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WeWorkはJPモルガンによる融資の提案を蹴った模様と報道

WeWorkはJPモルガンによる融資の提案を蹴った模様と報道
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来月にも運転資金が枯渇すると報じられているWeWorkは、新たな資金調達先を緊急に要しており、JPモルガンからの融資案とSoftBankによる救済策を両天秤にかけていると先週報じられていた。その際、WeWorkは経営権を手放すことが条件となるSoftBankによる救済よりも、経営権を維持しながら融資が受けられるJPモルガンによる提案を希望しているとブルームバーグ紙が報じていた。しかし今週になって事態は一転し、WeWorkがJPモルガンによる融資案を蹴り、SoftBankによる救済案を受け入れることにしたようだとCNBCやウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じた

 

WeWorkがJPモルガンによる融資案に難色を示した理由は、借り入れる融資の返済金利が8%〜15%と先週時点で噂されており、これが非常に高いためと言われている。

 

SoftBankに経営権の過半数を引き渡す救済案を受け入れる場合、SoftBankは50億ドル分のローンを貸し付け、WeWorkが新たに発行する株式を15億ドル分買い取る。また、既存の発行済株式を保有する投資家や社員から10億ドル以上(WSJ紙の報道では10億ドル以上、Axiosの速報では30億ドル )の株式を買い取る提案も行なっていると複数の人物がWSJ紙に語っている。このSoftBankによる救済が実行に移される場合、WeWorkの企業バリュエーションは80億ドル以下になる。これまで既にビジョンファンドが100億ドルを投資していることと併せることで、SoftBankはWeWorkの過半数の株式を取得することになり、完全な支配権を手に入れることになる。

 

数ヶ月前まで470億ドルという企業バリュエーショーンであった企業が、一気に80億ドルとピーク時の17%にまで価値が急減してしまうということは、つまり470億ドルという企業価値は偽物だったということだ。また、WeWorkの経営陣は、SoftBankが提示している企業バリュエーションの「倍以上」を期待していたとWSJ紙は報じている。つまりWeWorkの経営陣は160億ドル以上の企業価値がつくことを期待していた。しかしSoftBankはその半分以下の80億ドル以下という企業バリュエーションに減額する救済案を提示している。

 

改めて整理すると、SoftBankが持ち出すことになる救済と買収にかかる費用は、合計で75億ドル〜95億ドル規模になる見通し。WeWorkの企業価値は既にゼロだという声も上がっている中、さらに75億ドル〜95億ドルも追加で資金を持ち出してまで存続させる意味が果たしてあるのだろうか?ただ単に、SoftBankはこの絵に描いた餅(以下のスライド)を維持し続けたいだけなのではないか?多額の先行投資を行なってきた案件を「損切り」するのは心理的に大きな苦痛が伴う。しかしプライドや恥を無視して冷徹に損切り判断できることが良い経営者なのではないか?

 

(ビジョンファンドのプレゼン資料より)

 

ただ単に、これまでWeWorkに投資してきた金額をゼロにしたくないという理由だけで瀕死のユニコーン企業を数四半期だけ延命させているのだとしたら、それは大きな経営判断ミスだ。

 

さらに特筆すべきなのは、SoftBankが社員や投資家が保有している発行済株式を30億ドル(WSJ紙は10億ドル以上と報道)を買い取る提案をしていることだ。WeWorkの社員や投資家には喜ばれる買収策だろうが、SoftBankへの投資家はこれをどう思うだろうか?WeWorkの元CEOアダム・ニューマン氏は、保有する株式をIPO前に売り抜けたりそれを担保に銀行から融資を受けることで、既に7億ドルの現金を手にしている。彼がこれ以上、保有株を現金化することに反対する声は少なからずありそうだ。

 

WeWorkは毎年30億ドルの運転資金を消費していると言われており、SoftBankから受けられる50億ドルの融資は、単純計算で18ヶ月分の運転資金ということになる。もしWeWorkが大幅なコスト削減を行えば、当然、この18ヶ月という期間を伸ばすことはできる。しかし大幅なコスト削減は、「スケーラブル」なビジネスモデルと謳われていた同社の収益モデルを壊すことになり、売り上げの減少に直結する。

 

拡大し続けることで規模の経済を追求していたビジネス・モデルを諦めざるを得ない状況のWeWorkに、さらに50億ドルを追加融資することで、WeWorkとSoftBank、さらにはSoftBankに融資しているみずほ銀行やゴールドマン・サックスはどうなるのだろうか?沈みゆく船から逃げ出す脱鼠のごとくゴールドマン・サックスは既にビジョンファンドへの貸し出しリスクを削減しようとしていることが報じられている、みずほ銀行は同様の貸し出しリスクの削減を積極的に行なっているのだろうか?それとも、最悪の場合、日銀が救済してくれると高を括っているのだろうか?

 

JPモルガンは、SoftBankに対抗する50億ドルの融資案をカウンターとして提出する計画。WeWork取締役会の特別委員会は、今週投票を行い、SoftBankによる案とJPモルガンによる案のどちらを選択するか決定する予定。

 

Photo via WeWork

 

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