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アストラゼネカが発表した有効性データは古い情報が含まれている=米政府機関が異例の批判

アストラゼネカが発表した有効性データは古い情報が含まれていると米政府機関が異例の批判

アストラゼネカUS社のラッド・ドバー社長(Screenshot via CNBC)

【この記事の短縮URL】 https://bonafidr.com/CPsWA (『https://』は省略可能です)

アストラゼネカ社は、3月22日(月曜)、アメリカ(そして南米)で徹底して実施された信頼性の高い試験の結果、同社製ワクチンが新型コロナウイルス(武漢ウイルス)を予防するのに79%の有効性が示されたと発表した。特に同ウイルスが引き起こす深刻な症状を防ぐには100%の効果があると主張した。

 

しかしその発表の翌日となる23日(火曜)、米国政府のデータ安全性監視委員会は、同社の試験結果に「古い情報」が含まれており、「有効性データについて不完全な見解」を示している可能性があると同社に通知したことを発表した。(データ安全性監視委員会は、新たな薬やワクチンの治験を監督する組織。)

 

22日(月曜)、アストラゼネカUS社のラッド・ドバー社長は金融系ケーブル局CNBCに出演し、次のように語っていた:

【訳】アストラゼネカUSのラッド・ドバー社長は、ヨーロッパにおける同社製ワクチンについて次のように語った:

「データ安全性監視委員会は、たとえ拡大鏡を使っても(=詳細に調べても)、ワクチンを投与されたグループと偽薬(プラセボ)を投与されたグループとの間にバランスの悪さを見つけることはできなかったことはとても喜ばしいことだ。このことは、多大な自信を私たちに与えてくれる」。

 

ドバー社長はまた、この番組に出演した際、偽薬が投与された被験者のうち5人が、新型コロナの「深刻な」症状を発症したことを明らかにし、同社のワクチンが「深刻な」症状に対して100%の効果が示されたとする治験データの重大な根拠の一部を紹介した。

【訳】アストラゼネカのラッド・ドバー社長が、私たちCNBCのSquawk Boxにたった今出演され、ワクチン治験で偽薬を投与された被験者のうち5人に深刻な症状を発症するケースがあったと語った。(ワクチン接種を受けた被験者たちの間では0ケースだった。このことから、深刻な症状に対する有効性は100%という発見に至っている。)プレスリリースの中では詳細情報は提供されていない。

 

しかし、このプレスリリースと番組出演から一夜明けた23日(火曜)朝、米政府関係者は異例の声明を発表し、アストラゼネカ社が発表した臨床試験データに、「古い情報」が含まれており、「有効性データについて不完全な見解」を示している可能性があると懸念を示した。

 

アストラゼネカ製ワクチンは、世界の貧困国にワクチンを提供するWHOのグローバル・イニシアチブ「COVAX」の重要な根幹を成している。COVAXは、今年1月、ファイザー製ワクチンを最大4000万回分購入する契約を締結したと発表した。同時に、アストラゼネカ製ワクチンは、1億5000万回分近くを購入し、2021年第1四半期に供給可能になる見込みであると発表していた

 

COVAXイニシアチブは、世界にワクチンを供給する活動を行う非営利組織のGaviとCEPIがWHOと協力して進めているプロジェクト。これら2つの非営利組織GaviとCEPIは共に、ビル・ゲイツ氏がその設立に協力している

 

しかしアストラゼネカ製ワクチンには様々な問題が噴出している。

 

同社の社長は、CNBCに出演した際、偽薬が投与された被験者の中で、深刻な新型コロナの症状を発症したのは5人と語っていたが、実際に「深刻な新型コロナ症状」を発症した被験者の数やその他の重要なデータを試験結果に含むことを怠っていたと報じられている。

 

AP通信は次のように報じている:

この最新の問題が発生する以前から、英国レスター大学のウイルス学者、ジュリアン・タン氏は次のように語っていた:

 

アストラゼネカが彼らのデータを扱う初期のやり方は、基本的に自ら墓穴を掘っていた。新たな試験結果は、同社ワクチンの有効性について私たちが以前から考えていたものを裏付けているにもかかわらず、人々には疑念が残るかもしれない。

残念なことに、このことは、さらに多くの人々が新型コロナで亡くなることを意味する可能性がある」。

(太字強調はBonaFidr)

 

