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投資家ガンドラック氏、「劇的な経済悪化によりヘリコプターマネーがやってくる」

投資家グンドラック氏、「激しい経済悪化によりヘリコプターマネーがやってくる」

各国の中央銀行は量的緩和を進め、市場に資金を大量投入してきた。その結果、株価は史上最高値をつけている。しかしこれで全ての問題が解決されるわけではない。ロサンゼルスが拠点の投資会社DoubleLineのCEO、ジェフリー・ガンドラック氏は、大きな問題が将来に待ち受けていると見ている。DoubleLineの保有資産総額は1470億ドル(2019年第3四半期末時点)。同社の主な投資先は債券。

 

ガンドラック氏は、アメリカで社債が膨れ上がっていることに懸念しているだけでなく、国債などの政府債やアメリカの株式市場が置かれた現在のレベルについても持続可能な状態ではないと懸念している。特に企業の信用(クレジット)が大きな問題であるほか、不況が訪れる際には米国株の下落幅が最も大きくなるだろうと予想している。投資家たちは、大きな混乱に備えなければいけないと警鐘を鳴らしている。

 

以下はFinanz und Wirtscaftに掲載されたガンドラック氏とのQ&Aである

 

Q. ガンドラックさん、投資家へどのようなアドバイスを行いますか?

 

A. 次に起きる世界的な景気低迷に備えたポジションを取る必要があります。なぜなら、それは各市場において大規模な変化を引き起こすからです。

 

 

Q. 景気低迷はいつやってきますか?

 

A. それは1年後にやってきても4年後にやってきても関係ありません。経済が今のように続けば良いですが、今準備を始めなければ、そこ(今の投資先)からあなたが得られる収益は、景気低迷に突入したときにあなたの投資が直面する問題によって帳消しになるでしょう。

 

 

Q. どのような投資ポジションを取る必要があるのでしょうか?

 

A. 投資家は、機械的にリスクを削減するべきです。十分多様化された投資を行う必要があり、金融資産だけにとどまるべきではありません。もし可能であれば、住宅ローンは完済しておくべきです。もし住宅ローンを抱えているのであれば、株式は保有するべきではありません。

 

 

Q. 歴史的に似た状況はありますか?

 

A. 膨大な超過レバレッジがかけられ、クレジットに桁外れの崩壊が起きると人々が気がついた2006年のときのように感じます。

 

 

Q. どうして投資家は今、準備する必要があるのでしょうか?

 

A. 衰退が起き始めた中でこうした調整を行うことは非常に困難です。なぜなら流動性が失われるからです。次の後退期では、社債市場における流動性がかなりチャレンジングになるでしょう。

 

 

Q. 社債市場における問題は何なのでしょうか?

 

A. アメリカにおける社債市場は、実際の価値よりも高く格付けされています。世界金融危機が起きる前に、不動産担保証券が異常に高く格付けされていた状態に似ています。次に起きる不況では、企業の与信(クレジット)が大きな問題になるものとして、注視するべきです。

 

 

Q. その問題はどれくらいの規模になるのでしょうか?

 

A. モルガンスタンレーの調査部門は、1年ほど前に分析を発表しています。レバレッジ比率だけを見たところ、投資適格社債のうち30%以上が、投資不適各であるべきという結果でした。つまり、社債市場はかつてないほど肥大化してしまっており、その多くが実際以上に底上げされた格付けを受けた社債であるというリスクが露呈した状態です。いったん経済がこければその価格はおそらく下落するでしょう。さらに、中央銀行による政策のせいで、投資家たちは通常であれば分散投資する対象として躊躇するような資産クラスにも投資することを余儀なくされてしまっています。

 

 

Q. それでは株を保有した方が良いということですか?

 

A. 過去3回起こった主要な世界経済不況について見てみると、アメリカの株式市場は、世界で最悪のパフォーマンスしか達成できない株式市場となるでしょう。これら3回の経済不況が起きる前、世界の株式市場の1区画が顕著に他を凌いだパフォーマンスを達成していました。その株式市場に関係した経済は無敵であると思われていました。

 

 

