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バイデン公式アカウントをフォローしている「数万件」のツイッター・フォロワーは偽物|インドにある業者が偽のアカウントでフォロワー数アップを請け負っていた

バイデン公式アカウントをフォローしている「数万件」のツイッター・フォロワーは偽物|インドにある業者が偽のアカウントでフォロワー数アップを請け負っていた

Photo via Flickr

ジョー・バイデン候補の公式ツイッター・アカウントは、彼が8月12日にカマラ・ハリスを副大統領候補に指名してから2週間以内に、「かなりのフォロワー数の急増」が起きていた——インドの田舎にある複数の業者から「数万件にのぼる偽のフォロワー」を購入したおかげで

 

Zenger News(それを11月2日の記事で引用した英語版ニューズ・ウィーク)によると、バイデンの公式アカウントのフォロワーの多くが、ただフォロワー数を増やすだけの理由で開設されているように見え、その多くは英語を話す人がほとんど住んでいないインドの小さな村々で開設されている。

 

バイデンがインドのSNS上でますますフォロワー数の広がりをみせているのは、バイデンの大統領候補としての当選確率を高めようと、同国で悪名高い『トロール・ファーム』(*)がその作業を行っているためであることが、Zenger Newsが行った調査により明らかとなった。

 

カマラ・ハリスの民族的な出自は、部分的にインドがルーツとなっているが、彼女をフォローしているインド人フォロワー数はずっと少なく、約0.12%となっている

 

ツイッター上でバイデンの選挙キャンペーンの影響力を増強するために、いかにニューデリーおよびムンバイにあるプロパガンダ会社が広く分散して存在しているトロール・ネットワークを起動させたかについて、この選挙キャンペーンのために作業を行ったオペレーターの数人が長尺のインタビューに答えた。−ニューズウィーク

 

(*)トロール・ファーム(troll farm)とは?

偽情報・・・や虚偽の陰謀説をツイッターやSNSに書き込んで、大量に拡散させる拠点。各国のスパイが身分を偽り、学生アルバイトを動員して運営している場合が多い。(出典:imidas

 

記事で言及されているトロール・ファームの一社、そのオーナーであるハルシト・パテル氏は、次のように語っている:

この会社は、私の父親が1990年台後半にインターネット・カフェとして始めた。当時、男たちはほぼIRC(Internet Relay Chat)と呼ばれるチャット・ルームで会話をしたりアダルト・サイトを閲覧するために来店していた。人気のビジネスだった。でもインターネットが非常に安価になり、誰もがスマホを持つようになり、このビジネスは次第に衰退していった。私たちは、列車チケットを印刷する旅行者や、オンライン申請書に記入する人、書類をコピーする顧客に依存しなければいけなくなった。しかしこうしたビジネスは、パソコンの維持コストや電気代すらまかなう売り上げ金額にはならなかった。事態が変わったのは、モディが首相になるための選挙キャンペーンを始めた2012年〜2013年だ。そしてこれが私のメイン・ビジネスになった。

 

パテルのトロール・ファームは、彼のインターネット・カフェが閉店する夜8時(アメリカ東海岸時間の午前10:30)に営業開始する。

 

パテルの4人の社員は、2つある壁にそれぞれ並べられた長いデスクに向かって着席し、作業シートを開き、バイデンのためにポジティブな投稿を始める。

各作業員は数百件のエイリアス(ユーザ名)を使い分け、ツイート投稿のスケジューリングや、エンゲージメント解析データの確認作業を行う。そして彼らがシフトを終えるとき、彼らの前日分の解析データをスプレッドシートに入力する。

 

インドのトロール・ファーム会社は、そのほとんどが2014年のナレンドラ・モディの選挙キャンペーンを支援するために開設され、現在では世界の中で最も分散化され強力なものの一つとなっている。パテルによると、彼らは、費用を支払ってくれる顧客であればほぼ何でもサービス提供する:フェイク・ニュース、フォトショップで加工された画像、選挙キャンペーンの支援や「ヘイト」行為、そして集団による暴力の扇動すら行う

 

モディのインド人民党(RJP)における青年団の一員であるパテルは、次のように語っている。「私は自分のイデオロギーからこの仕事をするようになった。しかしこれは私の本職になった。私の妻は自らフォトショップを習得したため、現在、私たちはこうした(トロールやプロパガンダ)サービスだけではなく、コンテンツ作成も提供している」。コンテンツ作成には、ネット上でミームを作成することが含まれている

 

パテルはさらに次のように語っている:

「我々は選り好みしない。ジョー・バイデンが誰であるか、私たちには関係ない。私たちは8月に彼をフォローし、彼のツイートにエンゲージするという目標が与えられた。だから私たちはそうした。私たちが協力しているデリーにある複数の会社は、私たちに詳細な情報は伝えないし、私たちもそれを質問しない」。

 

つまり、ジョー・バイデンのために2020年の大統領選挙に干渉するべく、誰かがパテルのトロール・ファームにお金を支払ったということである。

 

パテルのビジネス・パートナーであるヤジパル・ヤダフは次のように語っている:

この業界では、何重にも(下請け業者が)存在している。そのため、誰も追跡して出元を辿ることはできない。私たちは、銀行を使って報酬を受け取ることすらしない。私たちは月に一度、現金で決済をしている。

 

私たちがいくらかせいでるかは教えない。しかしこれだけは教えてあげよう。この仕組みのおかげで、私たちは家族全員を食わすことができている。それに私は住む家を心配しなくていいし、子供たちの学費を払えるか心配する必要もない。

 

ニューズウィーク(英語版)の全文はここで無料公開されている。

 

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