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【オピニオン】米国政府は過去に金(ゴールド)の所有を非合法としたようにビットコインも禁止する? FRB議長、米財務長官、欧州中央銀行総裁は暗号通貨を否定するコメントをするもSECのパース委員は「そのタイミングは逸した」と否定的

【オピニオン】米国政府は過去に金(ゴールド)の所有を非合法としたようにビットコインも禁止する? FRB議長、米財務長官、欧州中央銀行は暗号通貨を否定するコメントを発表するもSECのパース委員は「そのタイミングは逸した」と否定的

「クリプト・マム(暗号通貨のママ)」と呼ばれるSECのヘスター・パース委員(Photo credit: Nikhilesh De via Flickr)

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米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は暗号通貨を「投機的資産」とコメントし、米財務省のジャネット・イエレン長官に至っては「違法な金融」であり「極端に非効率」と偽りの発言までして批判している。欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は、暗号通貨が「非難されるべき行動」を助長していると批判し、ECBの理事会メンバーであるイザベル・シュナベル氏は、ビットコインが投機的資産であり通貨の定義に当てはまらないと批判している。

 

しかし「クリプト・マム(暗号通貨のママ)」と呼ばれ、ビットコインを擁護する立場を取る米証券取引委員会(SEC)のヘスター・パース委員は、4月7日(水曜)にMarketWatchが開催したバーチャル会議に参加した際、ビットコインを禁止しようとするいかなる政府の活動も「愚かなこと」と発言した。彼女の発言をCryptoslateが報じている

 

パース委員はこの会議で次のように語っている:

(ビットコインを禁止する)タイミングを、私たちはずっと前に過ぎてしまっていると思います。(ビットコインを禁止するためには)インターネットを遮断しなければならないからです

 

どうすればそれを禁止できるか私にはわかりません。もちろんそうする努力をすることはできるでしょう。しかし、人々に(ビットコインを取引するのを)止めさせるのは非常に難しいでしょう。ですから、政府がそのようなことをしようとするのは愚かなことだと思います。

 

しかし理由はこれだけではなく、ビットコインの取引を禁止することで、政府は2兆ドルの純財産(暗号通貨セクターの時価総額)を瞬時に消滅させることにもなる。このような事態は、深刻な「デレバレッジ(借金投機の停止)」効果をもたらす。暗号通貨セクターにおける富の多くは現在、債権に裏打ちされており、例えばMicrostrategy社は債権発行(借金)することにより多額のビットコインを購入している。そのため、政府が暗号通貨を禁止するというような動きをすれば、すべての重要な債権市場が即座に不安定化することになる

 

パース委員のこの声明は、大手ヘッジファンド、ブリッジウォーター・アソシエイツの創業者で大富豪の投資家レイ・ダリオ氏が、世界中の政府がビットコインやその他の暗号通貨を禁止する「確率は十分ある」と主張したことを受けて出されたものだ。

 

ダリオ氏はYahoo!ファイナンスとのインタビューに次のように語っている:

どの国も、需要と供給を支配する独占権を保持していることを大切にしている。彼らは、他の通貨が流通したり競合したりすることを望んでいないのだ。彼らは過去に金(ゴールド)を非合法化したのだから、ビットコインも非合法化する確率は十分ある。

 

しかし、パース委員によると、少なくとも暗号通貨に関して当局にとっての主要な問題は、生産的であると同時に非抑圧的な規制のアプローチを見つけることだという。彼女はこう語っている:

他の国ではもっと生産的なアプローチをとっています。私たちは状況を変える必要があると思います。これらの市場を熟知した新たな(SECの)委員長が就任する予定であり、私は楽観的です。私たちは協力して、優れた規制の枠組みを構築することができると考えています。

 

またパース委員は、米国でビットコインETF(信託投信)が承認されるかやそのタイミングについて彼女は把握していないとも語った。最近、フィデリティー証券SkyBridge CapitalVanEckなどの大手投資会社が、ビットコインETFの申請をSECに提出する流れが起きている。

