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WeWorkの元CEOアダム・ニューマン氏に対し、当局が私的金融取引の疑いで捜査を開始:ロイター紙が報じる

WeWork

およそ1年前、WeWorkのCEO(当時)であるアダム・ニューマン氏が、商業不動産を個人的に購入し、購入価格以上の金額でニューマン氏に利益が出るようWeWorkにリースしていたことは既に当時から知られていた。このようなあからさまな私的金融取引をWeWorkの取締役会が知りつつ承認していたとしたら、同社のコーポレート・ガバナンスは相当、機能不全に陥っていたということになる。

しかしそれから1年以上が経過し、アメリカの複数の政府機関がようやく重い腰をあげて捜査に乗り出している。ニューヨーク州の司法長官であるレティティア・ジェームズ氏が、アダム・ニューマン氏を捜査中であると、今週月曜ロイター紙が報じた。WeWorkの広報担当社は、今週月曜にレティティア・ジェームズ司法長官から問い合わせがあったことを認めた。ニューヨーク州の捜査官たちは、特にニューマン氏が私腹を肥やすために不法に私的金融取引を行なっていたか否かについて捜査を進めている。

ニューマン氏の過去の行動を見てみると、私腹を肥やすためにWeWorkを利用することになんの良心の呵責もなかったのは明白であるように見える。ニューマン氏は、最終的な借り手として相場以上のリース料をWeWorkに払わせることで、WeWorkを彼の個人的な投資の「受け皿」として利用していた。これにより、ニューマン氏が個人的に不動産物件を購入する際に、彼が強気の価格競争を行える根拠(担保)となっていた。また、ニューマン氏は『We』という単語を個人的に商標登録し、WeWorkにその商標権を600万ドルで購入させていた(ニューマン氏は、後にこの商標権の支払い金を同社に返金している)。そして同社が新規株式公開前の目論見書を作成する段になると、ニューマン氏は彼の家族がWeWorkをこの先300年間支配できるという所有権構造を考案していた。彼はそのことについて自慢げに語っていたと報じられている。

しかしIPOの直前、数週間のうちにWeWorkの企業価値が550億ドル超から100億ドル以下へと急落すると、同社の最大の支援企業であるSoftBankグループは同社を破産させ巨額の損失を計上するか、追加投資を行い救済するかの二択に迫られた。

結局SoftBankグループはWeWorkを救済する道を選んだわけだが、ニューマン氏は17億ドルの「退職金」を受け取って同社の経営から離れた。

現在、WeWorkは抜本的なリストラ改革に直面している。同社が世界に抱える社員の約3分の1にあたる4000名の社員は、今週末までに解雇される可能性が高い。WeWorkのコア事業に携わらない社員たちは解雇され、同社に残る社員たちは今週金曜、新たな業務内容について知らされる予定だ。SoftBankの幹部でWeWorkのエグゼクティブ・チェアマンとして任命されているマルセロ・クラウアー氏が、WeWorkの社内改革を牽引している。

また、ここでも掲載した通り、ニューヨーク州の司法長官だけでなく、連邦政府機関の米証券取引委員会がWeWorkに対する捜査を開始していると報じられている。この第一報はブルームバーグが報じたが、ロイター紙がその後を追跡し報道している。

複数の政府当局がWeWorkやその元CEOについて捜査を開始したという一連の報道を受けて、同社の社債価格はさらに最低を更新し、逆に利回り率は16.1%へ急騰している。

WeWorkを単なる不動産企業ではなくそれ以上の価値がある企業として売り込むことに成功したニューマン氏のセールスマンとしての才能は、ある程度は評価されるべきかもしれない。しかし、WeWorkのIPOを失敗させる元凶を生み出し、同社を破産の危機に陥れてもなお、追加で約20億ドルの「退職金」を孫社長から引き出し退社したニューマン氏に対して、捜査が行われない方がおかしい。

一方、アメリカ本社のWeWorkの公式ツイッター・アカウントは、この日、都合の悪いニュースには触れず自画自賛する写真を投稿している:

【訳】ニューヨーク・シティーから、インテリア・デザインについてのインスピレーション

Photo via WeWork’s Official Twitter account.

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