Q. それはどの市場だったのですか?

 

A. 1980年台後半、日経株価は他のどの市場よりも顕著に優れたパフォーマンスであり日本は無敵と思われていました。当時、日本の不動産は信じられないほど過大評価されていました。1990年代初頭に不況が訪れるまでは。日本市場は最悪のパフォーマンス市場となりました。当時(ピーク時)のレベルにまで戻ることはありませんでした。ユーロが誕生した際は、ユーロ圏の経済見通しについてかなりの熱狂が起きました。そしてヨーロッパにおける株式市場は、1999年に信じられないほど強力なものになり、その他のどの市場よりも優秀なパフォーマンスを達成しました。しかし不況が始まると、それは最悪のパフォーマンスとなり、過去のレベルにまで戻ることは決してありませんでした。これは大まかに言っての話です。

 

 

Q. 次はアメリカの番ということですか?

 

A. 今回、アメリカの株式市場がその他の地域に圧勝している状態です。それは経済がより良い状態であるといったいくつかのファンダメンタルズや、減税、そして自社株買いに起因しています。次に不況が起きる際、社債は暴落し自社株買いは終わりを迎えるでしょう。米ドルは既に最高値をつけました。次の不況時にドルは本格的に下落を始める可能性があり、アメリカの株式が最も大きく下落します。それらがピーク時の価格まで戻ることはしばらくの間ないでしょう。アメリカの株式が下落するとき、その下落は大きなものになります。

 

 

Q. ゴールドはどうでしょうか?

 

A. 私は、1オンス300ドルの時代からゴールドの提唱者です。短期的には私は積極的ではありませんが、1400ドルでゴールドを買う価値はあると考えています。

 

 

Q. あなたが価値ある投資先と考えている他の分野はありますか?

 

A. 無条件に価値がある分野?いいえ、世界の金融資産で価値があると呼べるものは全然ないと思います。なぜなら、各国の中央銀行の政策により、分散投資の対象とするよりもむしろ歴史的には避けるべきものとして(金融資産の)バリュエーション・レベルを押し上げてしまっているからです。

 

 

Q. どれほどの期間、連銀は金利政策を続けるでしょうか?

 

A. 連銀は債券市場に追随するでしょう。彼らは常にそれしか行ってきていません。この夏、彼らが量的緩和を始めた理由は、債券市場が2年ものの国債に対してFFレートよりもかなり低い金利価格をつけたからです。彼らがそのレベルを持続することは不可能でした。結局、それは市場の動きに左右されます。連銀は、彼らが次に何を行うことになるのか知らないのです。

 

 

Q. アメリカの長期金利はどのレベルになると思いますか?

 

A. 次に起きる不況で、金利はかなり上昇するでしょう。なぜなら、国債の発行額は数兆ドル規模となるためです。しかし連銀は、欧州中央銀行がそうしてきたように金利を低く抑え込むかもしれません。連銀はすでに量的緩和を行っています。しかし彼らはそれを認めません。彼らはレポ取引市場に流動性を投入しています。私には、連銀が長期金利を押さえ込もうとしているように見えます。

 

 

Q. 連銀はどのように長期金利を抑え込んでいるのでしょうか?

 

A. ジェローム・パウウェル議長は、量的緩和はそもそも長期金利を下げるよう設計されているため、これは量的緩和ではないと言っています。それでもなお、彼はある意味、膨大な短期国債の発行をほう助しています。もし米国財務省が10年ものや30年ものの国債を代わりに発行していたなら、イールドはすでに上昇を始めていたでしょう。つまり、債券の発行を管理することを通じて、奇妙な方法で彼らは長期金利を押さえ込んでいるのです。私が興味深く思うのは、今日、短期国債に対する金利1.85%に対して自然需要は発生しないということです。もし今あなたが発行している量の5倍(短期国債を)発行する場合、1.5%の金利がついた10年ものの国債に対して自然需要はあると思いますか?私はないと思います。

 

 

Q. つまり、連銀は長期金利を低いままに持続するだろうと?

 

