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NY連銀がレポ取引市場介入の延長を発表:11月4日までターム・レポを追加で8回実施

NY Fed building

先月からアメリカの金融市場で短期資金が枯渇しかかっているニュースは弊紙もここで報じてきた。またその原因となっているのが、JPモルガンであることがつい先日になってようやく判明していた

 

原因が判明したことで、短期資金市場における流動性が枯渇する危機は薄れていくと思われていた。しかし今日金曜の午後になって、NY連銀は翌日返済(オーバーナイト)レポ取引市場への介入を延長する発表を行った。少なくともさらに1ヶ月間は介入を続けるという。

 

1回の市場介入で投入する資金は、最大で750億ドル。また、返済期限が2週間のターム・レポの取引市場への介入も、11月4日まで最低8回は実施する。これにより、ターム・レポ取引市場へ投入される緊急資金は、四半期末の一過性の緊急措置ではなくなり、連銀による公開市場操作の重要な一部に組み込まれたことになる。すでに「一時的」な操作ではなく、永続的な財政政策の一部となったと見ていいだろう。

 

本日午後、NY連銀は次の声明を発表した

 

直近の連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee)による指示に従い、NY連銀における公開市場取引デスクは、FFレートを規定範囲に抑えるため、一連のオーバーナイト・レポおよびターム・レポの操作を実施する。

 

10月7日の週より、取引デスクは以下のスケジュール通りに10月末までターム・レポを提供する。取引デスクは、2019年11月4日(月曜)まで、1回の介入で最低でも総額750億ドルのオーバーナイト・レポを継続して毎日提供する。

 

担保として可能な証券は、国債、政府機関債、政府機関MBSである。実際に融資される金額は、申請された提案内容で条件を満たすものの合計金額に依るため、提示される金額より低くなる可能性がある。翌日の操作に関する追加の詳細については、ウェブサイト「レポ取引契約に関する業務の詳細(Repurchase Agreement Operational Details)」上で各取引日の午後に発表される予定。操作スケジュールおよび評価基準は、市場の条件や連邦公開市場委員会が取引デスクに対して行うガイダンスを変更する場合などによって変更される可能性がある。

 

これが意味することは、連銀が永続的な公開市場操作を行うまで(つまり11月または12月に連邦公開市場委員会が開かれるまで)、この「一時的な」公開市場操作が行われるということである。JPモルガンは、永続的な公開市場操作が、おおよそ毎月370億ドル規模(QE1と同規模)になると予想している。

 

NY連銀はこの11月まで実施する公開市場操作を「一時的」と言っているが、すでにこれは恒久的な公開市場操作の様相になっている。連銀のバランスシートは、先月だけで1850億ドルも増加しており、QE4がひっそりと開始される中、これまで量的引き締めで減少を続けていたバランスシートは、ついに増加に転じている。

 

(Source: Fed

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