英国アンドルー王子がBBCに出演しエプスティーンとの交友関係について弁明:ダイアナ妃の交通事故死以来、英国王室にとって広報戦略上「大惨事の失敗」
昨晩、国が用意周到にお膳立てしたテレビ・インタビューに英国王室のヨーク公・アンドルー王子が出演した。イギリスの国営放送であるBBCの番組Newsnight(ニュース・ナイト)に出演し、エミリー・マイトリスからのインタビューに答えた。このインタビューそのものは、先週木曜、バッキンガム宮殿で収録された。冒頭の写真はそのインタビュー動画から。(Screenshot via BBC.)
21stCenturyWire.comが報じているように、このインタビューの中でアンドルー王子は、ジェット機で世界を飛び回っていたビリオネアで、複数の性犯罪で有罪判決を受けていたジェフリー・エプスティーンと交友関係を持っていたことにより、「家族や仲間の期待を裏切ってしまった」ことを認めている。その懺悔として、アンドルー王子はこの交友関係が「王室家族のメンバーに適切なもの」ではないと認めている。
アンドルー王子のテレビ・インタビューは、英国王室にとって傷ついたイメージを回復するには程遠い結果となった。王子がテレビ出演したことは、今後の反響によっては、王室を管理・運営している責任者たちにとって「オウン・ゴール」とも取れる大失敗になる可能性がある。
すでに性犯罪者として有罪判決を受けていたことを知りつつ、エプスティーンの豪邸になぜ滞在したのか質問されると、アンドルー王子は単純に「滞在するのに都合が良い場所だった」と答えている:
滞在するのに都合が良い場所だったのです。これについて、私は頭の中で何度も繰り返し考えてきました。しかし結局、今になって全てを思い返すと、そうすることは確かに間違いでした。
しかし当時、私はそうすることが高潔で正しいことであると感じていました。私の判断はおそらく、私が性格上あまりに高潔すぎる傾向があるという影響を受けているかもしれないことを完全に認めます。しかし、それが事実なのです。
アンドルー王子が語った最後の言葉は非常に問題がある。
アメリカの独立系ジャーナリストのジェームス・オキーフ氏も次のようにツイートしている:
“My tendency to be too honorable” is why I stayed at the home of Jeffery Epstein. – Prince Andrew
— James O'Keefe (@JamesOKeefeIII) November 17, 2019
“War is peace. Freedom is slavery. Ignorance is strength.” ― George Orwell, 1984.#EpsteinCoverup https://t.co/e2cSiad75G https://t.co/GdxyDZLIz8
【訳】「私があまりに高潔すぎる傾向がある」というのが、私がジェフリー・エプスティーンの自宅に泊まった理由である – by アンドルー王子
「戦争は平和である。自由は奴隷制である。無知は強さである。」 – by ジョージ・オーウェル、1984年
かつてダイアナ妃の恋人であるジェームス・ヒューイット氏を弁護したことでも知られる有名なマスコミ対策弁護士のマーク・スティーブンス氏は、アンドルー王子のこの発言やその他の(視聴者を騙す)数々のトリックについて、辛辣な批判を行っている:
この(広報)戦略は、考えうる全ての質問に完全で完璧な回答を用意できている場合にのみうまく機能します。しかし(アンドルー王子のインタビューには)あまりに多くの未解決事項が含まれています。
もし彼が沈黙を貫いていたなら、彼はこの事件にこれ以上関わらずに済んだでしょう。というのも、彼は目撃者であり、外交特権が与えられているからです。彼は一個人だった。しかし現在、彼はそのプライバシーを放棄してしまった。
エンターテイメント業界の広報エージェントであるマーク・ボルコウスキー氏は次のように語っている:
アンドルーは、ジャーナリストたちに囲まれることをこれまで決して快く思ったことがない。そのため、常に彼らから一定の距離を保ってきた。このように公にさらけ出す行為におよぶということは、ハイ・リスクの戦略だ。人々が抱いている印象を一切変えず、ただ単にさらにこの問題に注目を集めてしまうだけの可能性がある。
