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米裁判所はチャイナ国籍の大学教授に対して経済スパイ罪で有罪判決を下す|Avago社とSkyworks社から軍事転用可能なワイヤレス技術を盗んだ罪で

米裁判所はチャイナ国籍の大学教授に対して経済スパイ罪で有罪判決を下す|軍事転用可能なワイヤレス技術を盗んだ罪で

有罪判決を受けた天津大学のハオ・ジャン(Hao Zhang)教授

チャイナ国籍の大学教授である被告人のハオ・ジャン(Hao Zhang)は、4日間行われた裁判官裁判の結果、6月26日(金曜)、経済スパイ、企業秘密の窃盗、そして共謀の罪で有罪判決を受けた

チャイナにある天津大学の教授であるハオ・ジャン(41歳)と他数名の共謀者は、約5年前、経済スパイ活動を行い軍事転用可能なワイヤレス・フィルター技術を盗んだ容疑で起訴されていた。米国政府は、ハオ・ジャン容疑者がチャイナに利する目的で一連の企業秘密を盗む意図を持っていたと主張していた。

司法省によると、ハオ・ジャンは、特定のワイヤレス端末フィルター技術に関連した重要な情報を盗むために共謀した。その情報は、ワイヤレス端末に対する干渉を排除し、端末が持つ特定の性能を向上することに役立つ技術であった。

こうしたフィルター技術は、ワイヤレスおよびモバイル技術の分野において絶大な進歩であることがすでに証明されており、民生用と軍事用の両方においてワイヤレス端末を小型化し、性能を向上することを可能にしている。

検察官は、ハオ・ジャンがこの情報を2つの企業から盗んだと語っている。この2社とは、カリフォルニア州およびシンガポールを拠点にするAvagoと、マサチューセッツ州を拠点にするSkyworks。Avagoは、アナログおよびオプトエレクトロニクス(光電子工学)部品の世界的な開発企業。一方、Skyworksはアナログ半導体技術のリーダー企業。

米国政府関係者たちは、ハオ・ジャンがチャイナで利用可能とするため、天津大学と策略を立てこの情報をこれら2社から窃盗するよう仕組んだと主張している。

オバマ大統領に任命されたエドワード・ダビラ判事は、4日間の裁判官裁判の後にハオ・ジャンにかけられた訴因すべてについて有罪判決を下した。

国家機密保全庁のジョン・デマーズ(John Demers)司法次官補は、金曜、この判決は本件において責任の所在を明らかにしようとする関係者にとって勝利であると語った。また、デマーズ司法次官補は発表した声明の中で次のように記している:

同被告人は、チャイナ政府に利するために、自身の雇用主である企業を含む2社の米国企業から企業秘密をチャイナに持ち出す策略を天津大学と企てた。・・・

全ての訴因に関する本日の有罪判決は、自らの米国の雇用主から企業秘密を窃盗した人物に責任を負わせるための重要な一歩である。彼は、同社の技術を複製し、そのマーケット・シェアを奪うことを狙っていた。これら案件を必ず起訴すると司法省がコミットしていることは、同様のことを考えている人たちにとってそうした行為を行うことを考え直す警告の役割を果たすだろう。

法定に提出された証拠書類によると、今回の経済スパイ事件は2006年から始まった。ハオ・ジャンと彼の共謀仲間らは、AvagoとSkyworksの競合先となる企業をチャイナで設立していた。ハオ・ジャンがこの事業を立ち上げた頃、共謀仲間の一人であるウェイ・パン(Wei Pang)はAvagoでの勤務を開始していた。準備が整うと、ハオ・ジャンとウェイ・パンは、チャイナ国内にいる他の仲間たちと共に企業秘密を共有し始めた。そして、ハオ・ジャンとウェイ・パンは、チャイナ政府の手先である天津大学を、彼らの経済スパイのスキームに招き入れた。

天津大学がこの企業スパイ活動に組み込まれ、また同大学が新たな策略を立てるのに関与し始めると、ハオ・ジャンとウェイ・パンは米国の仕事を辞めチャイナに帰国した。チャイナで彼らはケイマン島にNovanaという社名の企業を設立した。この間、ハオ・ジャンはAvagoから盗み出した企業秘密を使って、自身の名前で一連の特許を取得している。

司法省は、ハオ・ジャンとその共謀仲間がAvagoから盗んだ技術は、同社が20年以上かけて開発してきたものであると述べている。

司法省はこうした犯罪に必ず法の裁きを受けさせることにコミットしていることを、金曜の有罪判決は広く知らしめていると、FBIの特別捜査官であるジョン・ベネット氏は声明の中で語っている:

経済スパイ活動は、米国全土、特に技術的イノベーションの中心地であるサンフランシスコのベイエリアやシリコンバレーに蔓延している。・・・

今回の事案は、少数の悪意ある社員たちが中華人民共和国の利益となるよう、いかに容易に知的財産を横領することができるかを示す事例となっている。その一方で、ハオ・ジャンに対して有罪判決が下されたことは、我らが敵対相手に対する警告の役割を果たすだろう。FBIとその連携機関は、こうした犯罪をアグレッシブに捜査し起訴することに引き続きコミットしている。

ハオ・ジャンは、現在、担保付き保釈金50万ドルを支払って仮釈放されている。彼に対しては8月に判決の言い渡しが行われる。

ハオ・ジャンの弁護人であるダニエル・オルモス氏は有罪判決に関して何もコメントしていない。

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