「政府の人間は何もわかっていない」：米政府は徴税を全面停止し大量の紙幣を刷ってCOVID-19の問題に対処すべきとジム・クレイマー氏が訴える -

アメリカの金融系テレビ局CNBCで、長年人気の冠番組を持つジム・クレイマー氏が、連邦政府は新型コロナウィルスのアウトブレイクに対処するため、早急に5000億ドルを刷り、この危機の間は全ての徴税を停止すべきだと訴えた。

さらにクレイマー氏は次のように主張している：

常にだれもが政府への支払いに追われている。この国では、個人、法人の誰もがそうだ。彼らが必要なキャッシュを手元に残せるよう、今すぐにそうした状況は停止されなければいけない。

これらは過激な行動だろうか？もちろんそうだ。今は過激な行動を起こす時なのだ。そしてその過激な行動は、連邦政府によって起こすことができる。

彼らは何もわかっていない。政府の中の人間がこの問題を理解しているということを示すサインは何もない。

彼らよりも私たちの方がよく理解している。しかしそれは許容できることではない。

クレイマー氏は、企業が銀行から約束されている融資限度額（与信枠）を利用して借入するべきだとも語っており、企業が借金することでその企業の信用やビジネスの健全性を悪く判断すべきではないとも語った。（ボーイング社が融資限度額ぎりぎりまで借入れすることを計画しているニュースは、昨日、ここで報じている。）

ジム・クレイマー氏は自身のツイッターでも次のように投稿している。

This is a DIFFERENT TIME. Only the Federal government can get us through this. ONLY. NO ONE else is big enough. This is my last shot to help this situation. The laughed in 2007 at me. NO MORE LAUGHING

— Jim Cramer (@jimcramer) March 12, 2020

【訳】今回は（これまでとは）違う。連邦政府のみが、私たちにこの危機を乗り越えさせることができる。連邦政府だけだ。他の誰も十分な大きさではない。この状況を救うための、これが私にできる最後の手段だ。2007年（私が「政府の人間は何もわかっていない」と叫んだ時）彼らは私を嘲った。もう笑っていられる状況ではない。

クレイマー氏のテレビ画面を通した「直訴」は、水曜夜、トランプ大統領が国民に向けた声明発表を行い、この先30日間EUからの渡航者を全面的に入国停止にするとテレビ中継したその翌日に行われた。昨晩のテレビ中継の中で、トランプ大統領は連邦議会に対して米国民への所得税の緩和措置を要求するつもりであり、また米中小企業局に対して国内の中小企業に「資本と流動性を供給する」よう指示を出すとも発表した。

このジム・クレイマー氏の嘆願に対して、アメリカの金融業界では様々な人たちが反応している。

The moment we may all remember, shows the power of @jimcramer and @CNBC – Jim calls for the federal government to back liquidity and credit. Instantly gets phone call on live TV, returns to say the White House is discussing his plan. pic.twitter.com/bs1u7h3Vfw

— Robert Frank (@robtfrank) March 12, 2020

【訳】私たち全員にとって今後記憶に残る瞬間。ジム・クレイマーとCNBCのパワーが示された。ジムは、連邦政府に対して流動性と信用（クレジット）を支援するよう呼びかけた。生放送中のテレビ局にすぐさま電話がかかり、ホワイトハウスは彼の要求する対策について検討している最中だと語った。

ジム・クレイマー氏は、リーマン・ショックが起きる直前の2007年にも、「この状況がどれほど悪いか、彼らは何もわかっていない。何もだ。彼らは何もわかっていない！」と番組中に怒りそして叫び、後にこのシーンはアメリカ金融界では有名な場面として語り継がれている（以下がその番組の動画）。

しかし、クレイマー氏は、2008年の番組中に、「ベアスターンズは大丈夫だ」と発言していたことも指摘しておこう。

一方、投資家でエコノミストのピーター・シフ氏はクレイマー氏の意見に真っ向から反対している：

Crazy @jimcramer just advocated live on @CNBC that the Federal Government suspend all taxation and just "print the darn money." A new low for economic thinking from the network that claims to be number 1 in finance!

— Peter Schiff (@PeterSchiff) March 12, 2020

【訳】クレイジーなジム・クレイマーは、たった今CNBCで連邦議会は全ての徴税を停止し、「とにかく紙幣を刷れ」と提唱した。金融界で1位だと主張しているネットワークテレビ局で、経済的思考がさらに底をついた瞬間だ！

Has @JimCramer ever considered what would happened if everyone stayed home from work, no one produced anything, no one paid taxes, but the government just printed trillions of dollars out of thin air and effectively dropped them on the populace from helicopters?

— Peter Schiff (@PeterSchiff) March 12, 2020

【訳】ジム・クレイマーは、全員が自宅勤務となり、何も生産されなくなり、誰も税金を払わなくなり、そんな状況で政府が何兆ドルという紙幣を空気中から生み出すように刷り、ヘリコプターからそれを人々にばらまくとどうなるか、考えたことがあるのか。　

しかしツイッター上では、ジム・クレイマー氏に賛同する意見がほとんどだ。反対する意見も散見される。

JIM CRAMER: THEY KNOW NOTHING. THEY KNOW NOTHING. I WANT THE FEDERAL GOVERNMENT TO KNOW MORE THAN ME.

Cramer's remarks after calling for a Fed rescue of any S&P 500 Company that goes under during this environment. "#Captialism"

— John Tuld (@BradHuston) March 12, 2020

【訳】ジム・クレイマーの発言：彼らは何もわかっていない。彼らは何もわかっていない。連邦政府は私が知っている以上にこの事態を理解するべきだ。

クレイマー氏のこの発言は、現在の状況下で資金不足に陥るS&P 500の企業を全て連邦政府が救済するべきだと主張した後の発言。

Cramer now advocating getting rid of US bankruptcy laws and just having "the government/Federal Reserve" pay everyone's bills. Or at least Boeing's. I think this is a fair representation of what he just said.

— Rudy Havenstein, Senior Markets Commentator. (@RudyHavenstein) March 12, 2020

【訳】クレイマー氏は、米国破産法を破棄し、「政府・連銀」が全員の借金を支払うべきだと提唱している。もしくは、少なくともボーイング社の借金を国が肩代わりすべきと言っている。これは彼が言った発言内容を公平に言い換えていると思う。

https://twitter.com/trailduster6bt/status/1238100671280361474

【訳】ジム・クレイマーは、金融危機を矛盾した二つの方法で銀行に解決させるというような救済案を提唱した。なんという馬鹿げた後進的な発言。

https://twitter.com/VGKnightinArmor/status/1238103556705550340?s=20

【訳】CNBCの番組ホストが「彼らは何もわかっていない」と不満を語り始めた。政府による危機的状況への対応について語っている。「政府の人間が問題を理解しているということを示すサインは何もない」

ジム・クレイマーに同意する。

I agree with Jim Cramer, where are the Hank Paulsen’s of the current administration, it needs decisive measures to placate the market and recover some semblance of rationale. It is absolutely ridiculous that all trust and confidence can simply go up in smoke!

— bulldog (@rivock) March 12, 2020