このインタビューの中で、アンドルー王子は、一緒に写真を撮ったバージニア・ジフレさんについて質問を受けている。彼女は、自身が17歳の未成年だった時にアンドルー王子と性的関係を持ったと主張している:
「この女性とかつて会ったことについて、全く記憶にありません。全くです」とヨーク公は語った。
「彼女と会ったことを覚えていないのですか?」と彼は続けて質問を受けた。
「覚えていません」とアンドルー王子は答えた。
アンドルー王子がこの質問に答えるたった10秒の間に、彼は10回以上も瞬きをしている。
https://twitter.com/PrisonPlanet/status/1195755529269850112
【訳】ワオ、この質問への返事をするときとても多くの瞬きがあった。たぶん全然関係ないだろうけど。
アンドルー王子は、ジフレさんが王子と会った時の様子について「(王子は)過度に汗をかいていた」と語っていたのは間違いであると語っている。というのも、当時、彼はとある疾患によって汗をかけない状態にあったためと語った:
私は当時、フォークランド紛争の中で銃で撃たれたと表現するような、アドレナリンを過剰摂取した状態を患っていたため、汗をかける状態ではなかったのです・・・私は単に・・・私が汗をかくことはほぼ不可能だったのです。
しかし数多くのこと(治療)を最近行ってきたおかげで、汗をふたたびかくことができるようになってきています。
ロンドンでジフレさんと一緒に撮った写真について質問されると、アンドルー王子は、その写真が本物であるか偽物であるか証明することは不可能だと語った:
「それは私がロンドンにいる時に撮った写真だと私は信じていません。なぜなら、私が外出する時・・・・私がロンドンで外出するとき、私はスーツとネクタイを着用するからです。
それらが・・・私の外出着です。私が外出する時の・・・私が海外に行く時の。
アンドルー王子はさらに次のように語っている:
誰もその写真が不正に加工されたものかどうかを証明することはできない。しかも私はその写真が過去に撮影された記憶がない。
アンドルー王子は、数々の疑惑を「記憶がない」と言うことで否定している。広報の専門家や弁護士がクライアントによくアドバイスをする戦略だ。
しかし一つ確かなことは、イギリス国民はアンドルー王子をテレビカメラの前でスポットライトを浴びせ尋問することを要求していなかったということだ。ただでさえ延期続きのブレグジット問題で国内の政局や社会が不安定になっている中、イギリス国民はアンドルー王子のゴシップについていずれ忘れ去る可能性すらあった。英国王室は、今回、なぜアンドルー王子にテレビでインタビューを受けさせるという広報戦略に合意したのだろうか?
* * *
インタビューが放送されると、SkyNewsは、アンドルー王子の広報アドバイザーであるジェイソン・スタイン氏が辞任したと報じている:
Sky News confirms Prince Andrew's PR adviser Jason Stein resigned over the Duke's decision to agree to the interview with the BBC
— Sky News Breaking (@SkyNewsBreak) November 17, 2019
【訳】Sky Newsはアンドルー王子の広報アドバイザー、ジェイソン・スタイン氏が、王子がBBCとのインタビューに同意した決断の責任を取って辞任したことを確認した。
また、ブルームバーグは、次のように報じている:
アンドルー王子が、小児性愛者である金融家のジェフリー・エプスティーンとの交友関係について、注目を集めるテレビでのインタビューで説明しようとした試みは、茶番劇へと変貌した。これはダイアナ妃が1997年に死亡した件を扱って以来、英国王室にとって最大の広報戦略の大惨事になる危機に直面している。
【関連記事】
英アンドリュー王子が公務から引退:エプスティーン事件に絡み未成年の少女と性的関係を持った嫌疑の最中
英アンドリュー王子が引退後初の声明を発表:エプスティーン事件で新たな動画が公開され容疑が深まる中
BonaFidrをフォロー