テレビ討論会の前に「スリーピー・ジョー」は薬物検査を受けるべき

アメリカ現地時間の9月29日（火曜）、第1回目の大統領選挙テレビ討論会が放送される。それを前に、先週末の日曜朝、トランプ大統領は討論会の前後にジョー・バイデンは薬物検査を受けるべきだとツイートした。

I will be strongly demanding a Drug Test of Sleepy Joe Biden prior to, or after, the Debate on Tuesday night. Naturally, I will agree to take one also. His Debate performances have been record setting UNEVEN, to put it mildly. Only drugs could have caused this discrepancy???
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) September 27, 2020

【訳】火曜夜の討論会の前もしくは後に、スリーピー・ジョー・バイデンは薬物検査を受けることを私は強く要求する。当然、私も検査を受けることに同意する。控えめに言っても、彼の討論能力には過去に例を見ない起伏がある。このギャップの原因は、薬物でしか説明がつかないのではないか？？？

トランプ大統領は、バイデンがメディアからの質問を受ける際、雄弁にそして理路整然と話すことができない様子を捉えた複数の出来事を指している（特にテレプロンプターがない状況で）。また逆に、バイデンが流暢に話しているのは、投薬を受けているおかげだと示唆している。

一方、先週末の日曜、ニューヨークタイムズ紙も、バイデンは国を率いるには知的鋭敏さに欠けているとするトランプ陣営の主張が、今週火曜のテレビ討論会である程度確認されるか、もしくはそれが嘘であることが証明されるだろうと認めている：

トランプ大統領は、第1回目の選挙討論会が、彼の対抗馬であるジョセフ・R・バイデンJr.元副大統領にとってのテストであると仕立てている。

しかしそれと同時に、彼（トランプ大統領）は支持者たちに対してあまりに長期にわたって期待値を低く下げてきた。彼の支持者たちは、トランプ陣営の選挙広告やFox NewsでMr.バイデンのみっともない動画（その多くは編集されている）を見続けており、彼らは世界レスリングエンターテイメント（WWE）の試合のように、大統領がしどろもどろの対抗馬に完勝することを期待している。

民主党支持者（そして一部の共和党支持者たちですら）そうしたことが起きる可能性は低いと信じている。

トランプ陣営がツイッターに投稿している、バイデン候補の「言い間違い」を指摘する動画：

Joe Biden: “It’s estimated that 200 million people will die, probably by the time I finish this talk.”

That’s nearly 2/3 of the U.S. population. pic.twitter.com/lp23K11K3o
— Trump War Room (@TrumpWarRoom) September 20, 2020

【訳】ジョー・バイデンの発言：「おそらく私がこのスピーチを終えるまでに、（新型コロナによって）2億人の人々が死亡するだろうと見積もられている」。

これは全米の人口の３分の２に近い数だ。

＊　＊　＊

大統領選挙戦がスキャンダル報道や中傷合戦にまみれた「泥仕合」になるのは恒例のことである。しかし大統領候補が討論会を行えるだけの健康な頭脳を持っているか、そして討論の前に薬物検査が必要であるかを議論しなければいけないほど、アメリカ政治が地に落ちてしまっているのは不幸なことである。

ジャーナリストで作家のマット・タイビ氏は皮肉をきかせた以下のツイートを投稿している：

Drugs should be administered to both candidates in equal doses, live and before opening statements, by someone with expertise – like the road manager of a metal band. https://t.co/vFwLf4jbpc
— Matt Taibbi (@mtaibbi) September 27, 2020