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過去30年間の世界の株式指数を可視化して比較:世界が3桁成長をする一方で日本は1桁成長

過去30年間の世界の株式指数を可視化して比較:世界が3桁成長をする一方で日本は1桁成長

アメリカの株式市場の動きを示す指標として、S&P500種指数は最も一般的である。そのS&P500種指数は、直近の10年間で上昇相場が続いている。先週には、再び過去最高値を更新した。

 

歴史的更新を繰り返すアメリカの株価について、先週、VisualCapitalistのジェフ・デジャルダン氏が見た目でわかりやすいよう可視化(グラフ化)し、さらにそれを基準に、世界の他の主要な株式市場が過去30年間、どのようなパフォーマンスを達成しているかについても可視化している

 

各国の株式市場を比較する場合に問題となるのは、各株式指数のグラフには異なる目盛り(Y軸の尺度)が使われていることである。各国の株式指数を直接比較する方法の一つは、指数データをパーセンテージに変換して比較するという方法がある。しかしそれでは面白くない。

 

そこでジェフ・デジャルダン氏は、各国の株式指数について1990年11月26日以降の約30年分のデータを収集し、それらデータをS&P500種指数の尺度に変換し、それぞれの株式指数を直接、同じグラフ上で比較している

 

以下がアメリカの株式市場であるS&P500種指数の過去30年間のパフォーマンスをグラフ化し、それと各国(ドイツ、カナダ、日本、フランス、香港、イギリス)の主要株式指数とを重ね合わせて比較したグラフである。

 

 

 

以下のチャートは、アメリカのS&P500種指数と同じ尺度に各国の現在の株式指数を変換したものである。1990年11月26日時点の株式指数と比べて、現在、どれほど株価が値上がりしているかを同じ尺度で示している。

 

 

過去約30年間で、S&P500種指数は901%も上昇している。これは、もし1990年11月26日にアメリカの株式市場に1万円を投資していた場合、現在、その価値は10万円以上になっていることになる。今回、デジャルダン氏が比較した各国の株式市場の中で、S&P500種指数は最大の上昇率である。もしドイツ、もしくは香港の株式市場に投資していた場合でも、ともに800%以上上昇しているため、現在の価値はアメリカの株式市場に投資していたのとほぼ同額にまで成長している。

 

一方、カナダ、フランス、そしてイギリスの株式市場はいずれも上昇はしているが、米国や香港ほどではない。

 

S&P500種指数と同じ尺度に変換してみると、カナダの株式指数は現在1717であり、これはS&P500種指数が2013年につけた値である。同様に、フランスは1160であり、これはS&P500種指数が2010年につけた値であり、イギリスは1072とS&P500種指数が2010年につけた値である。

 

そして最後に日本であるが、日経平均株価(日経225)をS&P500種指数と同じ尺度に変換した現在の値は315ポイントであり、これは30年前とほぼ同じである。つまり、1990年に日本株に1万円を投資していた場合、その現在までの30年間の投資リターンはたったの100円強であることを意味している。

 

アメリカの株式市場のバブル状態は目を見張るべきものであるが、30年間も停滞が続く日本の株式市場もある意味、目を見張るべきものがある。

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