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絶え間ない政治ショーとフェイク・ニュースにより、アメリカの有権者は「感覚が麻痺し混乱している」:ニューヨークタイムズ紙

絶え間ない政治ショーとフェイク・ニュースにより、アメリカの有権者は「感覚が麻痺し混乱している」:ニューヨークタイムズ紙

トランプ大統領が就任してから3年間、アメリカではフェイク・ニュースや嘘の世論調査結果が報じられ続けた。このような絶え間ない『政治ショー』を見続けてきた結果、アメリカ国民は「感覚が麻痺し混乱」し、人々はそうしたニュースから目を背けるようになっているとニューヨークタイムズ紙が報じた

 

ニューヨーク州北部では、水曜朝、トラビス・トルーデルさんの電話に(大統領の)弾劾に関する公聴会が始まったと知らせるニュース通知が表示された。しかし彼はそのニュースではなくディズニー・プラスのアプリを開いた。ウィスコンシン州に住むジャー・コリガンさんは、(弾劾手続きを)見ようと思ったことが一度もない。彼女はこの日、小学3年生の生徒たちに算数を教えることに1日を費やした。アイダホ州でコンピュータ・プログラマーとして勤務するラッセル・メモリーさんは、この日、とても忙しかった。そのため、公聴会が全て終わる数週間後に、まとめてニュースを見ることにした。- ニューヨークタイムズ紙

 

ウィスコンシン州スティーブンス・ポイントに住むジャー・コリガンさんは、「前よりもひどい状況になっている。メディアは、記事の見出しで視聴者の注意をひこうとしている。トランプはこれをした、トランプはあれをした、という感じで。視聴者はそれについて集中して情報を読み込み、自分で調べる必要がある。だけど、私はそんなことをする人たちは多くないと思う」と語っている。

 

アメリカの(そして日本の)大手メディアは、2016年の大統領選挙で、トランプが負けるのは確実だと口を揃えて報じていた。そのことで、アメリカの大手メディアは自身の評判を完全に失墜させることになった。その次にアメリカの大手メディアは、トランプがロシアと共謀したのは確実であると2年近く報道しまくった。そして今度は、オバマ政権時代の国務省が疑問を呈していたにもかかわらず、ジョー・バイデン元副大統領と彼の息子ハンター・バイデンの汚職疑惑については一切本質に触れる報道は行わず、野党民主党が企てた弾劾裁判を盛り立てようとしている。

 

先ほどのコリガンさんは、「もう何を考えたらいいのかわからない。真実を知る必要があるけれど、今私がメディアから受け取っている情報が真実なのかわからない」と語っている。

 

ニューヨークタイムズ紙が引用している、AP通信とシカゴ大学の全米世論調査センター(NORC)が最近行った世論調査によると、アメリカ人の47%はどれが真実を伝えるニュースか特定するのが困難であると信じている。

 

わずか31%がそれは簡単であると回答している。AP通信、全米世論調査センター(NORC)、およびUSAFactsが実施した世論調査によると、アメリカ人の約60%が、同じ事実に関して、異なる情報元から常に相矛盾する報道を見聞きすると回答している。

 

「かつてないほど、事実ベースの報道と、偏った意見との境目が見えにくくなっている。これが意味するのは、人々は目にする報道をますます信じなくなっているということだ」と、ジャーナリズムと研究のために資金提供しているナイト財団の研究長、エベット・アレクサンダー氏は語った。- ニューヨークタイムズ紙

 

民主党でも共和党でもない無所属として有権者登録しているトラビス・トルーデルさん(冒頭でも紹介)は、約一年前から全米ニュースを注意して読むのはやめたとニューヨークタイムズ紙に語った。全米ニュースは心を蝕みストレスが溜まるもので、精神的な負荷が大きいと感じているという。また、家庭内で延々と続く議論を生むようになったとも語っている。その代わりに、彼は地元や州内のニュースを注意して読むようになったという。

 

「隣同士にいる人たちでも、同じことを全く異なるように受け取る。確かに何事にもグレーな部分はあるけれど、白黒付けられることについてはどうだろうか?今では、全てがグレーであるという前提になってしまっている」とトルーデルさんは語っている。

 

ソーシャルメディアの責任?