A. まず金利は上昇します。というのも、連銀が突然なんの前触れもなく、彼らが大規模な量的緩和を行い10年ものそして30年ものの国債を購入すると発表するのは変だからです。それを起こすきっかけが必要です。そのきっかけというのは、おそらくレポ取引市場で起きたことに似た何かです。レポ取引では(先月)、1日で全てが瓦解し金利が10%近くにまで急上昇しました。そして連銀が介入し全てを救済しました(関連記事)。最終的には「テーパー・タントラム」(*)のような種類の動きが起きるかもしれません。それが連銀にこの大規模政策を発表させるということにつながるかもしれません。パウウェル議長は、次の不況と闘うために、巨大な規模の資産購入を行うだろうと語っています。彼は前回のプレス・カンファレンスでそのように語りました。

 

(*)「量的金融緩和縮小(先細り)で市場がパニックしてしまう事を表す“テーパー・タントラム(taper tantrum)”(出典:「テーパー・タントラム)」

 

 

Q. それ以外に彼は何ができるでしょうか?

 

A. 彼はマイナス金利を導入することができますが、世界の全ての金融システムを崩壊させることなく、アメリカはマイナス金利を導入することができないということをパウウェル議長は理解していると思います。なぜなら、世界にあふれた資本はどこへ向かえばいいというのでしょうか?どの市場が、(これら資産を受け入れるのに)十分巨大でしょうか?マイナス金利は、アメリカにおいて起こり得る最悪の事態です。

 

 

Q. それはなぜなのでしょうか?

 

A. マイナス金利が日本そして欧州の銀行システムに何をもたらしたか考えるてみると明らかです。(各国の)銀行株のパフォーマンスを比較してみればわかることです。ヨーロッパの銀行が(比較的)低いパフォーマンスであることは、10年もののドイツ国債のイールドと相関関係があります。政治家たちが、マイナス金利は命取りであるということを理解しているのか私にはわかりません。それは、ドイツ銀行そしてスイスの保険会社にとって命取りです。

 

 

Q. ヨーロッパはマイナス金利から抜け出すでしょうか?

 

A. そのようには見えません。彼らはそうしたいとは考えていないようには見えます。彼らは、マイナス金利は経済を短期的に上昇させるためのものであると結論づけています。しかし、それは長期的にみると壊滅的で命取りです。長期的になる前に、何回までなら短期的マイナス金利を繰り返すことが許されるでしょうか?

 

 

Q. それはかなりの期間にわたって続けられています。

 

A. アメリカの財政赤字も同じです。しかしそれは関係ないという意味ではありません。それはただ単に、それがまだ起きていないということを意味しているに過ぎません。

 

 

Q. ワシントンDCでは、誰も債券と財政赤字について心配しているようには見えません。

 

A. 彼ら(政治家)は心配していません。なぜなら連銀がそれ(国債・公債)を貨幣化すると思っているからです。彼らは正しいのかもしれません。私たちが負債を返済するという考えを人々は諦めてしまった。誰もそれを信じていないと思います。私はそれがなぜかわからない。アメリカ政府の財政赤字は返済するにはあまりにも巨額すぎます。私たちはそれを相当削減しなければいけません。

 

 

Q. そうしなければ何が起きるのでしょうか?

 

A. ユニバーサル・ベーシック・インカムを行うことでインフレを起こすことができます。それは全ての価値を下げることになります。もしくは、社会保障制度や福祉制度を破綻させることが起きえます。これらは選択肢です。私たちはこれらの組み合わせを行うことになるでしょう。もしかすると、年金受給資格を65歳から75歳に引き上げるかもしれません。何が起きるかは分かりませんが、少なくとも私たちの現状は持続不可能です。赤字は持続不可能な状態です。金利も持続不可能な状態です。毎分、貧富の格差は悪化しています。持続可能な分岐点を既に超えてしまっています。そして次の経済不況が起きるとき、多大なる怒りや不安が人々の間に起きるでしょう。

 

 

Q. 次の不況が、これら変化を引き起こす重大な転機となるでしょうか?

 

