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ニューヨークタイムズ紙がトランプ大統領の納税記録をスクープ報道|トランプ大統領は新たな「フェイクニュース」と一蹴

ニューヨークタイムズ紙がトランプ大統領の納税記録をスクープ報道|トランプ大統領は新たな「フェイクニュース」と一蹴

Photo via Flickr

第1回・大統領選挙テレビ討論会の2日前に、反トランプ勢力の急先鋒であるニューヨークタイムズ(NYタイムズ)紙がトランプ大統領の20年以上の納税記録をスクープ報道した。トランプ氏が大統領に就任するまでの15年間のうち10年間は、彼が所得税を一切払っておらず、2016年から2017年においても所得税として750ドルしか納めていなかったと報じている。

 

反トランプ勢力にとって、トランプ大統領に大打撃を与えることになる「至高の標的(ホーリー・グレイル=聖杯)」は彼の納税記録であり、ちょうど2年前にもすでにNYタイムズ紙はトランプが「父親からの財産を受け取った際に疑わしい税計画に関与している」と報じていた。

 

この1万ワード(単語)にのぼる長文のスクープ記事とは別に、その内容のポイントをまとめた別記事もNYタイムズ紙は掲載している:

 

  • Mr.トランプ(*)は、NYタイムズ紙が調べた18年間のうち11年において連邦所得税を一切払っていなかった。彼の納税額はわずか750ドルだった。
  • 彼は自身への税の請求額を疑わしい手段により減額している。その中には、7290万ドル分の税金の還付金が含まれており、これは国税局(IRS)による監査の対象となっている。
  • ゴルフ場など彼のトレードマークとなっている事業の多くは、多額の損金を計上している—こうした損金により彼は税金を低くすることができている。
  • 彼が個人的に保証している数億ドル分の融資がまもなく返済日を迎えるため、彼への金銭的プレッシャーが高まっている。
  • 損失を計上している期間も、複数の住居や、飛行機、そしてテレビ番組に出演する際の7万ドル分のヘアー・スタイリング代といった、多くの人々が個人的な出費と思うようなものに対しても課税控除を行うことで、彼は贅沢な生活を堪能し続けている。
  • イバンカ・トランプはトランプ・オーガニゼーションの社員として勤務しながら、一家の税金を下げるために「コンサルティング料」を受け取っているように見える。
  • 大統領として、彼はかつて知られていたよりも多額の金銭を海外の資金源や国内の利益団体から受け取っている。これら納税記録は、過去にまだ報道されていないロシアとのつながりについては一切の新情報を明らかにしていない。

 

(*大統領のことは通常“President Trump”と呼ぶ。PresidentではなくMr. Trumpとあえて呼ぶことは失礼にあたる。)

 

 

* * *

 

これら20年以上の納税記録にトランプ大統領の再選を脅かすような違法行為は見つかっておらず、反トランプ勢力が4年間にわたってトランプの納税記録の開示を求めて戦ってきた「聖戦」は期待外れの結果となっている。NYタイムズ紙は、そのスクープ記事の結論として次のように記している:

 

結局、Mr.トランプに関する財務状況は切迫したものとなっている。・・・アメリカの歴史において最も重要な選挙の一つに彼が迫りつつある中——ほとんどの世論調査で支持率が低下し(**)、国税庁による監査対象にあり、そし多額の借金を抱えている——彼の事業はこの先を進むために十分整っているとはいえないかもしれない。

(**ファクト・チェックが必要。)

 

 

NYタイムズ紙が入手した納税記録が誰によって提供されたものか詮索対象になることを見越して、同記事は次のように記している:

 

NYタイムズ紙が入手した情報はすべて、それに法的アクセス権がある情報源によって提供された。・・・これら納税データのほとんどはこれまで一般公開されていないものであるが、すでに一般公開されている情報そしてNYタイムズ紙が以前極秘に入手した記録と、今回入手した情報の一部を比較することで、それが本物であることを確認できている。

 

また、NYタイムズのスクープ記事は次の点を認めている:

 

これら納税記録は多くの質問への回答になっておらず、多くの疑問が残されている。またこれら(彼の納税記録)は過去にまだ報道されていないロシアとのつながりについて何ら新たな情報を明らかにしていない

 

つまり、反トランプ勢力が報じ続けてきた「ロシアとのつながり」を示す証拠は、20年以上の納税記録からは出てこなかったことをNYタイムズ紙も認めている。

 

保守系メディアNational Pulseのラヒーム・カサム氏も、今回の「スクープ報道」を次のように評している

 

なんら違法行為はなく、ロシアとのつながりもなく、ほとんどの企業が行っていること以上の内容は一切ないようだ。

 

ジャーナリストのマイケル・トレイシー氏も次のようにツイートしている:

【訳】これはNYタイムズ紙にとって本当に落胆させるものに違いない。

 

(引用のハイライト部分)「またこれら(彼の納税記録)は過去にまだ報道されていないロシアとのつながりについて何ら新たな情報を明らかにしていない」。

 

 

【訳】デービッド・フルムが、彼が行ってきたトランプの納税記録に関する魔女狩りについて恥の上塗りをしており、慎重になるよう忠告した人たちのことを「トランプを擁護する人たち」とレッテル貼りしている。我々はトランプを擁護していたのではない:我々は根拠を示すことができない疑惑を公に行うことはしないという、基本的な報道基準を擁護していただけだ。

 

これが報道された日曜(9月27日)、トランプ大統領はホワイトハウスで記者会見を行い、NYタイムズ紙の報道は「フェイク・ニュースだ」と一蹴している。さらに「NYタイムズ紙は次々とフェイク報道を行っている・・・だからメディアは今これほど支持率が落ちているんだ」と記者からの質問に答えている(以下はその動画)。

 

 

また、トランプ・オーガニゼーションの弁護士であるアラン・ガーテン氏はNYタイムズ紙へ送った声明の中で次のように記している:

 

全てではないにしてもほぼ全ての事実関係が不正確であるようだ。・・・過去10年間にわたって、トランプ大統領は数千万ドルを個人の税金として連邦政府に納めてきた。それには、彼が2015年に大統領選挙に出馬することを発表して以来、彼が支払ってきた数百万ドルの個人の税金も含まれている。

 

 

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