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サンフランシスコにある中国領事館がFBIによって指名手配された現役の人民解放軍所属の研究者をかくまっている

サンフランシスコにある中国領事館はFBIによって指名手配されている現役の人民解放軍所属の研究者をかくまっている

サンフランシスコにあるチャイナ領事館(Photo via Wiki Commons)

今週火曜、テキサス州ヒューストンにある中国総領事館で文書が燃えているという通報があってから一夜開け、米国政府がこの総領事館を72時間以内に強制閉鎖する命令を下していたことが判明した。そうかと思えば、今度は首都ワシントンDCにある中国大使館に爆破予告と殺害予告が送りつけられたとの情報が流れた。

この24時間で米中間の緊張が一気に高まる中、現地時間で水曜の午後、左寄りメディアのAxiosがさらに米中間の緊張が高まっていることを示すニュースを報じた

7月20日付けで裁判所に提出されたFBIによる評価文書によると、チャイナの軍事大学に関係していることを虚偽申告した女性研究者が、6月20日に査証詐欺の容疑でFBIによる面接を受けた後、サンフランシスコにあるチャイナの領事館に入り、そこから出てこない

もしこの報道が事実であるなら、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出・共和党)がこの日投稿したツイートの信憑性がさらに高まることになる:

【訳】ヒューストンにあるチャイナの領事館は、外交施設ではない。そこは、チャイナ共産党の米国における巨大なスパイ・ネットワークそして支配作戦の中心点だ。そして現在、この施設は閉鎖が命じられ、スパイたちは72時間以内に出国するか、さもなくば逮捕に直面する

これは(もっと前に)実行される必要があった。

(太字強調は訳者。)

Axiosがインタビューしたアナリストたちは、もしFBIが主張する内容が真実であれば、外交上の出先機関であるこの領事館は、本館である大使館の拡張機関として国際法上の特別な保護下にあり、米国の法律が免除されているという立場がスパイ活動に悪用されていることを意味していると語り、そしてそうした領事館特権をここまで深刻に悪用することは、「極めて珍しい」ことであり、「異常な」事例であると語っている。

ニューヨークを拠点にサイバー犯罪専門の弁護士であるミニャオ・ワン氏は、Axiosのインタビューに次のように語っている:

チャイナの外交上の出先機関が、知的財産の窃盗に関係した事件の容疑者とここまで密接に関わることは極めて珍しい。

領事館の建物が持つ外交特権を利用することで、刑事事件の被告人をかくまう行為は、もしそれが真実であるとすれば、本当に異常なことだ。

サンフランシスコのチャイナ領事館に逃げ込んだとされるタン・ジュアン(Tang Juan)被告人は、J-1ビザ(研究者の交流制度のために発行される非移民ビザ)で入国し、カリフォルニア大学デービス校で研究者として勤務していた。Axiosは、彼女について現時点で判明していることを次のように報じている:

  • タンは自身のビザ申請書の中で、彼女はチャイナの人民解放軍とは一切関係がないと記していた
  • しかし捜査の結果、彼女は人民解放軍と関連あるチャイナの大学である空軍軍医大学(Air Force Military Medical University: FMMU)で勤務していたこと、そして彼女は依然として現役の軍人であるとみなされていることが明らかになっている。
  • 逮捕令状を取得後、FBIは彼女の自宅を捜索したが、彼女が人民解放軍と関係していることを示す証拠は見つからなかった

この時点で、タン被告人はサンフランシスコにあるチャイナの領事館に逃げ込んだと報じられている。彼女は、そこで訴追されることを避けるために「免責(セーフ・ハーバー)」特権が与えられたと考えられている。彼女は、現在もまだチャイナの外交保護を受けて身を隠していると言われている

近年、米国の研究機関や学術機関で勤務するチャイナ国籍の研究者たちが、チャイナ政府とのつながりを隠蔽していた容疑で立て続けに逮捕・起訴されている。しかし、そうした容疑者が領事館や大使館に逃げ込むというのはタン被告人が初めてのケースとなっている。

FBIは、北京のチャイナ政府に対して正式に本件について通知したという。FBI職員はAxiosに次のように語っている:

我々は、チャイナ政府に対して彼女が起訴された被告人であると通知した。そのため、彼らは、この被告人が司法からの逃亡者であることを知っていることは確かだ。

被告人が領事館に逃げ込み、チャイナ政府が犯罪の容疑者をかくまっていることが公に報じられたことで、今週、にわかに高まっている米中の緊張関係が一気に悪化しそうな気配が漂っている。

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