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過去500年間の世界覇権の歴史から、大量の紙幣を刷った後には革命と戦争が起こる|ヘッジファンドのレイ・ダリオ氏が米中の衝突と覇権交代を予想

過去500年間の世界覇権の歴史から、大量の紙片を刷った後には革命と戦争が起こる|ヘッジファンドのレイ・ダリオ氏が米中の武力衝突を予想

Photo via Flickr

世界最大のヘッジ・ファンドであるブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で大富豪でもあるレイ・ダリオ氏は、最近、投資よりも執筆活動に力を注いでいるようだ。5月7日に、不換通貨に関する長文の論文『変わる通貨の価値(”The Changing Value of Money”)』をリンクドインに投稿している。そしてダリオ氏が大きな関心を持っているテーマ、つまり過去500年間における大帝国の興亡について再び議論する論考を投稿している。こうした大帝国には、当然、米国とチャイナが含まれている。

ダリオ氏は『変わる世界秩序(Changing World Order)』という連載を続けており、今回、その第3章を発表した。(これまで、第1章『極めて端的に全体像を語る(“The Big Picture in a Tiny Nutshell”)』、第2章『通貨、債権、債務、そして経済活動に関する大きな周期(“The Big Cycle of Money, Credit, Debt, and Economic Activity”)』、そして第2章の付録『変わる通貨の価値(“The Changing Value of Money”)』を発表している。)

今回新たに発表した第3章『過去500年間における大きな周期(“The Big Cycles Over The Last 500 Years”)』の中で、オランダ帝国、大英帝国、そしてアメリカ帝国の興亡とそれら帝国の準備通貨について詳細に論じている。ダリオ氏の論考については、当然、賛否両論が起きている。また、ダリオ氏は中華帝国の興隆についても触れており我々を現在まで至らしめている中華帝国が次に支配的なスーパーパワーになるだろうと見ている。

ダリオ氏はツイッターでもこの第3章についてPRを行っている:

【訳】私の連載『変わる世界秩序』の最新章で、オランダ帝国、大英帝国、そしてアメリカ帝国の興亡とそれら帝国の準備通貨について私は再考察している。そして、我々を現在まで至らしめている中華帝国の興隆についても触れている・・・

ダリオ氏が執筆した第3章は、約1万ワードの長文であり、リンクドインは読破するのに50分かかると見積もっている。この中で、帝国もまた人間と同じようにライフサイクル・パターンがあり、いずれは終焉すると結論づけている。

第3章の中で、特に米中対立について記した箇所を以下で紹介する。ダリオ氏は、帝国の興亡に共通している「大きな周期」には「鍵となる出来事」があり、まさに現在、我々はその「鍵となる出来事」の最中にあると論じている。その出来事とはすなわち、「紙幣の印刷と債権(クレジット)の創出」である。ダリオ氏によると、これが起きる直後に、それよりもさらに深刻な問題となる「革命と戦争」という段階が続くという。

ダリオ氏は、この帝国による「興隆と没落」の周期を次のようにまとめている:

人のライフサイクルは、通常、約80年間である。全く同じ人生は存在しないが、ほとんどが似通っている。それと同じように、帝国のライフサイクルにもそれ自身、典型的なパターンがある。例えば、私たちほとんどにとって、人生の第1段階は両親の指導下に置かれ、我々はおよそ18歳〜24歳になるまで学校で学習する。この時点で我々は第2段階に入る。この次の段階では我々は就労し、親となり、努力する他の人たちの面倒をみる。我々は、これをおよそ55歳〜65歳になるまで行う。この時点で、我々は第3段階に入り、我々は責任から開放され、最終的には死に至る。人がどの段階にあるかを言い当てることは非常に簡単である。その理由は、(各段階には)明らかな目印があるからである。人はどの段階にあるか自覚でき、その段階に応じて自ら適切に行動し、そして他人と適切に関わる。これと同じことが国にもあてはまる。その主要な各段階は、以下のチャートに示した通りである。これは、私が前回の章で掲載した典型的な大きな周期を超簡素化したものである。

端的に言うと、新たな一連のルールが作られる後、新たな世界秩序が樹立される。そして通常であれば、平和で繁栄した時代がやってくる。人はこれ(平和で繁栄した時代)に慣れるにつれて、人々は繁栄が永続することにますます賭けるようになり、そうするためにますます借金を増やし、そしてそれは最終的にバブルに至る。繁栄が増すにつれて貧富の格差は広がる。最終的に債務バブルははじけ、それは(大量の)紙幣を印刷し債権を創出することにつながり、そして内部衝突を高めることにつながる。そしてこれは、ある種の富の再分配を求める革命に至る。この革命は、平和的であるかもしれないし暴力的であるかもしれない。

この周期の末期に至ると、通常、直近の経済戦争そして地政学的戦争に勝利した首位にある帝国は、ライバル関係にあるその他のパワー(大国)と比べて相対的に力を弱める。これらライバル関係にあるパワーは、繁栄期に力強く成長を遂げている。そして経済状況が悪化し、大国の間で不和が生じると、通常、何らかの戦争が起きる。こうした債務崩壊、経済崩壊、国内崩壊、そして世界秩序の崩壊は、革命や戦争という形で現れる。そこから新たな勝者と敗者が生まれる。そして勝者たちは集い、新たな国内秩序と世界秩序を樹立する。

ここまで読みまだ混乱している読者たちのために、ダリオ氏は次に起きる戦争を明白に予言している:

これこそが、歴史を通して繰り返し起きていることである。以下のグラフの線はそれぞれ、過去500年間にわたって繁栄を極めた11の大帝国について、その相対的な力関係を示している。以下のグラフでは、米国とチャイナが現在、それぞれの周期のどの段階にいるかを見ることができる。ご覧の通り、米国は現在、最大の帝国であるが、その力は圧倒的ではなくなっている。それはむしろ相対的に衰退している。一方チャイナは急速に興隆しており、その他のどのパワーも寄せ付けない

このグラフをより簡略化したものが以下のグラフである。最も強力な準備通貨を備えた帝国だけを抜き出したグラフとなっている。ダリオ氏は、第1章で「最も強力な準備通貨」の定義を行っており、その力の測定基準として8つの異なる要素を挙げている。

(ダリオ氏の論説はここまで。)

* * *

現在、まさしく米国の連銀(FRB)は、未曾有の規模の紙幣を刷って(実際はコンピュータ上で電気的に通貨を産み出し市中に投入しており、コロナ災禍により落ち込んでしまった経済と市場を救済しようと「バズーカ砲」を連発している。連銀のバランスシートは、今年5月20日、史上初めて7兆ドルを超えた。これ以外にも、連銀は18億ドル分の投資適格社債とジャンク債をETFとして買い入れていることも公表している

(Graph via Board of Governors of the Federal Reserve System

ダリオ氏は、昨年、米中間で貿易戦争が加熱していた際も、「分散投資をしたければ、(米中)2頭の馬に賭けるべきだ」と発言しており、「チャイナ押し」の発言を繰り返している

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