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米中が本格的な金融戦争に突入|チャイナは外国資本を惹き寄せるために経済繁栄と成長力を捏造するだろう。もしこれがうまくいかなければ「香港、台湾、韓国、日本を吸収する可能性がある」

米中は本格的な金融戦争に突入。チャイナは外国資本を惹き寄せるために経済繁栄と成長力を捏造するだろう|ヘッジファンドCIOエリック・ピーターズ氏

Photo via Flickr

アメリカの投資アドバイザリー企業One River Asset ManagementでCIO(Chief Investment Officer)を務めるエリック・ピーターズ氏については、これまで本サイトでも彼の寄稿記事を度々紹介してきた。今回は、ピーターズ氏が匿名のアジアのCIO(最高投資責任者)から得た情報を紹介する。

 

* * *

 

エリック・ピーターズ筆|10月18日掲載

(太字強調は訳者)

 

アジア地域で最大手の投資家の一人である某CIO(最高投資責任者)は、次のように語った:

「2000年代初頭、チャイナ大陸はおそらくアジアの資本市場の5〜10%でしかなかったが、米国との共生関係によって成長していったように見える。現在、この(共生という)生き方は終わり、今後の考えられるシナリオは当時のように希望に満ちたものではなくなっている。しかし、将来がそれほど明るくないとわかっていることは、将来がどのように展開するかを分かっていることとは異なる。そのため、我々は将来のシナリオを多数の可能性に分割し、それぞれの可能性に対する確率に変化をもたらす兆候を注意深く見守っている」。

 

さらにこのCIOは次のように続けている:

チャイナは多額の債務を抱えており、過剰なレバレッジ(多額の借金による資金調達)を行っているため、習近平は(金融市場の)解放を行おうとしている。なぜなら、彼は外国資本を必要としているからだ。彼は信用詐欺(人の信頼につけ込む詐欺)を仕掛けており、彼はそのゲーム(信用詐欺)に勝つことが彼の生き残りにとって不可欠となっている。20年もたたずして、チャイナはアジアの資本市場で70%を占めるまでになった」。

 

これほどの支配的な状況により、アジア地域における投資判断はすべて、チャイナに対するロング投資(成長・値上がりを期待した強気投資)を行いたいか否かという判断になっている。

 

習近平は、『穴』をふさぐために5兆ドルの外国資本を惹き寄せたいと目論んでいる。そして国内の銀行システムを通してその外国資本を10倍〜15倍に膨らませようとしている」。

 

チャイナ(への投資)に対する強気のケースは、習近平が5兆ドルを手に入れ、それを膨らませ、そして余剰資本を使って将来の産業における支配体制を確実なものにすることだ」とこのCIOは語った。この場合の「産業」とは、人工知能、バイオテクノロジー、マイクロチップ産業を指している。「その行程で、習近平はチャイナがすでに支配的である全ての産業に借入金で追加投資させ、アドバンテージを確実なものにするだろう」。太陽エネルギー、電池、液晶ディスプレイ生産だ。「米国が離れる可能性がある一方で、ドイツ人とフランス人は結局、商売重視であるため、もしチャイナが優れた製品を生産でき、欧州の輸出品である贅沢品を消費することができれば、チャイナ政府の勝ちだろう」。

 

米国(への投資)に対する弱気のケースは、チャイナへの強気ケースの派生物である。米国の純(ネット)国際投資ポジションはマイナス13兆ドルである」と彼は説明した。米国はその経済的な支配体制を維持するために、巨額の資本流入を惹きつけ続ける必要がある。「米国がこうした(国際投資の)不均衡を維持できている理由は、その法制度/政治制度に対する世界的な信用であると同時に、起業家精神を報いるインセンティブ構造にある。しかしこの先10年、この国がトランピズム(トランプ主義)とサンダーリズム(サンダース主義)との間で揺れれば、(世界からの)信用は徐々に弱体化する。そして投資家たちはアメリカを離れて分散投資をしようとするだろう」。

 

チャイナ(への投資)に対する弱気のケースは、習近平が明らかに独裁主義者となることである」とこのアジア人CIOは語った。「彼がチャイナ企業に対してあまりに厳しい統制を行い——彼はこれをすでに行っている——そのため他の世界がチャイナ製のIOT(インターネット・オブ・シングス)技術を使うことを拒否するケースである」。チャイナ政府が最終的に我々のあらゆるデータにアクセスするという恐怖は、受け入れられないものと目されている。「こうなれば、チャイナの才能ある起業家の多くを無駄にすることになる」。彼らは、国内市場を超えて市場拡大することができなくなる。「彼らは、(国内)経済が成長する分しか成長できない——そのためチャイナは5兆ドルを惹き寄せることに失敗する」。

 

こぼれ話

 

「チャイナは、現在、米国との金融戦争に完全に没頭している。そしてこの見方は、北京にある権力構造の最上位にまで到達している」とこのアジアのCIOは語った。

 

「どのような手段を使っても外国資本をチャイナに惹き寄せることは、国益にかなうことであるとチャイナ政府は考えている。そのため、チャイナの有数のテクノロジー企業が、実際よりよく見せようと粉飾決算を行うことが国益にかなう場合、チャイナ政府はそれを行ってもよしとするだろう」と彼は語った。

 

戦争中、規則は国の必要性を満たすために変化する。成長性が見込める確実な証拠を求めて(投資)資本が自暴自棄になっている世界では、資本を惹きつけるために成長性を捏造することは合理的な戦略である膨張を続ける不動産バブル(このバブルは同時に税収、雇用、国内消費を下支えしている)を抱えた国にとって、資本を惹きつけることができないということは受け入れられない。グローバル・サプライ・チェーンを再構築しようとするアメリカの圧力は、北京にいる「雑技団」にとってこれ以上ない悪いタイミング——彼らの皿回しの「皿」の回転が遅くなってきているタイミング——で行われている。

 

そしてこのことは、外国資本が引き続き(チャイナに)流入するよう、見た目では繁栄している様子を維持しようとする圧力を増幅させている。

 

「我々は以前からチャイナが発表する経済統計や企業の決算発表についてある程度の懐疑心を常に持たなければいけない状況が続いてきた。しかし金融戦争の時代において、かつて見たことがない規模で(数字の)歪曲が行われるのを我々は目にするかもしれない。現在のところは、西側の資金は流入している。地元住人たちに対する資本規制は厳格化されているにもかかわらず。外国の年金基金やその他基金は、彼らの投資ポートフォリオをさらに分散化することを追及しているためだ」。

 

もしこれがうまくいかなければ、チャイナは地域的により積極的な行動に打って出る可能性があり、米国の赤字を穴埋めする余剰資本の源泉——つまり香港、台湾、韓国、日本——を吸収する可能性がある。バイデンの下では、サウジとロシアはともにチャイナ政府とより強い同盟関係を結ぶことは確実だろう。

 

「しかし、これほど巨額の資金をチャイナに投資するための土台は不安定である。人々はチャイナへの投資を非常に慎重に行わなければならず、提示される全ての数字について懐疑的にならなければいけない」とこのCIOは語った。

 

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