【社説】ドイツ最大の発行部数を誇るビルト（Build）紙編集長が中共はパンデミックを世界に「輸出」したとして1490億ユーロの損害賠償を要求 -

ドイツ国内で最大の発行部数を誇るビルト（Build）紙の編集長ジュリアン・ライヒェルト氏（Julian Reichelt）は、4月15日（水曜）一面に社説を掲載し、中共の習近平主席と彼の政権がコロナウイルスのアウトブレークについて嘘をついたことや、中共政府によって大規模な人権侵害が行われていると糾弾する内容を掲載した。またその中で、チャイナ当局による行為の結果、損害が発生したとして、最低でも1490億ユーロの損害賠償を要求した。

『チャイナが我々に支払い義務があるもの（Was China uns jetzt schon schuldet）』と題された社説の中で、ビルト紙の編集長ジュリアン・ライヒェルト氏は習近平宛に次のように記している：

ベルリンにあるあなたの大使館は、公開書簡の中で私について言及している。その理由は、我々が当ビルトの紙面において、このコロナウイルスが世界に与えた巨額の経済損失に対してチャイナは補償すべきかと問うたためである。・・・

あなた（習近平）、あなたの政府、そしてあなたの科学者たちは、このコロナウイルスが非常に感染力が高いことを長い間知っていたはずだ。しかしあなた方はそれについて世界に知らせず秘密にした。西側の科学者達が武漢で何が起きているのか問い合わせた際、あなたのトップレベルの専門家たちは返事をしなかった。あなた方はあまりに自尊心が強く、国粋主義であるあまりに真実を語らなかった。あなた方はそれが国家の恥だと感じていた。・・・

あなたは監視により支配している。監視を行わなければあなたは主席の座にはないだろう。あなたはあらゆるもの、あらゆる人民を監視する。しかしあなたは病気が発生した自国の生鮮市場について監視することを拒否している。あなたによる支配に対して批判的なあらゆる新聞やウェブサイトを、あなたは閉鎖している。しかしコウモリ・スープが売られている屋台については閉鎖しない。あなたは自分の人民達を監視するだけでなく、彼らを危機的状況にさらしている。そして彼らだけではなく、残る他の世界も。

・・・監視とは、自由を否定する行為である。そして自由ではない国家は、創造性が欠落している。革新的ではない国家は、何も新しいものを生まない。これこそが、あなたが自国を知的財産の窃盗の世界チャンピオンにしている理由だ。・・・

チャイナは、自分で独自の発明を行う代わりに、他人の発明により自らの富を築いている。・・・チャイナがイノベーションを行わず発明を行わない理由は、あなたが自国の若者達に自由に発想することを許さないからである。チャイナによる最大の貿易ヒット商品（誰も欲しなかったが、しかし世界中に普及した）は、コロナウイルスだ。

ビルト紙のジュリアン・ライヒェルト編集長は、武漢ウイルスが研究所から漏れたものであるということを、この社説を執筆する時点では知らなかったようだ。（フランスのノーベル賞受賞者モンタニエ博士が「研究所のみで作ることが可能なウイルス」と発表したのは、この社説が発表された翌日4月16日のことである。）果たして、武漢ウイルスが人工的に作られたものというニュースを知ったライヒェルト編集長は、どのような反応をするだろうか？請求金額を増額するだろうか？

チャイナに対して1490億ドルの損害賠償を要求するビルト紙の社説は、ベルリンにある中共の大使館を激怒させている。ビルト紙は、ドイツのGDPが4.2％下落した場合、国民一人当たり1784ユーロの損害を賠償すべきとして1490億ドルという数字を導き出している。

このビルト紙の社説に対して、ベルリンにある在ドイツ・中共大使館の広報官タオ・リル氏が、同大使館のウェブサイト上にドイツ語で公開書簡を掲載している。その書簡は次のように始められている：

私は、コロナ・パンデミック全般に関するあなた方の報道、そして本日、特にチャイナの罪と申し立てられた報道について追ってきた。世界に影響をもたらしているパンデミックについて一国を非難するということ、そしてドイツに対してチャイナが負っていると主張する債務の具体的金額を提示するということに対して、我々はかなり行儀が悪い行為だとみなしているという事実はさておき、この社説記事はいくつかの重大な事実を無視している。・・・

現在COVID-19に奮闘している多くの国々は、チャイナが（WHOの）国際保健規則（IHR）に則ってそのアウトブレークの発生を報告した後、この病原体の国境を超えた拡散に準備する時間があったことを我々は記しておく。

そして効果的な反論を行えるだけの説得力ある証拠がない政治家や活動家が常にそうするように、この中共の広報官の女性は、とつぜん話題を変え、このビルトの論説記事が「外国人差別と国粋主義を煽っている」と非難している。

しかしいくら話題をすり替え、妄言を繰り返しても、中共が武漢の医師を言論封殺した事実は変えられない。中共自身がその事実を認め、最初に警鐘を鳴らした李医師の遺族に、彼を拘束し処罰たことを謝罪しているのだから。

ビルト紙の社説は、前週にワシントン・ポストが掲載した記事の一節を引用している：

あなた方の武漢にある複数の研究所は、コウモリのコロナウイルスを研究しているが、しかし最高の安全基準を満たさない状態でそれを行っている。なぜ、あなた方の有毒な研究所は、政治犯を収容しているあなた方の刑務所のように安全性が高くはないのだろうか？どうかこのことを、コロナウイルスにより家族を失い悲しみに暮れる世界中の妻達、娘達、息子達、夫達、そして両親達に説明してくれないか？

ビルト紙のライヒェルト編集長は、社説をつぎのように締めくくっている：

あなた（習近平）の国では、人民達はあなたについてひそひそ話をしている。あなたの権力は崩れかかっていると。あなたは（外からは中が見えない）不可解で、不透明なチャイナを構築した。そして現在、チャイナは、人を死にいたらしめる病気に世界を感染させた監視国家として知られるようになった。それがあなたの政治的な遺産だ。

【訂正】Buildの日本語表記をドイツ語の発音に近いものに訂正しました。

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