 

ニューヨークタイムズ紙の記事は、次に「アメリカ人有権者たちを飲み込む強力な新デジタル勢力」の影響について話題を振っている。

 

ウェスト・バージニア州クラムで民主党として有権者登録している学校職員のマット・スタンレーさんは、昨年の中間選挙で、彼の選挙区から国会議員候補として出馬したリチャード・オジェダ氏が惨敗したのを経験した。スタンレーさんは、選挙結果は、少なくともフェースブック上で行われた一連のネガティブ広告が一部影響していると信じている。その広告では、オジェダ候補の信用を落とすために、修正された複数の写真が使われていた。そのうちの1枚は、オジェダ候補がピンクのベレー帽をかぶり化粧をしているものであった(オジェダ氏は男性)。

 

しかし最も破壊的だったのはその後に起きたとスタンレーさんは語った。人々はオンライン上で目撃した間違った情報を信じたのではなく、彼らは正しい情報を(もしくはあらゆる情報を)信じることを止めたのだ。そのことで、スタンレーさんは将来が不安になった。共有された基準点なくして、どうすれば社会が成立しうるだろうかと彼は木曜に語った。- ニューヨークタイムズ紙

 

50歳のスタンレーさんは、さらに次のように語った。

 

ソーシャルメディアは、物事をひどく混乱させる。偏見に満ちた情報があまりに溢れており、誰も何も信じられない。あまりに多くの情報があるため、何を信じていいかわからない。つまりそれは何も情報がないのと同じだ。

 

それと同時に、ニュースの量そのものも以前と比べて増えており、それ自体が情報過多となり人々に精神的疲労を引き起こしている。

 

ミシガン州デトロイト在住の翻訳家、エルス・ルイターさん(左寄りの無党派)は次のように語っている。

 

いくつかの特定の番組は、トランプを見下している。それらはトランプ批判ショーとなっている。それら番組はフライドポテトみたいなものだ。飲み込むと美味しいが、後で多少の消化不良を起こす。

 

最近は、ニュースに追いつくことが、ひどい1日がかりの仕事になってしまった。

 

 

事実はどこへ?

 

テキサス大学のメディア・エンゲージメント・センター長(Center for Media Engagement)としてメディアとの関わりを研究しているタリア・ストラウドさんは、「政治分野では、自分の意見を主張するのに事実はもはや必要ではなくなりました。その結果、国民は不信感と隣り合わせの状態です。人々は、自分の意見と対立することは全て無視するようになっています」と語る。

 

この記事は次のように締めくくっている:

 

疎外感の度合いは、かつてないレベルとなっている。1970年代後半、4分の3近いアメリカ人は新聞、ラジオ、そしてテレビを信じていた。ウォルター・クロンカイトが毎晩ニュースを読み上げ、ほとんどのアメリカ人が、たとえ政治的意見は異なっていたとしても、同じ事実を視聴してから就寝していた。ギャロップによると、最近は、アメリカ人の半分以下しかメディアを信頼していない。

 

信頼性の低下は、特に党派の差に顕著に現れている。ギャロップによると、今日、民主党の69%はメディアに対して多くの信頼を寄せているが、共和党はたったの15%、そして無党派層は36%しかメディアを信頼していない。- ニューヨークタイムズ紙

 

このニューヨークタイムズの記事は、アメリカ社会の今の一面を正確に伝えようとしていることが伝わる。しかし、ニューヨークタイムズ紙自体がフェイク・ニュースを拡散する中心的な役割を果たしたていることについては、一切の言及も反省もない点は批判されるべきだ。

 

そして、大手メディアがフェイク・ニュースや党派色の強い偏った政治メッセージを報じ続けた結果、(一部の)アメリカの有権者たちがメディアからの情報をすべて遮断するようになった。そのことから、日本はどのような教訓が得られるだろうか。日本でも某新聞社やテレビ局がフェイク・ニュースを流し続けているが、そのフェイク・ニュースに気がついた人たちは、アメリカ国民と同様に「何も信じない」という究極の不信感をいずれ抱くようになるのだろうか。

 

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