A. その通り。人口の大部分の間で不幸が目に見えて明らかな状態となるでしょう。それは非常に激しい張り詰めた状態となり、それへの対策として紙幣を印刷することになるでしょう。ベン・バーナンキ(元連銀議長)は、紙幣の印刷機械があるためデフレは決して起きないと言い、彼がヘリコプター・マネーという単語を使った際、人々はそれが何らかの婉曲表現でありジョークであると思いました。人々は、そのようなことは決して起きないと思っていました。しかし今、そのことを実現しようとする候補者たちがいます。カマラ・ハリス議員(民主党からの大統領選挙立候補者)はその改編版を政策に掲げています。コーリー・ブッカー議員(同立候補者)も彼独自の改編版の政策を提唱している。アンドリュー・ヤン(同立候補者)は、それを彼の選挙キャンペーンの中心に据えている。

 

 

Q. 不況はどれほど早くやってくると思いますか?

 

A. この先数ヶ月内に不況が起きるとは私は見ていません。複数の指標は、そうした方向性を十分強くは示していない。1年半前に比べて、これら指標はずいぶんと弱くなっています。しかし、これらは普遍的な裏付けある証拠であるわけではありません。失業率は、依然として不況が起きるには低い状態です。

 

 

Q. ネガティブなシグナルが最初に起きるのはどこでしょうか?

 

A. 消費者のマインド、消費意欲がおそらく最良の指標でしょう。それはつながっています。失業率が高まれば消費者マインドも冷え込みます。それが消費の低下につながります。不況は非常に心理的なものです。

 

 

Q. CEOたちはすでに非常に悲観的です。

 

A. CEOのマインドは、不況に入っているときのように非常に低い状態です。CEOのマインドが、通常、最初に下落します。それが雇用の減速につながり、投資の減少につながります。そのため、来年、不況が起きるケースを容易に想定することができます。しかし、不況が始まるのを延期するために、トランプ政権が引くことになる、もしくは引こうと試みることができるレバーがいくつかあります。

 

 

Q. どんなレバーなのでしょうか?

 

A. まぐれか、もしくはそう計画して実施しているのかもしれませんが、トランプは不況を先延ばしするために彼ができることを全てやっています。関税は小売業の売上を直撃しています。彼ら(トランプ政権)は、トランプが「25%の関税をかける。しかし我々は合意にいたるだろう」と言うことで、人々が消費のための意思決定することを先延ばしさせています。そう発言することで、人々は合意まで消費することを待ちます。消費行動を変えさせる一つの方法は、強気の発言をして2019年中に関税を課すと言い、それからそれらを撤回することです。彼が本当にそうするか私には分かりませんが、そうやって消費者を騙すことができます。もし彼が今年3月もしくは4月に関税を撤廃し、突然、延期されていた消費行動が前倒しされていたとしたらどうでしょうか?この夏に起きていた弱含みの経済は、部分的に関税のせいであった可能性があります。おそらく、関税がもたらす影響は、後で回復することが可能な程度の経済的弱さを生じさせることなのかもしれません。

 

 

Q. それが経済にとって十分役立つことになるでしょうか?

 

A. 現政権は、所得税の減税についても語っています。彼らは選挙キャンペーンの最中にそれを実行に移すかもしれません。それはほぼ1対1の直接的な関係で消費を押し上げます。これは強力な経済刺激策です。そして2018年半ばに経済を弱めることで、彼は連銀に金融政策をUターンさせることに成功しました。つまり、量的引き締めと一連の金利引き上げから、量的緩和と金利の引き下げへの政策変更です。これらの金利引き下げにはタイムラグが発生します。それも役に立つでしょう。つまり、これら全てのことが順調に機能している状況で、このうちの3つのことを同時に行えば、不況をかろうじて回避できる可能性があります。もし何もしなければ、おそらく大統領選挙の前に不況に突入するでしょう。

 

 

Q. トランプは再選されるでしょうか?

 

A. 彼を阻むものは不況だけです。

 

 

Q. 民主党はどうなるのでしょうか?

 

