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米連銀が金利引き下げを発表するも株式市場の下落が止まらない: 中央銀行による金融政策の限界

ダウが日中の最高値から1400ポイント以上も下落:米連銀が金利引き下げを発表するも株式市場の下落が止まらない

パウウェル連銀議長(Screenshot via Federal Reserve)

新型コロナウィルスによる経済への悪影響を緩和するために、米連銀(Fed)は本日、緊急に金利を引き下げる発表を行なった。しかし金利を引き下げたにもかかわらず、アメリカの株式市場はさらに株価の下落が続いており、中央銀行による金融政策の限界が露呈してしまうという惨事にみまわれている。

 

【訳】連銀は金利を引き下げ、そして市場は下落した。

 

連銀は腹を決めて金利を引き上げるタイミングにきている。

 

本日、連銀のパウウェル議長が金利を50ベーシスポイント緊急的に引き下げる発表を行なったが、この発表は市場に安心感をもたらすどころか、これまでに積み上げてきた市場の信頼すら壊す結果となったようだ。

 

オバマ政権で主任経済政策アドバイザーを勤めたラリー・サマーズ氏は、次のようにコメントしている:

【訳】連銀は金利引き下げによって「人々を恐怖に陥れる」というリスクを犯している。私は本日ブルームバーグTVに出演し、連銀の緊急的な金利引き下げについて語った。

手持ちの弾が限られているとき、その弾を温存しておかなければいけない。連銀はすでに金利がとても低い状態であるため、限られた弾しか持っていない。金利(の操作)ではコロナウィルスは治癒しないし、金利だけではサプライチェーンを修復もしない。

 

また、ウォール街のベテラン・トレーダーたちも次のような批判を行っている:

【訳】パニックの匂いがする。彼ら(連銀関係者)は、今から数週間後に予定されている連銀の会議まで持ちこたえるために、言葉による介入という方法をとることもできた。(緊急的な金利引き下げは)コロナウィルスについて私たちが知らない何を彼ら(連銀関係者)は知っているのかという疑問を提起する。

 

そもそも、市場はこれほど早期に緊急的な金利引き下げが行われるとは予想していなかった。つまり、市場が予想していないタイミングで緊急的に金利を引き下げる必要があると連銀が判断したことに対して、「連銀は我々が知らない何を知っているのか?」という猜疑心を市場関係者の間で生じさせる結果を招いている。連銀は、今週発表される予定の就業者数データ(雇用統計)の速報値を入手しているのだろうか?と経済指標の悪化を懸念する声が聞かれている。

 

この他にも、今回の「緊急的な金利引き下げ」に対する批判の声は多い。

 

【訳】連銀による金利引き下げは不必要であり、またパニック状態だった。それではウィルスの問題は解決できず、市場や経済の問題も解決しないだろう。

 

 

連銀のパウウェル議長が50ベーシスポイントの金利を引き下げると発表した直後、ダウは一時上昇したが、しかしその後下落に転じ日中の最高値から1400ポイント以上も下落している(以下のグラフ)。そして10年ものの米国債の利回りも、史上初めて1%を下回っている。金(ゴールド)の価格もまた、最近の最高値圏内へと高騰している。

 

3月3日のNYダウ平均株価のチャート

(Screenshot via Yahoo! Finance)

 

資産運用会社Pacific Investment Management Co.のチーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)であるダン・イヴァシン氏は、火曜クライアントに送ったメールの中で次のように記している:

 

金利を引き下げてもウィルスの感染拡大は止まらない。短期的にはリスク資産を下支えする助けにはなるかもしれないが、究極的には健康上の懸念に対して、非常に不完全な解決策でしかない

 

 

連銀のパウウェル議長が本日行った記者会見の様子はここで視聴できる:

 

https://youtu.be/sAv4au-0uoQ

 

 

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