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米レポ取引市場の流動性枯渇危機が去る:年末年始のレポ取引市場で初めて資金需要が供給を下回る

米レポ取引市場の流動性枯渇危機が去る:年末年始のレポ取引市場で初めて資金需要が供給を下回る

ニューヨーク連銀ビル Photo via Flickr

ここでも報じた、クレディ・スイス銀行のストラテジスト、ゾルタン・ポザー氏が年末に起きると予言していたレポ取引市場の破綻危機は、回避されたようだ。

 

本日のターム (期日)物の資金供給オペレーションでは、262億5000万ドル分の債券(157億5000万ドル分の国債、105億ドル分の不動産担保証券)が借り入れの担保として提出されたが、NY連銀の貸し出し上限である350億ドルを下回った。これは、年末年始のレポ取引としては初めて、NY連銀による資金供給量を市場の需要が下回ったケースである。(今週月曜、1月17日に償還期日を迎えるレポ取引では、500億ドルの供給量に対して542億5000万ドルの需要が発生していた。)

 

 

NY連銀によるターム物の資金供給オペレーション(ターム・レポ・オペレーション)では、2日連続で需要が供給を下回る結果となった。しかし本日、市場に投入された流動性で特筆すべきなのは、連銀がレポ取引市場への緊急介入を始めてから、償還期日が1月2日という年末をまたいだオペレーションとしてこれが初めて、需要が供給量を下回ったケースであったということだ。

 

11月25日、12月2日、12月9日、12月16日と、これまで4回、年末をまたぐターム・レポ・オペレーションが行われてきたが、いずれも資金需要が供給量を上回る結果であった。しかし、本日、初めて資金需要がNY連銀による供給量を下回った。

 

これが示しているのは、銀行が年末に必要になると考えている流動性のニーズが、ようやく十分満たされたようだということだ。先週、NY連銀が過去最大の5000億ドルという資金供給量を投入すると発表した「バズーカ砲」が功を奏した格好となり、明日以降行われる年末年始のレポ取引でも、おそらく需要が供給を下回ることが予想されている。

 

レポ取引の専門家であるCurvature Securitiesのスコット・スカーム氏は、以下の最新コメントを発表している:

 

連銀は先週木曜、バズーカ砲を取り出し、レポ取引市場に対して流動性を満たす提案を行った。もし必要であるならば。これが落とし穴だ。プライマリー・ディーラーは、連銀が供給する資金全てを受け取らないかもしれない。彼らはそれを必要としていないか、もしくはそれを欲していないかのどちらかだ。そのため、今月末へと近づくにつれて、2つのシナリオがある。プライマリー・ディーラーの銀行は、彼らのバランスシートが一杯になっているか、もしくは彼らは資金を必要としていないために、連銀による供給資金の全てを使っていない。Wrightsonが見積もっているように、最大5000億ドルのうちわずか3000〜3500億ドルがプライマリー・ディーラーたちによって使われることになる見込みである。我々は、(レポ取引市場の)結果を観察することで、連銀によるレポ・オペレーションが需要過多なのか供給過多なのかを判断することができる。11月25日には、1月6日までの250億ドルのターム・レポ・オペレーションに対して、240億ドルの需要超過であった。(今週)月曜、1月17日までの500億ドルのオペレーションは、わずか42億5000万ドルしか需要超過にならなかった。ターム・レポ・オペレーションが供給超過(需要不足)へ切り替わるということは、市場での年末に必要な資金需要がほぼ満たされたか、もしくは銀行がバランスシートの限界に近づいていることを意味している

 

つまり、本日のレポ取引の結果は良いニュースかもしれないし、実は悪いニュースなのかもしれないということだ。年末に向けて、銀行にこれ以上の資金需要がないとすれば良いニュースである。しかし、銀行が持つバランスシート(そして資金借り入れのための担保にできる保有債券)が限界に近づいているために、レポ取引市場における資金供給が十分ではないにもかかわらず、連銀が供給する資金への申し込みができないという理由であるとすれば、これは悪いニュースである。

 

事態が改善に向かっているのか、それとも悪化しているのかを見極めるためには、オーバーナイト・レポ(翌日返済のレポ取引市場)の金利を観察する必要がある。本日、オーバーナイト・レポ金利は、6ベーシスポイント低下し、1.525%となっている。

 

 


source: tradingeconomics.com

 

 

オーバーナイト・レポ金利が低下しているということは、9月以降、レポ取引市場で発生していた混乱は収束していることを示しており、ポザー氏が予言していたような連銀によるQE4の拡大策が必要とされる事態は起きない方向へ向かっていることを示唆している。

 

 

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