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WeWorkはSoftBankによる救済よりJPモルガンからの融資を希望

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WeWorkの運転資金が、早ければ来月にも枯渇するとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が先週金曜報じていた。そこでWeWorkは現在、2つの選択肢を検討している。1つは、JPモルガン・チェースからの大規模融資、そしてもう1つはSoftBankによる救済策であるとブルームバーグ紙が報じている

 

WeWorkは、事業が黒字化する計画も見込みもないのではないかという疑念が投資家の間で広がり、先月、IPOの申請を撤回している。さらにマクロ経済環境についても2020年以降に不況が起きるという危機感から向かい風が強まっており、ウォール街の金融機関はユニコーン企業のバリュエーションを修正しているほか、すでに黒字化している企業に投資を集中するようになっている。

 

すでに弊紙でも報じている通り、WeWorkは今年前半の6ヶ月で6億9000万ドルを消費しており、現在でも毎日数千万ドルの費用が発生していることから、営業損失は30億ドルに迫る勢いである。追加の運営資金を調達できなければ、同社は来月にも手持ち資金が枯渇し破産することになる。

 

そこで、現時点でWeWorkに与えられた「命綱(ライフライン)」となる選択肢は以下の2つである:

 

  1. SoftBankがWeWorkの社債と株式を購入することと交換に行う「つなぎ融資(DIPファイナンス)」。もしWeWorkがこの救済策を選ぶ場合、SoftBankとそのビジョンファンドがWeWorkの過半数の経営権を握ることになる。
  2. JPモルガン・チェースが提供する50億ドルの資金パッケージ。過半数の経営権を手放す必要がなく、その代わりに15%のクーポンがついた最低20億ドルの無担保手形を発行。

 

ブルームバーグ紙に語った情報源の人物によると、WeWorkはSoftBankが提示している救済策ではなく、JPモルガンによる融資案の方を真剣に検討しているという。後者の融資案は、WeWorkの未公開株を大量に保有している内部の人間たちの資産価値や経営権を希薄化しなくても済むためである。その代わり、JPモルガンによる融資案はコスト高である。しかしもしWeWorkの事業再建が成功すれば、未公開株を保有している人々やJPモルガンにとって利益を生み出すことになる。

 

WeWorkの企業価値は、今年1月に付けていた470億ドルから、10月には100億ドル〜120億ドルまで暴落している。この間、同社設立者のアダム・ニューマン氏はCEO職から辞任している。

 

「赤字続きでその他の向かい風にも直面している会社に対して、市場の投資欲はほとんどなくなっている。その企業が10%以上の利回りの社債を発行しても、だ」とブルームバーグの情報分析担当アーノルド・カクダ氏は先週、メモの中で記している。

 

今月初旬、フィッチ・レーティングスはWeWorkの与信格付けを2段階格下げ、「CCC+」をつけている。これによりWeWorkの社債はジャンク債のレベルへと転落した。

 

「IPOもそれと関連した優先担保付債務(senior secured debt)の起債も行われない中、WeWorkはその成長プランを達成するための十分な財源がない状態である」とフィッチはメモに記している。

 

もしWeWorkがJPモルガンによる出資案を選択すれば、同社には事業を黒字化するために企業再建する時間がある程度与えられることになる。しかし、同社は、ますます向かい風が強まっているというマクロ経済環境にあることを忘れてはいけない。

 

少なくとも60社の金融機関がWeWorkと守秘義務契約を結び、融資交渉を行なっているとブルームバーグは報じている。この先数週間で、WeWorkは破産申請を避けるために自社を救済する最終合意案を選択することになる。

 

しかし、市場は非常に悲観的だ。同社の発行済社債の取引価格を見てみると、昨日は救済案のニュースが報じられて価格が急騰していたのが、今日、新たな融資パッケージ案が明らかになってくると、同社の債券価格は1ドルあたり78セントと、過去最低を記録している(13%以上の利回り)。

 

* * *

 

一方、今週はWeWorkが運営するシェア・オフィス内に高濃度のホルムアルデヒドが検知されたというニュースが報じられている

 

今週月曜、WeWorkは米国およびカナダのテナントに対して、シェア・オフィス内の電話ブースで「潜在的に高レベルのホルムアルデヒドが検出された」とメールを送信した。WeWorkがなぜ「潜在的に」と言っているのかは不明である。報道によると、「先週末、高濃度のホルムアルデヒドの検出結果が出た」とWeWorkはすでに認めている。

 

同社のメールによると、各地のシェア・オフィスから「影響を受けている可能性のある」1600の電話ブースや、まだホルムアルデヒドの検出テストを行なっていない700の電話ブースを取り除く作業を行なっていると伝えている。今週月曜、複数箇所にあるWeWorkのシェア・オフィスでは、電話ブースの周囲に「注意:利用禁止(CAUTION: DO NOT USE)」というテープが貼られていたという。

 

WeWorkはそのメールの中で、テナントから「匂いと目への刺激」を訴えるクレームを受け取っていたと記している。アメリカ環境保護庁(EPA)のサイトによると、ホルムアルデヒドは、呼吸器系や目、鼻、喉への違和感を引き起こす物質と記載されている。

 

バージニア州アーリントン市(ワシントン DC近郊)にあるWeWorkのシェア・オフィスに入居しているコリーン・ウォン氏は次のように証言している:

 

最初に電話ブースを使った時から、いつも強い化学臭がすることに気がついていた。それは新しいビルや機械に特有の匂いだと思っていた。接着剤とか新車のような。

 

また別のテナントは次のように語っている:

 

「化学臭がした。通販で何か新しいものを買った時にする匂い」とミネアポリスにあるWeWorkのシェア・オフィスを利用している人物はブルームバーグ紙に語った。

 

また、シアトルにあるWeWorkのシェア・オフィスを利用している人はブルームバーグ紙に次のように語っている:

 

私が懸念する唯一のことは、あとどれだけWeWorkは自社の評判を傷つければ気が済むのかということです。自分が入居するオフィスの家主の将来について心配しなければいけないというのは、良いことではありません。

 

WeWorkは、高濃度のホルムアルデヒドが電話ブースで検出された原因は、その製造業社の責任だと語っている。

 

ただでさえここ数ヶ月間、同社の存続がかかるごたごたが続いているWeWorkにとって、このような醜聞は泣きっ面に蜂の出来事となっている。現金が枯渇しそうと報じられているWeWorkはすでにゾンビ化しているとも言え、そこに死体の防腐処置に使われるホルムアルデヒドが検出されたというのはこの上ない皮肉だ。

 

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Photo via WeWork

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