ニュースレター登録

Loading

オールドメディアが伝えない海外のニュース

ハンター・バイデンが回想録「Beautiful Things」を出版予定——奔放な性生活や刑事捜査対象となっている海外取引には触れず、麻薬中毒とその克服をアピール

ハンター・バイデンが回想録を出版予定——奔放な性生活や刑事捜査対象となっている海外取引には触れず、麻薬中毒とその克服をアピール

ハンター・バイデン(左)とジョー・バイデン(Photo via Flickr)

ハンター・バイデンは、これまでにチャイナやウクライナと「濡れ手に粟」のビジネス取引を行ってきた。しかも彼の父親ジョー・バイデンが副大統領であった期間中に。上院議会が発表した調査報告書では、ハンター・バイデンがウクラナイ、チャイナ、そしてロシアの企業と行ってきた金融取引が潜在的に「金融犯罪、対諜報活動、そして強要行為(を行っている)という懸念」を生み出していると結論づけており、組織売春・人身売買から贈収賄に至るまで潜在的な犯罪行為が行われたと警告している。

 

しかし、ハンター・バイデンの元ビジネス・パートナーで、現在行方不明になっている「チャイナのスパイ長官」のことなど忘れて欲しい。ハンター・バイデンが、現在、刑事事件の捜査対象となっていることなど忘れて欲しい。しかもFBIの児童ポルノ捜査部門トップが、彼のノート・パソコン捜査に関与していることなど忘れて欲しい。ハンター・バイデンのラップトップから見つかった数々の性的画像、その中には未成年の少女も含まれていると言われていることも忘れて欲しい。ハンターの義理の姉が、彼の心理セラピストに「(ハンターは)性的に不適切」と告げていたことについても忘れて欲しい。未成年の娘にハンターが近づかないよう警告した母親に対して、彼女を黙らせようと叔父ジム・バイデンがテキスト・メッセージを送っていたことも忘れて欲しい。

 

これまでに報じられてきたこれらのことは全て、忘れて欲しい。なぜなら、ハンター(売却すると公言してもなお、いまだにチャイナのプライベート・エクイティー企業BHR Partnersの10%を保有している)は、心を入れ替え別の人間になったのだから。そのことを証明するために、書籍の出版契約も締結した。

 

ハンターが出版予定の回想録の中で、彼(のゴーストライター?)は次のように記している:

私の家族は、数々の悲劇の上に築かれているが、非凡な、そして壊すことのできない愛によって団結している。

 

4月6日に発売予定のこの回想録は、「Beautiful Things(美しいもの)」というタイトルが付けられている。出版社であるGallery Booksによると、この回想録は、ハンターの薬物中毒との格闘をメインに取り上げていると報じられている。彼が長年、薬物中毒に陥っていることはすでに広く報じられ知られている。

 

この出版社Gallery Booksのオーナー企業Simon & Schusterは、最近、ジョッシュ・ホーリー上院議員の書籍「The Tyranny of Big Tech(ビッグ・テック企業による独裁)」の出版契約をキャンセルしたことが報じられていた。その理由は、ホーリー議員が、2020年大統領選挙の結果に異議を唱えたため。しかし冒頭で紹介した数々のスキャンダルや犯罪捜査対象となっているハンターの回想録については、その出版契約は反故にされていない。

 

ハンター・バイデンのイメージ改善キャンペーンは、2019年秋に始まったとAP通信は報じている。すでに彼の回想録の草稿は完成しており、数人の作家たちがそれに目を通したという。その作家たちの中には、「ミザリー」や「キャリー」で有名な売れっ子作家のスティーブン・キング氏や、デーブ・エッガーズ氏、アン・ラモット氏などが含まれているという。

 

スティーブン・キング氏は、ハンターの回想録について次のように書評を寄せている:

ハンター・バイデンの痛ましい回想録、そして衝動的に読み進めることができる回想録の中で、彼は、誰でも——米国大統領の息子であっても——ピンクの馬に乗って悪夢の小道を進むことができることを改めて証明した。

 

(ハンター・)バイデンは全てを記憶している。そして勇敢にもそれら全てを語っている。これらは両方とも、胸が張り裂けるほど悲痛なことであり、また極めて見事なことである。彼はこの質問から始める:ハンターはどこにいる?その答えは、彼はこの本の中にいるということだ。彼は、善であり、悪であり、そしてビューティフル(美)だ。

 

2月4日(木曜)、バイデン大統領とファーストレディーのジルは、次の声明を発表している:

私たちの息子ハンターは、彼が辿った旅路に他の人たちも自身を重ね合わせ希望を見つけることができるよう、彼の依存症についてオープンに語っている。彼のそんな強さと勇気を、私たちは称賛する。

 

つまり、ハンターの話というのは、彼がチャイナやウクライナ、その他数々の国と行ってきたいかがわしいビジネス取引や享楽的なライフスタイルのために、ジョー・バイデンが敵対国家から浸透工作を受けている可能性があるという事実ではなく、彼の個人的な依存症の問題ということにすり替えられている。そしてこの「回想録」を見せつけられた一般国民たちは、彼を刑事捜査すべきだと考えるのではなく、むしろ可哀想な存在として考えるべきだという強力なメッセージが暗に込められている。

BonaFidrをフォロー

執筆者

error: コンテンツは保護されています。