中共政府はオラクルによるTikTok買収計画を承認しない予定との報道
チャイナの人気動画アプリTikTokを米オラクルとウォルマートが共同で買収する方向で交渉が進められている中、中共政府はその買収計画を承認しない予定であると報じられた。
チャイナのプロパガンダ機関である環球時報、その英語版Global Timesの編集長フー・シージン(胡锡进)氏が、ツイッター上に以下の情報を投稿した。同編集長は、英語圏に向けて北京政府の本音を非公式に伝える代弁者として知られている。
Based on what I know, Beijing won't approve current agreement between ByteDance, TikTok's parent company, and Oracle, Walmart, because the agreement would endanger China's national security, interests and dignity.
— Hu Xijin 胡锡进 (@HuXijin_GT) September 21, 2020
【訳】私が把握している情報によると、北京政府は、TikTokの親会社であるByteDanceと、オラクル、ウォルマートとの間での現在の合意内容を承認することはない。その理由は、この合意内容がチャイナの国家安全保障、利益、そして尊厳を危険にさらすからだ。
チャイナ政府が、TikTokを米国企業に売却することがチャイナの「国家安全保障を危険にさらす」と主張していることは皮肉である。そもそも、トランプ政権がTikTokを米国内で利用禁止にしようとした理由はまさに米国にとって国家安全保障上の危険性があると判断したためであり、チャイナ政府はそれと同じ理由を反対材料に使っている。
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TikTokの買収交渉で米中間の争点となっているのは、どちらの国がその所有権の過半数を取るかということのようだ。
ByteDanceは、オラクルとホワイトハウスとの合意契約では、ByteDance側がTikTok Globalの所有権の80%を維持することを許可する内容となっていると主張している。しかしその発表のわずか数時間後、トランプ大統領はテレビ・インタビューの中で「チャイナが過半数の支配権を放棄しなければディールはなしだ」と語っている。
さらにこの発言の直後、トランプ大統領は計画されているTikTokのIPO(新規株式公開)が実施されれば、いずれにしてもチャイナが保有している過半数の所有権は希薄化されると語っている。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の編集委員会は、本日9月21日(月)発行の紙面で、トランプ政権は『国家統制主義的(statist)』な買収交渉を進めるのではなく、TikTokを抹消(kill)すべきだという論説を掲載している。
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