 

しかし、米国の規制当局はこれまでに暗号通貨ETFの申請を一度も承認していない。だが、ビットコインETFが承認されないことは、ビットコインだけでなく、何千億ドルもの非常にリアルなお金が絡み合っている新興DeFi(分散金融システム)のエコシステム全体にとっては良いことなのかもしれない。

 

* * *

 

米国政府にビットコインを禁止する意図がないと考えられるもう一つの理由がある。アルテミス・キャピタルのクリストファー・コール氏は最近次のように投稿しており、ビットコインは 『影の』金融ツールであり、コモディティ、株式、そして住宅などの従来の資産でさらに大きなバブルが発生するのを防ぐための、一種の過剰な流動性資金(つまり「ダブついた資金」)であると分析している:

【訳】ビットコインは 『影の』金融ツールだ。

 

コモディティ、株式、そして住宅などの従来の資産でさらに大きなバブルが発生するのを防ぐための、一種の過剰な流動性資金(流動性オーバーフロー)である。

 

今のところ、お金の価値を切り下げる流動性資金は純粋に投機的な資産に流れ、住宅価格やその他の商品にはあまり流れていないため、中産階級のボラティリティ・バッファーとして政府に貢献している。

 

(これは米国でなぜ暗号通貨への)規制が行われていないのかを説明している。これはインフレと同時進行するだろう。

 

グラフのタイトル:「トロイの木馬?暗号通貨は過剰な流動性資金のためのボラティリティ・バッファーか?」

 

別の言い方をすれば、暗号通貨は現在、住宅や株式に投資されるはずだった約2兆ドルの過剰流動性を意味している。過剰流動性(「ダブついた資金」)は、住宅市場と株式市場それぞれにおける資産バブルを崩壊しやすくし、資産バブルに依存した社会経済システムや金融システム全体を崩壊に近づけるものである。しかし、ビットコインのおかげで、FRBのパウエル議長は無期限に紙幣の増刷を続けることができる相当なバッファーを手に入れている

 

逆説的にFRBが超金融緩和政策を長く続けることを可能にしている、ビットコインのこの思わぬ副作用は、「(米国でなぜ暗号通貨への)規制が行われていないのかを説明している」。しかしいったんハイパーインフレに陥り、ビットコインに買い手が付かなくなれば、ある単純な理由から規制が行われることになる——なぜなら、ビットコインを規制することは、瞬時に何兆ドルもの規模で金融システムのデレバレッジ(借金投機の停止)を行うことに等しいからだ。(すべての暗号資産の時価総額は、現在すでに2兆ドルを超えている。)

 

先に紹介したクリストファー・コール氏は次のように警告している:

【訳】私が言いたいポイント

 

暗号資産の規制は、投資家・投機家にとっての構造的リスク

 

暗号資産の規制は、政府がインフレを抑制するための2次的な金融引き締め手段と考えられる

 

上記のことは、暗号資産を所有することが間違いであるとするものではないが、リスクとリターンについて深く考える必要がある。

 

コール氏のコメントは、まさに現在ビットコインに強気投資を行っている人たちにとって真っ当な警告となっているが、しかし彼のアドバイスはインフレが本当に手に負えなくなったときにのみ当てはまるものである。これまで予測されてきたようにFRBがゼロ金利を維持しほとんどテーパリングを行わないと仮定すると、インフレが手に負えなくなるという状況は、2022年後半から2023年前半まで起こる可能性は低い。つまり、数十年、数百年、そして数千年に一度の投資リターンが得られる可能性がある暗号資産には、そのバブルが弾けるまで、これからまだ約2年間の上昇可能性があるということになる。

 

(*投資には常にリスクが伴います。投資を行う場合は、そのリスクを把握して許容できる範囲内で行いましょう。)

 

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