ニュースレター登録

Loading

オールドメディアが伝えない海外のニュース

ロックダウンで経済低迷でも株価高騰の理由|米連銀は世界に「買いシグナル」を送り、労働統計局は失業率データを過少報告

ロックダウンで経済低迷でも株価高騰の理由|米連銀は世界に「買いシグナル」を送り、労働統計局は失業率データを過少報告

Screenshot via Bloomberg TV

 

 

各国の中央銀行は、その金融政策により「偽物の金融市場」を作り出してしまったと、バンク・オブ・アメリカの最高投資責任者が報告書で分析していることはここでも紹介した。投資アドバイザリーサービスを提供するEuro Pacific Capitalのチーフ・グローバル・ストラテジストであるピーター・シフ氏も、「株価が高騰していても、金(ゴールド)などの安全資産から資金を株式市場などのリスク資産に移すシグナルではない」と注意喚起している

 

さらにシフ氏は次のように語っている:

 

株式市場が上昇ラリーを続けている唯一の理由は、連銀(Fed)のせいだ。「いやそれは違う、市場が経済回復を期待しているからだ」と言いたければ言うこともできる。しかしこれは単なる経済回復への期待だけではなく、もっとそれ以上の要因がある。これは、連銀が(経済に関する)ストーリーの流れを作り出しており、市場を株高へ動かしている

 

Rabobankでアジア太平洋地域の金融市場リサーチ部門トップ、マイケル・エブリ氏も、「市場はもはや経済指標として何の役割も果たせなくなった」と指摘している

 

 

■ モラル・ハザードを生じさせる連銀

 

「自由市場資本主義には二度と戻れない」と投資家向けの書簡の中で予言している、米資産運用会社大手グッゲンハイム・インベストメンツのスコット・マイナード最高投資責任者(CIO)も、「連銀は世界に『買いシグナル』を発信している」と先週水曜に放送されたブルームバーグ・テレビとのインタビューの中で語っている

 

スコット・マイナード氏がブルームバーグ・テレビに出演するちょうど数時間前、ニューヨーク連銀の元総裁であるビル・ダドリー氏もブルームバーグ・テレビに出演し、「連銀は、多少モラル・ハザードを生み出している」という驚くべき発言を行っている。連銀がモラル・ハザードを生じさせているというのは、アメリカの金融市場関係者の間で広く指摘されていることであり、それ自体は驚きに値しない。しかし、ニューヨーク連銀の元総裁がそれを認める発言をしたことがニュースとなっており、連銀は堕落してしまった資本主義の成れの果ての状態にあると連銀の元総裁が認めたことの意義は大きい。

 

そしてモラル・ハザードを引き起こしている連銀への反対姿勢を明らかにする「アンチ連銀」の代表格となっているのが、グッゲンハイムのスコット・マイナード氏となっている。マイナード氏は、ブルームバーグ・テレビとのインタビューの中で、経済を安定化させようとする連銀の努力が、なぜ企業に過剰なリスクを取るよう動機付けすることになるのか、企業社債バブルを膨張させることになるのか、そして最終的に連銀にとって「最後の審判の日」を引き起こすことになるのか説明している。この「最後の審判の日」とは、米国が資本主義に立ち返ることができるか、それともゾンビ起業を永遠に救済することになるか(つまり資本主義の終焉)を、連銀が決めざるを得なくなる日のことを指している。

 

マイナード氏は、連銀が無制限に社債ETFを買い入れることにした最近の金融政策について議論しており、コロナ前の時点で企業はすでに過剰なレバレッジをかけていたのが、さらに未曾有のレベルにまで借入金を積み上げ続けることになると語っている。そして、社債市場で発生しているバブルは「さらに膨張し、いっそう極限状態になる」と警鐘を鳴らしている。

 

そして「中央銀行について誰にも知られたくない秘密とは、中央銀行の究極的な役割が政府に資金供給することになっていることである」と指摘する。

 

さらにマイナード氏は次のように語っている:

 

連銀によって行われている無制限の資金供給プログラムは、議会が追加の救済政策を可決させるために柔軟性を提供しているが、そうした救済政策のいくつかは資本主義制度をひどく壊滅的にするだろう。我々は米国において資本主義を改変している過程にあり、自由企業体制は多くの局面でさまざまな脅威に直面していると私は確信している。

 

「資本主義を改変する」とは何を意味するか質問されると、マイナード氏は、あらゆる種類の不平等だと言う。人種、所得、富、これらにおける不平等は、全て政府による不十分な行き当たりばったりの計画と政策の結果であると答えている。そして金融業界で誰もが禁句として口にはしなかった公然の秘密をマイナード氏は口にする。それは、中央銀行が行っている量的緩和は不平等を悪化させているということだ。

 

マイナード氏は、真に問うべき質問を次のように語っている:

 

今後行われる政策の変更は、生産性、アウトプット、そして全てのアメリカ人にとって生活水準を高めることを支援するようなものになるだろうか、それとも単にパイ(富)の奪い合いとなるだろうか?後者はつまり、すでにあるパイ(富)を再分割する必要があり、所得、課税、もしくは没収というある種のメカニズムにより富を移転する必要がある状態である。こうした種類の政策は、あまり生産的ではなく、長期にわたって実際の生活水準を低下させるということはすでに証明されている。

 

現在のアメリカの街頭を見れば、マイナード氏が問うこの二択の未来のどちらが現実化しつつあるかは明らかだろう。

 

昨年7月、マイナード氏は「連銀に参加することについて議論した」ことを認めている。しかしアンチ連銀の代表格となったマイナード氏が、今後、連銀の役職に就任することはないだろう。

 

以下はマイナード氏が出演したブルームバーグ・テレビの番組動画:

 

 

 

【関連記事】

自由市場資本主義には二度と戻れない|米資産運用会社大手グッゲンハイムのマイナード氏が投資家向けの書簡で予言

中央銀行は偽物の市場を作り出してしまった|バンク・オブ・アメリカの最高投資責任者が最新の報告書で分析

株式市場はまだ本当のパニックを経験していない:投資家ビル・フレッケンスタイン氏が今後の株式市場を予想

 

連銀による「治療」は病気そのものよりも事態を悪化させるリスクがある:ジム・ビアンコ氏による解説記事

 

 

 

BonaFidrをフォロー

執筆者

コメントを残す

error: コンテンツは保護されています。