A. もしトランプが弾劾されなければ、彼ら(民主党からの立候補者)は誰も当選するチャンスがない。最も強力な候補者はピート・ブテジッジです。しかし彼は若すぎるように私は思います。また、彼のアイデンティティ(ブテジッジ氏は同性愛者であることを公言している)は、この国の一部地域では時代よりも少し早すぎかもしれません。

 

 

Q. エリザベス・ウォーレン候補者はどうでしょうか?

 

A. 彼女は勝てない。(民主党から)候補者の指名を獲得できるかもしれません。しかし彼女が掲げる国民皆保険は、総選挙において負けを意味する政策です。既に民間の保険に加入している1億6000万人の国民は、それ以外の国民がより良い健康保険に加入できるよう、現在、加入している民間の保険よりも劣った健康保険を受け入れるだろうと彼女は語っています。これは説得するのが難しい。彼女はこの政策を方向転換することもできますが、彼女は国民皆保険について方向転換できるとは私は思わない。また、彼女は国民皆保険を導入するために中産階級に対して増税するかという質問を(テレビ討論会で)受けた際、それに答えることを拒否しました。これは彼女にとって墓穴を掘る行為となりました。全員が、その答えはイェスであることを知っています。彼女は、「イェス、私たちは中産階級に増税する。しかし心配する必要はない。数年後には保険の控除免責や保険料の支払いがなくなることで、増税分は回収できる」と語ることもできました。彼女はそういったことを話そうとしましたが、彼女は質問に回答することを拒否しました。それが、彼女の信憑性を傷つけました。

 

 

Q. しかし彼女にはかなりの支持者がいます。

 

A. 米国における政治周期において、現在、資本家的な考えを激しく非難することが支配的となっています。市場を非難し、企業を非難し、富裕層を非難し、貧富の格差を是正することを求めています。このトレンドは止められません。経済不況が来るとき、これらが巨大な問題となって非常に重大な変化をもたらすことになるでしょう。それは、資産の没収だったりカネのばらまき政策といったことです。

 

 

Q. MMT(現代貨幣理論)は、その新たな制度の一部として含まれるでしょうか?

 

A. おそらく。わたしは、それが新しい制度に移行するまでの転換期の一部制度になると考えています。人々にカネを配分することで、彼らの間で不幸が広がるのを防ごうとする試みです。

 

 

Q. あなたが投資家として過ごした今までの間で、今日のような状況が起きたことはありましたか?

 

A. もちろんありません。この状況は1945年からずっと大きくなり続けています。そしてロナルド・レーガン大統領になって本格化しました。私はこのスキームが始まった時にこの投資業界に入りました。8%という金利は永遠に固定されたものだと私たちは思っていました。そして、連銀が債券を購入するなど考えも及ばない、ありえないことだと思っていました。しかし今ではそれは普通です。また、フリー・マネーもかつては考えられないことでした。人々が自分たちを騙してしまっているのは、どういうわけか社会制度が本当に安定していると感じていることです。彼らがその人生の大部分をその社会制度下で過ごしてきたと言う理由だけで、そう感じています。彼らの中には、まだこの社会制度が続いていると信じている人たちもいますが、それは間違いです。

 

 

Q. 私たちは普通の金融政策に戻ることがあるでしょうか?

 

A. いいえ。私たちは、新たな長期政策となる「ニュー・ノーマル(新たな通常政策)」を始めることになるでしょう。それは(今とは)違う政策です。私たちはそれを考え出さなければいけません。考えてみてください。1970年当時、クレジットカードは存在しませんでした。1970年に、自動車ローンは存在しませんでした。人々はお金を貯め、それから物を購入していたのです。それが普通だった。国の債務対GDP比は安定していました。経済成長は本物でした。本当に経済が成長していたのです。

 

 

Q. 今は?

 

A. 2018年、名目GDPのドル成長は、国の財政赤字のドル成長よりも低い。これが意味するのは、経済は成長していないということです。私たちは経済成長しているという幻想を抱いているのです。それが意味するのは、私たちは借用書を発行し、それを元に消費をし、それが計算するとなぜか経済成長として計上されているのです。しかし消費は経済成長ではありません。

Photo via Finanz und Wirtscaft

 

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