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米軍が全敗:チャイナが台湾侵略をした場合の戦争シミュレーションで 〜チャイナ側からの生物兵器による攻撃で開戦というシナリオ〜

米軍が全敗:チャイナが台湾侵略をした場合の戦争シミュレーションで 〜チャイナ側からの生物兵器による攻撃で開戦というシナリオ〜

サミュエル・クリントン・ハイノート空軍中将(2013年12月6日撮影:U.S. Air Force photo by Senior Airman Armando A. Schwier-Morales/Released)

【この記事の短縮URL】 https://bonafidr.com/gIAmQ (『https://』は省略可能です)

米軍は定期的に敵対国との戦争シミュレーションを行っている。しかし近年、チャイナが積極的に軍事開発を進めていることを受けて、チャイナが台湾を侵略したという想定で行われた戦争シミュレーションでは、その全てのシナリオで、アメリカ側は以前よりも短期で敗北するという結果となった。アメリカのYahoo! Newsが3月10日(水曜)に報じた

 

国防総省が過去複数年にわたって実施した戦争シミュレーションの結果を元に、アメリカ空軍のサミュエル・クリントン・ハイノート中将が米国版Yahoo! Newsの取材に語った。国防総省が行っている戦争シミュレーションの結果は機密情報。

 

以下は、この報道を解説する記事。

 

* * *

 

2021年3月11日|SouthFront.org掲載(太字強調はBonaFidr)

 

2020年秋、アメリカ空軍はチャイナに対する戦争シミュレーションを実施した。約10年後に起きるという設定で行われた

 

それは生物兵器による攻撃で開戦し、インド太平洋地域に展開している米軍の基地や軍艦を瞬く間に押さえ込んだ。

 

次にチャイナは、侵略軍の大規模展開を隠すために、巨大な軍事演習を行った。

 

このシミュレーションでは、チャイナのミサイルがこの地域にある米軍基地や軍艦に降り注ぎ、台湾島に電光石火のように空襲と水陸両用の攻撃が行われた。

 

チャイナが勝った。非常に短い期間で

 

これは、機密扱いとなっている戦争シミュレーションの一部であると報じられている。そしてその詳細が、現在明らかにされている

 

これと同じ頃の2020年9月、実際にチャイナの戦闘機は、滅多に越えることのない台湾海峡の中間線を意図的に超え、台北方向に「前例のない40回も飛行し、台湾への攻撃シミュレーションを行った」。台湾の首相はこのことを「憂慮すべき事態」と呼んだ。

 

チャイナの空軍は、核兵器を搭載可能な爆撃機が、太平洋のグアム島にある米アンダーセン空軍基地を攻撃するシミュレーション動画を公開した。

 

ハリウッド流のこのプロパガンダ動画のタイトルは、「軍神H-6K(爆撃機)が攻める!(The God of War H-6K [bomber] goes on the attack!)」 であった(以下はその動画)。

 

 

チャイナが先行し米国が後退するという流れは、新型コロナパンデミックの期間中に加速した

 

今月、米・外交問題評議会は、特別報告書「米国、チャイナ、台湾:戦争を回避するための戦略(”The United States, China and Taiwan: A Strategy to Prevent War”)」を発表した。

 

その中で、台湾は、「米中戦争が勃発する可能性を秘めた世界で、最も危険な火種になりつつある」と結論づけている。

 

米国のインド太平洋軍司令長官であるフィル・デビッドソン提督は、上院議会での証言で、チャイナが「この10年間で、実際には今後6年以内に」台湾を併合しようとする可能性があると彼は確信していると警告した。

 

これとは別に、チャイナのシンクタンクは最近、米中関係の緊張を1989年の天安門事件以来最悪のものと表現し、共産党の指導者たちに米国との戦争に備えるよう助言している。

 

アメリカ国防総省が長年にわたって行ってきた機密の戦争シミュレーション・ゲームは、米軍がその戦争に負けることを強く示唆していることを、多くのアメリカ人は明らかに気づいていないようだ。

 

戦略・統合・要件担当副参謀長のS.クリントン・ハイノート空軍中将が、Yahoo! Newsの独占インタビューに次のように語った:

10年以上前、我々の戦争シミュレーション・ゲームでは、チャイナが我々の好む遠征戦モデル(部隊を前進させ、比較的安全な基地や聖域から作戦を展開する)を難しくするような軍事力への投資を行っていることを示していた。

 

その時点での戦争シミュレーション・ゲームの傾向は、単に負けているというだけではなく、以前よりも早く負けているというものだった。

 

2018年の戦争シミュレーションの後、戦争ゲームの達人の一人が空軍長官と参謀長の前に立ち、『この戦争シミュレーションのシナリオ(中国の台湾攻撃)は二度とやるべきではない。何が起こるかわかっているのだから』と言ったのをはっきりと覚えている。もし米軍が方針を変えない場合、我々は短期間で負けるだろうというのが決定的な答えだ。この場合、アメリカの大統領はほぼ既成事実としてその説明を受けるだろう。

 

バイデン政権は先日、ロイド・オースティン国防長官をトップとする、米国の対中防衛政策を見直す新たな国防総省タスクフォースを発表した。

 

