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スティーブ・バノン氏とピーター・ナバロ氏が対談:中国、経済的愛国主義、そして2020年の展望について

スティーブ・バノン氏とピーター・ナバロ氏が対談:中国、経済的愛国主義、そして2020年の展望について

Screenshot via "War Room: Impeachment"

【この記事の短縮URL】 https://bonafidr.com/L9qAi (『https://』は省略可能です)

ホワイトハウスの貿易アドバイザーであるピーター・ナバロ氏と、大統領首席戦略官であったスティーブ・バノン氏が先週末、バノン氏がホスト役を務めるポッドキャストで対談を行った。「NAFTAおよび中国が根本からこの国(アメリカ)を骨抜きにしてしまった」こと、トランプ政権がいかにアメリカ国内の製造業を復活させようとしているかということ、そしてナバロ氏による2020年の予想について語った。トランプ政権による今後の経済政策や対中貿易政策について垣間見える対談内容となっている。

 

製造業

 

トランプのビジョンにおいて、なぜ製造業と貿易が中心的な位置付けなのか?」とスティーブ・バノン氏が質問した。バノン氏は、現在、War Room: Impeachment(作戦司令室:弾劾)という名のポッドキャストのホスト役を務めている。

 

この質問に対して、ナバロ氏は「経済的安全保障が、国家安全保障だからだ」と答えている。さらにナバロ氏は次のように答えている:

 

力強い国防産業基盤を得ることになる強力な製造基盤がなければ、軍事的観点から強いアメリカ合衆国を得ることはできない。2番目の理由は、単純にこうした職業はより高い賃金を払うためである。加えてこうした産業は、裾野の広いサプライ・チェーンを持ち、広い地域にわたって副次的な職業を創出するという波及効果を生むためである。

 

ナバロ氏はさらに、製造業が「大学に進学しない人々に対して主要な雇用の源泉」となっているため、製造業によってもたらされる「高い相乗効果」がアメリカの経済全体を通して感じられていることを指摘している。これにより、「(経済が発展したアメリカの東・西海岸以外の)忘れ去られた地域に住むブルーカラー労働者たちは、高い賃金を稼ぐことができ、自分たちの手を使って働き、アメリカそして世界のために物作りを行うことができるというメリットを生んでいる」と語っている。

 

「誰かが語ったように、トランプ大統領の下で共和党は労働者階級の政党になった。だから私たちは製造業にフォーカスするのだ」とも語った。

 

 

失われる雇用

 

バノン氏はナバロ氏にアメリカの製造業で一体何が起きたのか質問した:「私たちは世界の中で最も進んだ製造国だった。世界の工場だった。それが突然、10年、20年、30年という間にそうではなくなった。いったいどうしてそうなってしまったのか?この変化を突き動かした原動力は何だったのか?そしてこの製造基盤は一体どこへ移転してしまったのか?

 

ナバロ氏は、20年近く前にアメリカの製造業者を誘致しようとする中国による「害悪を及ぼす」勧誘を目撃したと語る。

 

2000年代初頭、中国が世界貿易機構(WTO)に加盟した直後に起きたことについて・・・私は(当時)ビジネス・スクールのエグゼクティブMBAで教えていた。(エグゼクティブMBAの)学生たちはフルタイムで雇用されながら就学していた。しかし彼らは徐々に仕事を失い始めたのを私は目撃した。そして私はこう考えた。「これは奇妙だ。私たちは米国の中でも最も(経済的に)力強い郡の一つなのに。これは一体どうして起きてしまっているのだろうか?」と。

 

当時、『既定の仮説』は、単に中国の人件費が(米国より)安価であるためというものであったが、「さらにずっと邪悪な仮説」をナバロ氏は発見したと語った。それは、国家の支援を受けた資本主義モデルであり、「あらゆる種類の不公平な補助金」を元にしていると語った。

 

これが原因で、私たちは7万件以上の工場を失った。500万以上の製造業の仕事が失われ、基本的に私たちの製造基盤の心臓部を取り除いてしまった。そのため、製品の製造業者が中国に工場を移転させると、、、そのサプライチェーンは枯れ、死滅してしまう

 

NAFTAと中国という組み合わせは、基本的にこの国を骨抜きにしてしまった。完全にこの国を骨抜きにした。ドナルド・J・トランプは、このことについて誰よりも最初に気がついていた。私が中国のことに気がついたのは2006年だったが、(当時)人々は私のことを完全に気が狂っていると考えていた。

 

 

中国の構造的な7つの大罪

 

