香港経済が正式に景気後退に突入:2008年の世界金融危機以来初めて
金曜、香港政府は、第3四半期に香港経済が景気後退(不況)に突入したことを発表した。これは香港にとって、世界金融危機を契機に2009年に不況を経験して以来、初めての不況となる。世界経済の同時減速に加えて、ここ6ヶ月間続いている香港での民主化デモの影響により経済が減速した。
香港政府は、以下の発表を行なっている:
- 四半期GDPが前年同期比で下落したことは、2009年の世界金融危機以来初めて
- 香港経済は不況に突入した
- 香港の輸出実績は短期的に引き続き弱含み
- 地域の社会的紛争はまだ収束する気配がなく、消費および投資への需要は年内低迷が続く
- 巨大企業も中小企業も全て、景況感は非常に悲観的であることを示している
- 困難な外的環境が今後も続く見込み
- 地域の社会的紛争がここ数ヶ月でますます暴力的になっていることで、旅行者の足を遠ざけ、地域の消費需要に大きな痛手を与え、消費者心理をひどく引き下げてしまっている
香港の第3四半期のGDPは、事前に推定されていた通り、第2四半期と比べて3.2%縮小した。第2四半期のGDPも縮小していたことから、2四半期連続の縮小となり正式に景気後退に突入したことが確認された。これは2008年〜2009年の世界金融危機以来、香港経済にとって初めての景気後退となる。2019年の年間GDPは、1.3%縮小する見込み。
世界経済の同時減速と米中貿易戦争の煽りをすでに受けていた香港にとって、この夏、民主化デモと警察とが市街地で衝突を繰り返したことが地元経済にとって大きな打撃となった。民主化デモが始まってから6ヶ月が経ち、香港の金融と貿易の中継地としての機能や、ショッピング・モール、レストラン、ショップ、そして地元の経済全体が麻痺してしまった。
ブルームバーグは次のように報じている:
「すでに世界経済の同時減速と米中貿易交渉の高まる緊張によって弱体化させられていた経済に対して、地域の社会的紛争が非常に激しい一撃をもたらし、香港経済は2019年第3四半期に突然悪化した。地域の社会的紛争はまだ収束する気配がなく、消費および投資への需要は年内低迷が続く」と、政府は声明の中で発表した。
さらにブルームバーグは以下の6件のグラフを掲載しており、香港の不況が悪化の一途を辿っていることを示している。それぞれ今年1月〜10月までのデータ。
最近、投資支出や個人の消費活動が急落していることを考えると、第4四半期の暫定GDP値は、さらに悪化している可能性がある。世界経済が引き続き減速化しているため、香港の純輸出額も今年、縮小している。
次に起きる世界景気減速を前に、香港が最初に倒れたドミノとなった。
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