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新型コロナ・ワクチンの治験データを疑う報道が行われ製薬会社モデルナの株価は10%以上の下落|ホワイトハウスのワクチン開発チーム・トップはモデルナのストック・オプションを1200万ドルで売り抜ける

新型コロナ・ワクチンの治験データを疑う報道が行われ製薬会社モデルナの株価は10%以上の下落|ホワイトハウスのワクチン開発チーム・トップはモデルナ株のオプション契約を1200万ドルで売り抜ける

ホワイトハウスのCOVID-19ワクチン担当主任に任命されたモンセフ・スラウイ氏(中央)(Photo via CNBC)

昨日5月18日(月曜)、製薬会社モデルナ(Moderna)は同社が開発中の新型コロナウイルス・ワクチンが、治験で効果があることが示されたと大々的なプレス・リリースを行った。このプレス・リリースにより、同社の株価だけでなく株式市場全体が大幅に上昇した。

しかし昨日、本サイトでも指摘したように、モデルナ社は大規模な「おとり商法」で株価を吊り上げただけではないかという疑惑が持たれている。特に同社のCEOを含むインサイダーの関係者たちは、今回の株価の急上昇に便乗して大量に保有する自社株を売却していることが知られており、合計で10億ドル(1000億円)以上の株式を売却している。

そして本日、このモデルナ社に向けられた疑惑がほぼ確信となる報道が行われた。StatNewsは、モデルナ社がワクチン開発の第1段階の治験に成功したと発表したその主張について、それを評価するための重要なデータを十分発表していない報じた。(ただし、StatNewsは、これまでに新型コロナウイルスの治療薬として有力視されているレムデシビル(Remdesivir)を後押しする複数の報道を行っており、この治療薬を開発するギリアド・サイエンシズの株価を押し上げるのに一役買っている。しかしその後、フィナンシャル・タイムズ紙がギリアド社のレムデシビルに関する第1段階の臨床試験が失敗したと報じると、同社の株価は下落している。)

【訳】ワクチン専門家たちは、モデルナ社が(同社の)COVID-19ワクチンを評価するための重要なデータを提供していないと語っている。StatNewsのヘレン・ブランズウェルは、モデルナ社によるコロナウイルス・ワクチンについて行なっている主張について報道。

(引用部分)ワクチン専門家たちはモデルナ社のCovid-19ワクチンに関するデータが大きな疑問を残していると語る・・・

モデルナはメディアに電撃的な発表を行なったが、それはほとんど情報を明らかにしていない。さらに同社が公表したほとんどは「言葉」であって「データ」ではない。

モデルナ社の株価が急騰したことに関して、StatNewsのヘレン・ブランズウェル記者は次のように報じている:

これほどの熱狂が起きていることに対して十分な根拠はあったのだろうか?StatNewsが問い合わせを行った数人のワクチン専門家は、次のように結論づけている。マサチューセッツ州ケンブリッジにある同社が公表した情報によると、このワクチンがどれほど目を見張る画期的なものであるか−−またはそうでないか−−について、それを知る術は何もない。・・・

モデルナ社はメディアに電撃的な発表を行なったが、その発表内容はほとんど情報を明らかにしていない。さらに同社が公表したほとんどは「言葉」であって「データ」ではない。これは重要である:科学者に科学雑誌の論文を読むよう依頼する場合、彼らは企業発表ではなくデータ表を探す。科学において、数字は言葉よりも雄弁である。

同社が公表した数値ですら、それ自体ではほとんど意味をなさない。なぜなら、重大な情報、すなわちそれら数値を読み解くための鍵が公表されていなかったためだ。

専門家たちは、今回の早期の公式声明については大量の眉唾をつけて捉えるべきであると指摘している。以下はそのいくつかの理由である。

この報道が行われてからモデルナの株価は下落を続け、昨日の終値からマイナス10.41%下落し71.67ドルで取引を終えている。これは昨日発表した新株の売り出し価格である1株76ドルを下回る価格である。しかしモデルナ株の下落は日中の取引が終了しても止まらず、時間外取引でさらに5.94%(原稿執筆時)下落して67.45ドルで取引されている(以下のグラフ)。

モデルナ社の株価

* * *

一方、ホワイトハウスがワクチンを早急に開発・供給するために結成した「ワープ・スピード作戦」、そのトップに指名されているモデルナ社の元重役、Dr.モンセフ・スラウイは、モデルナ株のコール・オプション契約を大量に保有しており、明らかな利害の衝突があることが指摘されていた。昨日、本サイトではスラウイ氏が株価が急騰したために保有するストック・オプションをまもなく売却するのではないかと予想していたが、早速その通りになった。Dr.モンセフ・スラウイは、保有する15万件のオプション契約を1200万ドル以上で売却したことが明らかとなっている。世界中で人々がパンデミック災禍の被害者となっている中、政府のワクチン開発チームのトップに任命された人物が、ここまであからさまな自己の利益の追及に走る姿はむしろ滑稽だ。

昨日、モデルナの株が急上昇したことを受け、今朝、ホワイトハウスは、ワクチン開発の専門家であるモンセフ・スラウイ氏が、彼が保有するモデルナ株のオプション契約を売却する計画であると発表していた。スラウイ氏は、数日前に、モデルナ社の取締役会を退任したばかりだった。

ホワイトハウスによるこの公式発表は、米国東海岸時間の今朝(5月19日)午前5時半頃に報道機関に通知された。ワシントン記者会(Washington Press Corps)の会員である各報道機関の記者たちはその頃まだ眠っていたため、この日、このニュースがメディアの注目を集めることはほとんどなかった。

【訳】ホワイトハウスのCOVID-19ワクチン担当主任が、モデルナの1000万ドル分(*)のストック・オプションを売却した。

(*)正確には合計1240万ドルとCNBCが報じている

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