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【オピニオン】ドイツ・ワイマール共和国のハイパーインフレがアメリカにやってくる——2008年のサブプライム住宅ローン危機を予言したマイケル・ビュリー氏が警告

【オピニオン】ドイツ・ワイマール共和国のハイパーインフレがアメリカにやってくる——2008年のサブプライム住宅ローン危機を予言したマイケル・ビュリー氏が警告

1920年代のワイマール共和国で起きたハイパーインフレ

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2008年に世界的な金融危機を引き起こした米国サブプライム住宅ローン危機。それを事前に予想して逆張り投資したことで膨大な富を獲得したマイケル・ビュリー氏は、彼をモデルにした映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転(原題:The Big Short)』で一躍金融界の寵児となった。

 

そのマイケル・ビュリー氏が、アメリカにドイツ・ワイマール共和国に起きたようなハイパーインフレがやってくると警告した。2月21日(日曜)、ビュリー氏は次のツイートを投稿した(ただし現在は閲覧できなくなっている):

 

【訳】前回、私が警告しなかったと人々は言う。私は警告したが、誰も耳を傾けなかった。そして今回も、私は警告する。しかしいまだに誰も耳を傾けない。しかし、私が警告したという証拠を今回は残したことになるだろう。

 

1週間前、バンク・オブ・アメリカの最高投資責任者(CIO)であるマイケル・ハートネット氏もまた、同様の予言を匂わせていた——津波のような怒涛の金融・財政刺激策が、世界経済がロックダウンを切り抜けるに従って貨幣の流通速度が急上昇することと合わさり、「前例のない」経済加熱を引き起こすだろう・・・。

 

しかしマイケル・ハートネット氏が回顧しているように、これには「前例がある」。第1次世界大戦後のドイツは、「戦後心理と、積立預金、通貨と政府当局への信頼の喪失が起き、それに続いて貨幣の流通速度とインフレの急騰という、未曾有の壮絶かつ極端な状態」に陥った。それは具体的には、ドイツ帝国銀行(Reichsbank、ドイツの中央銀行)による借金のマネタイズ化である。そしてマイケル・ハートネット氏は、これが現在アメリカで起きていることに類似していると推察している。

 

この時代のドイツは、ワイマール共和国(1919年〜1933年)と呼ばれている。そして現代の誰もが、ワイマール共和国に何が起こったか知っているため、バンク・オブ・アメリカのマイケル・ハートネット氏があえてその名前を口に出さなかったのは十分理解できる。

 

しかしイェンス・パーソン氏は臆することなく、1974年に優れた書籍を執筆している。その中でドイツ・ワイマール共和国時代のドイツ帝国銀行総裁として、大量の通貨を発行したルーディ・フォン・ハフェンスタイン(Rudy von Havenstein)の下、どのようにハイパーインフレが起き、ワイマール共和国が崩壊したかを歴史的に深く分析している。彼の書籍『Dying of Money: Lessons of the Great German and American Inflations瀕死の貨幣:ドイツとアメリカの大インフレの教訓)』は、次に起こることに準備するための必読書となっている。

 

そして冒頭で紹介したマイケル・ビュリー氏が、2月20日(土曜)、ワイマール共和国のハイパーインフレに触れるツイートを連続して投稿した。彼が投稿している内容は、多くの貨幣史学者と共通したものであるが、映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転(The Big Short)』で有名人となったビュリー氏が、ワイマール共和国並みのハイパーインフレがアメリカにやってくると警告していることは注目に値する。

 

以下はビュリー氏が投稿したツイートである。今のアメリカが、いかに人類史上に残るハイパーインフレ直前のワイマール共和国に酷似しているかを示している。そして、ビューリー氏もまた、イェンス・パーソン氏のこの書籍から重要部分を引用して投稿している。

【訳】米国政府は、MMT的な政策でインフレを誘っている。旺盛な債務(対GDP比)とM2(通貨供給量)の増加の一方、小売売上高とPMIはV字回復を演出している。数兆ドルもの追加刺激と(経済の)再開は、需要を上昇させると同時に、雇用コストとサプライチェーンコストは急騰する。#パラダイムシフト

 

 

そしてビューリー氏は、イェンス・パーソン氏の書籍から次の箇所を引用している

成熟期のインフレは、紛れもない独自の特徴を持つパラドックスだった。その一つは、大いなる富、少なくとも好景気によって得した人たちが獲得した富だった・・・多くの大富豪が一夜にして湧き出てきた・・・都市には、無目的で無気力な若者たちが集まっていた。

 

ドイツの物価は堅調に推移し、企業も株式市場も活況を呈していた。実際にドルや他の通貨に対するマルクの為替レートは一時的に上昇し、マルクはインフレ前夜に瞬間的に世界最強の通貨となった。

 

富と隣り合わせに貧困地域があった。より多くの人々が、イージー・マネー(ぼろ儲けできる富)が手に届かない外側にとどまり、中を覗き込むことはできても中に入ることはできなかった。犯罪率は急上昇した。

 

当時の記録によると、庶民は目まぐるしいペースに疲弊し、目的もなく、他人が目立って豊かになっていく一方で自分たちのおぼつかない(経済的)立場が滑り落ちるのを目にする恐怖などから、進行性のモラルの低下が庶民に忍び寄っていた。

 

ほぼどんなビジネスでも金を稼ぐことができた。事業の失敗や倒産は少なくなった。好景気は、自然淘汰という正常なプロセスを停止させてしまった。好景気でなければ、不要なものや効果のないものは淘汰されていただろう。

 

ドイツの富には何もプラスになっていなかったが、投機はドイツにおける最大の活動の一つとなった。手っ取り早く利益が得られる取引に参加しようと、ほぼすべての階級に熱狂が伝染した。エレベーターの運転手から他の誰までもが、相場に手を出していた。

 

ベルリン証券取引所の取引量はあまりに膨大になり、金融業界は事務処理が追いつかなくなった・・・そして証券取引所は注文の未処理分を処理するために週に数日閉鎖せざるを得なくなった。#ロビンフッド証券の取引停止

 

1922年夏に世界に存在していた全てのマルク発行残高は、 1923年11月までには 新聞1束、そして路面電車の切符1枚を買うのに十分な価値ではなくなっていた。それはこの崩壊についての壮絶な部分であったが、貨幣資産における本当の損失のほとんどは、もっと前に起こっていた。

 

そこに至るまでの数年を通して、こうした構造は(バブルを弾けさせる)一撃を受けるまで静かに自らを成長させていた。ドイツの#インフレサイクルは、1年ではなく、9年間続いていた。これは、「妊娠期間」に8年間を要し、#崩壊はたった1年だったことを表している

 

ビュリー氏は結論として次のように記している:

上記は、1914年〜1923年の出来事について、1974年に書かれたものであり、そして「2010〜2021年:妊娠期間」という不吉な予測をしている。・・・もしドルが空から降ってくることがあれば(訳者中:つまり「ヘリコプターマネー」)・・・企業の経営陣は知恵を働かせ、最終的により多くのリスクを取るようになる・・・社債で資金を調達しそれを投資家たちに配当金として支払うようになる。そしてリスクの高い成長機会に投資を行うことが、堅実な心理を打ち負かし凌駕している。

 

アメリカはもうここまできている。あとに残された疑問は、通貨大暴落のフェーズにいつ入るかということだ。

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