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【ドキュメンタリー映画】「キル・チェーン:アメリカの選挙に対するサイバー戦争」——投票機械が抱える脆弱性の実態を暴露

【ドキュメンタリー映画】「キル・チェーン:アメリカの選挙に対するサイバー戦争」が投票システムの脆弱性を暴露

The movie "Kill Chain" via HBO

 

今年3月26日、アメリカの有料ケーブル・チャンネルHBOがドキュメンタリー映画「キル・チェーン:アメリカの選挙に対するサイバー戦争(原題:Kill Chain: The Cyber War on America’s Elections)」を全米で放送した。

 

この映画は、投票技術がいかに脆弱であるかをつまびらかにしているだけではなく、いかにアメリカの世間一般や議員たちですら、そのことについてほとんど理解していないかという問題を提起している。

 

2006年にエミー賞にノミネートされた、HBO製作の有名なドキュメンタリー映画「ハッキング・デモクラシー」、その製作チームであるサイモン・アルディッツォーネ(Simon Ardizzone)監督、ラッセル・マイケルズ(Russell Michaels)監督、サラ・ティール(Sarah Teale)監督は、「キル・チェーン」の中で再びフィンランド人のハッカーでサイバー・セキュリティーの専門家でもあるハリ・ハースティ(Harri Hursti)氏を案内人に起用している。

 

ハースティ氏は、全米そして世界中を訪問し、米国の選挙システムがいかに無防備な状態であるか、そしてアカウンタビリティーや透明性がいかに欠如しているかを示している。ハースティ氏の目から鱗が落ちる旅路をベースに、選挙の安全性に関する「業界」で鍵を握る人物たちや、サイバー分野の専門家、そして今年11月の大統領選挙を前に、選挙の完全性を担保するために奮闘している民主・共和両党からの上院議員たちに対しても率直なインタビューを行い、その様子を映画に織り交ぜている。

 

この映画は、個人、外国政府、そしてその他の悪者たちが、さまざまなテクニックを使って、選挙登録者のデータベースから実際の投票結果に至るまで、選挙のいかなる段階においても投票システムに侵入することができることを示している。

 

映画「キル・チェーン」が最初に放送されたのは今年3月26日であり、この映画の監督たちが11月の大統領選挙で不正選挙が行われることをどれほど予見していたかは不明だが、この映画を見ることで、実際に11月3日(あるいは4日早朝)にドミニオン社製の投票機械で何が行われたのか、その一端を垣間見ることができる内容となっている。

 

映画タイトルになっている「キル・チェーン(”kill chain”)」とは、もともと軍事用語であり、標的を特定し、部隊を素早く派遣し、そしてその標的を攻撃する判断および命令を下すという一連の「チェーン」となった綿密な計画に基づく攻撃作戦を指す。そして実際にアメリカの選挙システムに対して行われたとパウウェル弁護士たちが訴えているサイバー攻撃は、まさに綿密な計画を基に実行され、選挙結果に対する国民の信頼を傷つけることで、民主主義そのものを根底から確実に死滅(「キル」)させようとする試みであるようだ。

 

目から鱗が落ちると同時に、恐怖におののく内容である映画「キル・チェーン」は、アメリカの選挙プロセスの脆弱性を白日の元にさらすと同時に、妨害工作から守るための実行可能な解決策についても指摘している。

 

米国内ではAmazonおよびHBOなどで有料ストリーミング配信を行っている。(日本国内で視聴できるかは不明。)

 

 

 

映画「キル・チェーン」の予告編:

 

ボーナス動画:

 

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