アストラゼネカの治験については、英国で最初のデータが公表された時から批判が起こっていた。初回の治験データでは、同社ワクチンには70%の効果があると主張していた。しかし、この時の治験データには製造過程のミスを考慮に入れておらず、また、高齢者の間の効果を推測するのに十分な数の65歳以上の被験者が含まれていなかった。そのためドイツやフランスなどの欧州政府は、当初、アストラゼネカ製ワクチンの投与を65歳以下に制限していた。

 

また、米国政府当局は、昨年秋、完全には原因が解明されていない謎の理由から、アストラゼネカ製ワクチンの米国での治験を6週間停止している。

3月22日(月曜)に最新の治験データを公表した後、アストラゼネカ社のR&D部門責任者のメネ・パンガロス氏は、同社の治験データが以前公表されていたものよりも「ずっとクリーンである」と言い、今回のデータ公表が「いかなる疑念も払拭する」ことを期待していた。

 

データ安全性監視委員会がアストラゼネカの治験データを批判する声明を発表したことについて、たとえ同社がこの問題を払拭したとしても、同社製ワクチンには負の影響が残り続ける可能性があるとAP通信は指摘している。その例として、米国では数十年にわたって麻疹(はしか)ワクチンに対する不信感が広がっており、このことが米国内で反ワクチン運動が拡大することにつながっていることを紹介している。

 

一方、科学者たちはデータ安全性監視委員会による声明の意図を読み解こうと私見を披露している。1人の科学者は、米国政府はアストラゼネカ社が治験データを操作していると非難する寸前のところで思いとどまっていると解釈している。

【訳】これは、米・国立アレルギー感染病研究所(NIAID)(*)による声明としては非常に異例。オックスフォード大学/アストラゼネカ社が、最近米国で行ったワクチン治験の結果の一部を意図的に事実を曲げて伝えていると非難する寸前のところまできている。

*国立アレルギー感染病研究所(NIAID)の責任者はアンソニー・ファウチ所長。

 

【訳】はっきりさせるために言うと、国立アレルギー感染病研究所(NIAID)とオックスフォード大学/アストラゼネカ社の間に明白な利益相反はない(**)。アストラゼネカUSのフェーズ3の治験は、BARDAから出資を受けていた。BARDAは、米・保健社会福祉省(HHS)の一部であり、この治験には国立アレルギー感染病研究所(NIAID)が関与していた。

**逆説的な皮肉でこう記している。

 

治験データに対する懸念を通告されたアストラゼネカ社は、3月23日(火曜)、48時間以内に最新の治験結果を公表することを約束する声明を発表している。

 

アストラゼネカ社は、昨日発表した治験結果は、「中間分析」を元にしており、そのデータは全て2月17日の締め切り日までに収集されたものであると発表している。

【訳】これは本当に奇妙な状況。アストラゼネカ製COVID-19ワクチンの治験に関するデータ安全性監視委員会は、同社が昨日発表した内容に古いワクチン効果情報を含んでいたことを懸念していると通達した。このことを国立アレルギー感染病研究所(NIAID)が発表した。これ以上の詳細情報はなし。(1)

 

【訳】たった今、声明が発表された。その中で、アストラゼネカ社は、昨日のアップデートは、2月17日を締め切り日とする中間分析を元にしていたと語っている。そして同社は、48時間以内にプライマリー分析を提供すると記している。

 

こうした混乱した状況に、研究者たちはワクチンに対するイメージが悪くなると不満を漏らすコメントが報じられている

ブリスベンにあるクイーンズランド大学の医学部准教授、ポール・グリフィンは次のように語っている:「他のすべての懸念を払拭する段階に来ていると思っていた今になって、この(新型コロナ)ワクチンに起きて欲しくないのはこれ以上懸念が高まることだ」。グリフィン准教授は、4種類の新型コロナワクチン候補について、オーストラリアで臨床試験を実施している。

 

昨日アストラゼネカ社が発表した79%という有効率は、初期の試験から報告された70%というデータよりも高い。しかしこの79%というデータは、同試験で2つの異なる部門がそれぞれ分析した値(62%と90%)を平均したもの。そのため、ワクチンの「最終的な」有効率は、そもそもある程度割り引いて考えるべきであると指摘されている。

 

アストラゼネカ社の新型コロナワクチンについては、珍しい血栓ができ、死者が出る事例が複数報告されたことを受けて、欧州を中心に世界各国で一時利用が停止されたと報道されたばかり。

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