ナバロ氏によると、中国は米国に対する「構造的な7つの大罪」を犯しているという。

 

・「上海で勤務する軍服を着た人々」が監督するサイバー空間への侵入

 

過去15年〜20年間は、私が『企業重役のナイーブなコア』と呼ぶようなことが前提となっている。つまり、全ての国々が同じルールに沿って活動するだろうという考え方だ。そのため、とにかく最初から私たちの企業内ネットワークに侵入しようとするライバル企業が現れる。つまり、中国が侵入してくる。そして上海で勤務する軍服を着た人々がこれを行っている。これは組織的な攻撃だ。彼らはその規模に関係なく(敵対)企業に侵入する。ハッキングを行い、その内部にあるものを持ち出し、企業秘密や知的財産にいたるまであらゆるものを盗み出すことができる。

 

・知的財産の窃盗。ナバロ氏は知財の窃盗による被害は、「年間、数千億ドルの規模であり、、、太陽光発電産業の全てを我々から盗んだも同然である」と語っている。

 

・技術移転の強要。13億人の消費者という中国市場に惹かれて中国に進出すると、その企業が持つ技術が中国企業に強制移転させられる。

 

・中国は国内の製造業者へ補助金を支払い、その結果、中国企業は製品のダンピングを行う(2つの大罪)

 

国有企業は、中国における強力な武器である(それは「巨大だ(Huge)」とバノン氏も呼応した)。彼らの将来的な考えはこうだ。彼らは数社の国営企業を保有していた。しかし現在、彼らは全ての産業において企業の統合を進めており、一つの超巨大な国営の勝ち組企業を作り出そうとしている。

 

・通貨操作。「2000年代中頃において、これは本当に悪意ある武器であった」。

 

・フェンタニル。「年間で約5万人のアメリカ人が(フェンタニルの摂取により)死亡している」とナバロ氏は語っている。

 

 

トランプによる経済と「経済的方向性の4つのポイント」

 

「全ては選挙キャンペーンのDNAから発生している。全てが、だ」とトランプの経済ロードマップについてナバロ氏は語っている。「選挙キャンペーンの初期、経済政策の方向性に関して4つのポイントを議論していた」と語り、トランプ政権がどのように成長を促進し、経済的にアメリカを強化しようとしているかを完全に理解するためには、トランプが2016年6月に行ったスピーチを文字起こししたものを読むよう勧めている。

 

・減税 – 主に法人税であり「投資を国内に取り戻す」ためのもの

 

減税について考える場合・・・法人税を下げることにより上昇が得られる。というのも、法人税を35%から21%に引き下げると、投資が国内に戻ってくるためである。よってそれは非常に重要なことである。個人の所得税を下げることで多少のケインズ的上昇が得られるが、ここにおける本当の「天からの贈り物」は、法人税の減税である。

 

・「レーガンばりの」規制緩和

 

トランプ大統領は、(前回の)選挙キャンペーンの期間中、官僚国家を脱構築することを控えめにしか宣伝しなかった。彼は1つの新たな規制を導入するたびに2つの(古い)規制を撤廃すると公約したが、それは現実のものとなっている。いや、彼は新たに導入される規制1件に対して8つの規制を撤廃しているこれは純粋なレーガンばりの規制緩和で、プラスの供給ショックをもたらすものである。というのも、それはデフレ政策であり、これにより連銀(の金融政策)を心配しなくても、私たちはより成長スピードを早めることができるためである。これは成長の原動力となっている。

 

・アメリカのエネルギー・セクターを解放

 

私たちは世界最大の産油国になっている。私たちは原油を輸出しているのだ。これによりいくつかのことが起きている:企業にとって、このことは世界的な競争上の優位性をもたらしている。ヨーロッパに対してこれは大きな優位性となっている。なぜなら、彼らは(アメリカと)似たような経済であるためである。また、消費者の観点からも同様である。

 

ここでバノン氏は、トランプによるエネルギー政策は、単に「エネルギーの独立性」だけではなく、「全てのエネルギー領域の支配」であるとコメントを差し挟んだ。するとナバロ氏は次のように反応している:

 

まったくその通りだ。石炭、天然ガス、原油に目をやってみよう。まったくもって素晴らしい。ジョー・バイデンが化石燃料を排除することについて語るのを耳にするが、それはワイオミング州やペンシルバニア州、テキサス州で喜んで受け入れられるだろうよ(訳者注:皮肉で逆説的に発言している)。これは何万人もの人々の仕事を直接奪い、何百万人もの仕事を間接的に奪うぞと語っているのだから。