この新たなタスクフォースでは、悪化している台湾の安全保障が大きな焦点となる。

 

ところで、チャイナの不動の戦争計画のうち3つは、台湾シナリオを中心に作られている彼らはこのために計画しているのだ。台湾は彼らが常に考えていることなのだ」とハイノート空軍中将は言う。

 

たとえどんなことをしても、台湾を舞台にした戦争シミュレーション・ゲームのシナリオは、どれもアメリカが負けるという結果になっている。

 

ランド研究所のシニアアナリストで、元国防副次官補(戦力開発担当)のデビッド・オクマネック氏は次のように語っている:

「ここ何年にもわたって我々が行ってきた台湾シナリオの戦争シミュレーションでは、時間が貴重であり、地理的に近いことと能力の点でチャイナの強みが発揮されるため、我々のブルーチームはいつも完敗した。ブルーチームの米軍将校たちにとって、このような一方的な敗北は理屈抜きの直感的な体験であり、そのためこの戦争シミュレーション・ゲームは大きな意識改革の装置となっている。しかし、米軍はまだチャイナの進歩に追いついていない。そのため、この課題に真剣に取り組み始めた10年前と比べて、我々の状況はそれほど改善していると私は思わない」。

 

問題の一つは、米国防総省が20年間にわたってイラクやアフガニスタンでのテロ対策や内乱に大きく気を取られている間に、チャイナがA2/AD戦略(*)を進めていたことだ。(*「A2/ADは、Anti-Access/Area Denial の略。接近阻止・領域拒否の意。米国に敵対する国や勢力が用いる軍事戦略で、自国や紛争地域への米軍の接近や、そうした地域における米軍の自由な行動を阻害すること」。【出典】)

 

また、チャイナ政府は台湾と地域の覇権に一点集中しているが、米軍はその軍事力の強さを印象付け、世界中の潜在的な紛争シナリオに備えなければならず、ペンタゴンはオクマネック氏が言うところの「注意力欠如障害」に陥っている。

 

最後に、万年戦勝国であるという自己満足があるため、米軍の上級将校はまさか他国が自分たちに挑戦してくることがあるとは信じることが難しくなっている。

 

オクマネック氏は次のように語っている:

「チャイナの軍事的自信の高まりは、近隣諸国への好戦的なアプローチ、人民解放軍による台湾や日本の領空侵犯の頻度の増加、南シナ海での近隣諸国への弱い者いじめなどに現れているというのが私の反応だ。習近平の下では、10年前と比べてこのような挑発行為が劇的に増加している。これは、チャイナが軍事的に十分な力を持ち、我々に勝算を持って挑戦することができると習近平が信じていることに基づいていると私は考える」。

 

最近行われた戦争シミュレーションで、国防総省は、多くの場合においてまだ設計段階にある潜在的な(戦闘)能力や軍事コンセプトの影響をテストした。

 

米軍を表す「ブルーチーム」は、チャイナを表す「レッドチーム」との戦いにおいて、大規模で脆弱な基地や港、空母に依存しない、より防衛的(守勢)で分散した姿勢を採用した

 

この戦略では、対艦巡航ミサイル砲台、移動式ロケット砲システム、無人ミニ潜水艦、機雷、防空用の強力な地対空ミサイル砲台など、大量の長距離移動式攻撃システムが重視された。また、米国の為政者たちが迅速な判断を下せるよう、早期警戒と正確な情報提供のための監視・偵察能力と、より分散した部隊の行動を調整するためのより高性能な指揮統制システムが重視された。

 

「我々は、根本的に回復力(レジリエンシー)がある部隊を構築した。レッドチームはその部隊を見て、これを倒すには膨大な戦力(武器)が必要だと判断した」とハイノート空軍中将は語っている。今回の戦争シミュレーションで最大の収穫は、人民解放軍の最高責任者を演じたレッドチームのリーダーとの会話であったと彼は語った。

 

「レッドチームのリーダーは、国防省全体で行われるこのような戦争シミュレーション・ゲームにおいて、最も経験豊富で攻撃的な将校だ。彼は当初、台湾とその地域の両方における我々の防衛態勢の回復力を見て、『ノーだ、私は攻撃しない』と言った」とハイノート空軍中将は振り返っている。「もし我々が、そのようなレベルの不確実性を生み出す部隊を、そしてチャイナの指導者たちに果たして彼らが自分たちの軍事目的を達成できるだろうかと疑問を抱かせるような部隊を設計できれば、それこそが将来の抑止力の姿だと私は考える」。

 

しかし真面目な口調で、ハイノート空軍中将は、今回の戦争シミュレーション・ゲームで試されたブルーチームの態勢は、現在の国防総省の支出計画に反映されているものではない(=まだその予算が承認されていない)と指摘した。

 

国家防衛戦略の目標を達成するために、我々はどのような米軍が必要なのかを理解し始めている。しかし、それは、我々が今日、計画し、構築しようとしている部隊ではない」とハイノート空軍中将は語った。

 

将来いつの日か、いずれアメリカがチャイナに戦争シミュレーションで勝つ日が来るかもしれない。

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