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米国の歴史を修正しようとするニューヨークタイムズ紙の【1619プロジェクト】が今年のピューリツァー賞を受賞|全米の歴史学教授は大きな誤りがあると訂正を要求していたにもかかわらず

米国の歴史を修正しようとするニューヨークタイムズ紙の【1619プロジェクト】が今年のピューリツァー賞を受賞|全米の歴史学教授は大きな誤りがあると訂正を要求していたにもかかわらず

Photo via Pixabay

 

ピューリッツァー賞選定委員会は、今年5月、ニコール・ハンナ=ジョーンズがニューヨークタイムズ・マガジンの「1619プロジェクト」の一環として発表したエッセーがピューリツア賞を受賞したと発表した。このエッセーの中で、ハンナ=ジョーンズは、アメリカの開拓者たちが「植民地における奴隷制を維持したかった」という理由で大英帝国からの独立を求めたと主張している。しかしノースウェスターン大学で歴史学部の教授は、このピューリツア賞を受賞したエッセーの歴史的正確性について疑問を投げかけている

 

ピューリツア賞の公式アカウントが受賞を祝うツイートを投稿している:

 

【訳】ニューヨークタイムズのニコール・ハンナ=ジョーンズへおめでとう。#ピュリツアー

 

 

しかし、ハンナ=ジョーンズはこのエッセーを掲載する前に、ノースウェスタン大学のレスリー・ハリス歴史学教授に事実確認を依頼していたとハリス教授自身が語っている。ハリス教授は、アメリカの開拓者(入植者)たちの独立の動機が、奴隷制度を維持するためであったと主張しているこのエッセーの箇所についてフラッグ(注意)を伝えていたと語っている。

 

ハリス教授は、それがアメリカ革命戦争にまで至る要因の一つではあったかもしれないが、それは最上位の決定因子ではなかったと伝えていた。

 

こうした歴史学者による懸念が示されていたにもかかわらず、ニューヨークタイムズ紙とハンナ=ジョーンズは、このエッセーを修正せずに掲載し、ピューリツア賞を受賞した

 

メディア・リサーチ・センターのTechWatch担当副社長のダン・ガイナー氏は、Campus Reformの取材に対して次のように語っている:

 

ニューヨークタイムズ紙の1619プロジェクトは、歴史についてではない。これは歴史を修正するためのものだ。・・・

 

ジャーナリズムは、今ではもはやニュースを伝えない。それが伝えるのは(偏向した)ストーリーだ。ニューヨークタイムズ紙のような左派のエリートにとって、アメリカ例外主義ほど破壊したいストーリーはない

 

もしアメリカが建国時からより邪悪であったならば、それが生み出した物は全て破壊されなければいけない。それらは、建国者、独立宣言、憲法、宗教の自由、銃を持つ権利など、アメリカ人が大切に思っているもの全てである。

 

アメリカの歴史における本当の真実とは、ニューヨークタイムズが報道したいと思うようなストーリーではない。

 

ニューヨークタイムズ紙は、3月11日付け紙面で次の説明を行なっているが、その「説明」は傷口をさらに広げる内容となっている:

 

本日、我々は1619プロジェクトから生まれたエッセーの一節について明確にしようと思う。この一節は、オンライン上で多大な議論を巻き起こしている。この懸案となっている一節は、開拓者たちがアメリカ革命を戦った主な理由は、奴隷制度を守るためだったというものだ。この主張は、数人の歴史家たちからの批判を誘発しているが、他の歴史家たちからは支持を得ている

 

我々はこの基本的な考え方を支持する。それはつまり、当時の愛国者たちを独立に突き動かした様々な動機のうち、英国がアメリカで定着していた奴隷制度を様々な方法で破壊することを目論むつもりであった、もしくは既にそう目論んでいたことに対して懸念を抱いていたということがその動機に含まれていた、という考え方だ

 

 

ハンナ=ジョーンズのエッセーにも次のように記されている:

 

我々の建国伝説から都合よく排除されたのは、一部の開拓者たちが英国からの独立を宣言する決断を下した主要な理由の一つが、彼らは奴隷制度を守りたかったからだという事実である。

 

(原文)”Conveniently left out of our founding mythology is the fact that one of the primary reasons some of the colonists decided to declare their independence from Britain was because they wanted to protect the institution of slavery.”

 

 

 

ノースウェスタン大学のハリス教授は、3月6日に掲載した自身の論説記事の中でこの主張に対して次のように異論を唱えている:

 

過去に一度、彼女(ハンナ=ジョーンズ)は私にこのような主張を送信している:「開拓者たちが英国から独立を宣言した一つの重大な理由は、彼らが植民地での奴隷制を守りたかったからだ。奴隷制は莫大な富を生んでいた。当時、大英帝国では奴隷を廃止する声がますます高まっていた。しかしこれは南米・北米の両方における植民地経済に酷いダメージを与えることになるものだった」。

 

わたしはこの主張に激しく異議を唱えた。・・・

 

アメリカ革命において奴隷は確かに一つの問題ではあったが、奴隷制を守ることは、13植民地が戦争に突入した主要な理由の一つではなかった

 

 

* * *

 

ニューヨークタイムズ紙による「1619プロジェクト」に異論を唱えているのはハリス教授だけではない。昨年12月、5人の歴史学者たちがニューヨークタイムズ紙の編集長に書簡を送付しており、「1619プロジェクト」における大規模で深刻な誤謬(誤り)を訂正するよう要請している

 

「1619プロジェクト」は、「米国の歴史を考え直し、1619年を真実の建国の出発点と理解する」ことを目指していると指摘されている。1619年が「真実の建国の出発点」であると主張する根拠は、この年に20人のアフリカ人奴隷がバージニア植民地に到着したためである。

 

ニューヨークタイムズ紙に訂正を求める書簡には、テキサス州立大学のビクトリア・バイナム教授、プリンストン大学のジェームス・マクファーソン教授とショーン・ウィレンツ教授、ニューヨーク市立大学のジェームス・オークス教授、そしてブラウン大学のゴードン・ウッド教授が署名しているとワシントンポスト紙が報じている

 

まず最初に、これら教授が「1619プロジェクト」に対して懸念する内容がSNS上で拡散され、それをウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じていた。この報道を受けてすぐ、教授たちは書簡を発表するに至っている。

 

この書簡の中で、「1619プロジェクト」には多くの誤りがあり、「建国者たちが英国から植民地の独立を宣言したことは、『奴隷制を確実に維持するためであった』と同プロジェクトは主張している。これは真実ではない」と記している。

 

しかしニューヨークタイムズ紙は、この5人の教授による訂正依頼を拒否している:

 

「ニューヨーク・タイムズ・マガジンの編集長であるジェイク・シルバースタインは、教授たちから寄せられたそれぞれの懸念を点検したが、(元の)報道を固く支持し、それを訂正することを拒否した」とワシントンポスト紙は報道している

 

 

5人の教授が送付した書簡はここで一般公開されている。ワシントンポスト紙による報道記事はここで閲覧可能

 

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