC、サウスウェスト航空は、2機を運行停止にし修理を待っている状態である。

 

「ボーイング社は、この問題がGOLおよび当社737NG機を利用しているその他の世界の顧客に影響を与えていることを遺憾に思います。当社は、顧客企業と積極的に協力して機体を検査しており、なるべく早く影響を受けた全機体を安全に飛行可能にするために、見つかった問題の部品を交換し、修理・交換プランを立案し、必要とされるあらゆる技術的支援を提供しています」と同社は声明で発表している。

 

USA Today紙は、旅客機として使われていたいくつかの737NG機を、空輸用の貨物機として再利用するために内装をはがして枠組みだけにする作業中に亀裂が見つかったと報じている。エンジニアたちがこれら機体を解体している最中に発見した内容が驚くべきものだったという。

 

毀損していることが見つかったパーツは、「ピクル・フォーク(pickle fork)」と呼ばれ、その名の通りフォーク状の形をしている。この「フォーク」は両翼と胴体をつなぐ役割の部品である。亀裂が見つかったのは、飛行距離が非常に長い737NG機であった。米連邦航空局(FAA)は、これを早急に修理しなければ、「機体の構造的完全性に悪影響を及ぼし、その結果、機体の制御が失われることになる」と警告している。

 

以下の黄色いパーツが「ピクル・フォーク(pickle fork)」。

 

 

この機体に亀裂が見つかったというニュースが報じられる数日前にも、欧州の航空規制当局が、ボーイング737 Max機のフライト制御システムに新たな懸念があると指摘しているとウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じていた

 

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