 

・公平で均衡のとれた貿易 – 「トランプ政権における主脈」

 

計算は非常に単純だ。10億ドルの貿易赤字は、5000件の仕事と同等である。その規模を拡大すればいい。規模を拡大だ。ドイツの関税が我々の関税の4倍高いという理由で自動車製造業をドイツへ移転する場合、ゴールドマンサックス(訳者注:バノン氏の元職場)へこう言いたまえ。それはデトロイトでの仕事の機会を消滅させることになるぞと。残念ながら、デトロイトでの仕事の機会が失われるということは、アメリカ人はお金、GDP、そして賃金を失うことになる。

 

 

共和党内での革命

 

バノン氏は、ナバロ氏に対して、そもそも共和党はどのようにして「この急進的な自由貿易という考え方」を受け入れるに至ったのか質問している。中国が明らかに全体主義的で重商主義的制度であることがわかっているにもかかわらず、「(中国との)自由貿易という集団心理がどのように共和党に感染したのか?」と尋ねている。

 

長年の政策アナリストであるナバロ氏によると、共和党は「二つの流派があり、足並みが揃うことは多いが、常に一致するわけではない」という。その一つの流派は社会的保守主義(social conservatism)であり、もう一つの流派は自由論保守主義(libertarian conservatism)である。「自由貿易は純粋な自由論保守主義である」。この共和党内部の自由論保守主義の流派は、これまで政治と金、およびアメリカ国内の仕事を海外移転する多国籍企業により巧みに操られてしまっており、「共和党は乗っ取られている」。

 

バノン氏によると、そこにトランプが参入し、「互恵主義と公平な貿易」という考えを持ち込んだ。これに対してナバロ氏もすぐさま反応し、「これこそが共和党内における革命だ」と語っている。

 

大統領による短いスローガンは、『我々は他の誰かの豚の貯金箱にはもはやならない。我々は、他の誰かの良いカモにはもはやならない』というものだ。年間5000億ドルも貿易赤字として海外に送金しながら、(自国の経済に)何か良いことが起きると期待することはできない。

 

・・・

 

関税がこの均衡を変化させようとしている。この第1弾(米中通商交渉の暫定合意)において、彼ら(中国政府)は2017年の基準値から追加で2000億ドル分の物品を購入することを約束した。これによりそれは達成されることになるだろう。

 

 

中国からのデ・カップリング

 

「何が起ころうとも、トランプはサプライ・チェーンを中国から大脱出させる動きを作動させている」とナバロ氏は語り、「実業界の中の人々も、現在、自社のサプライ・チェーンをそこ(中国)に置くことで発生するリスクを理解していると思う」と語っている。

 

「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA:United States-Mexico-Canada Agreement)が締結されるのを私たちは待っていたことも忘れてはいけない」とナバロ氏はさらに語り、先週、民主党も合意したNAFTAの再交渉について言及した。「これは西側に膨大な額の投資を誘発させることになる」。

 

 

ナバロ氏による2020年の予測

 

・実質GDP:「2%よりかは3%に近い。これは今の(先進国の)世界において非常に力強い数字だ」

 

・ダウ、ナズダック:「米国・メキシコ・カナダ協定が承認され連銀が金利をさらに引き下げれば、ダウは30,000ポイントをつけると私は予想した。ダウは容易に30,000ポイントを超え、32,000にまで迫るとみている。しかしボーイング社が向かい風に直面しているため、ナズダックのほうがダウよりも優れたパフォーマンスになるだろう

 

・成長の原動力:「正当で堅実なケインズ主義的刺激策」、規制緩和、そして「マクロ主義的原動力」により「自らの手で労働するアメリカ人に対する雇用の創出」がアメリカ経済の成長の原動力になる。

 

最後に、ナバロ氏は、「2020年は素晴らしい刺激要因」があると予想している。それに加えて、「低い失業率であるため消費者は高い給与を受け取ることになり、仕事の安定性に対する強い自信から消費欲も旺盛になるだろう」と予想している。

 

* * *

 

来年、大統領選挙を控えているため、ナバロ氏はトランプ政権の経済政策が来年も功を奏することを強くアピールしている内容となっている。ナバロ氏は、来年のアメリカ経済の実質GDPが「2%よりかは3%に近い」と予想しているが、ここでも報じた通り、大手資産運用会社バンガードの主任エコノミストは、来年の米国経済にとって「3%もの経済成長が起きる可能性は低い」と予想している。

 

ナバロ氏が出演したバノン氏のポッドキャストはここで視聴することができる:

 

 

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