WeWorkが欧州の社員に人員削減の計画ありと事前通告:世界市場への事業拡大計画も保留に
出資元のSoftBankに、14年ぶりとなる四半期決算の赤字化をもたらす元凶となったWeWork。その事業縮小計画が着実に進んでいる。WeWorkが世界で雇用している社員約1万4000名のうち約3分の1の社員を解雇する人員削減計画がFT紙などにより報じられているが、その一環として、同社は、世界市場での事業拡大計画を保留し、ヨーロッパで勤務している社員に対して人員削減が間もなく始まると伝えたとブルームバーグが報じた。WeWorkは、海外における大型の物件リース契約についても再検討している。
ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA = Europe, Middle East, Africa)における同社の社員たちは全員、今週、会社との「話し合い」を行った。人員削減数や、それを行うタイミングについてはまだ決定されていない。
WeWorkは次のようにコメントしている:
WeWorkは、焦点を定め直した戦略に照らし合わせて我が社のオペレーション・モデルと人員に対して変更を行う一環として、EMEA市場における社員たちと対話している最中である。幹部たちは丹念にその意思決定を進めており、我々は同僚たちを公平かつ敬意をもって扱うことを約束する。
同社は、ロンドンにおける事業拡大計画について再検討を進めており、同社にとって第2の規模の市場となるロンドンで進めてきた28件のオフィス契約を結ぶ計画を検討し直している。再検討の対象となっている契約は「様々な(交渉)ステージ」にあり、最終的に同社が借りることになるリース契約件数がどれほどになるかは未定である。
WeWorkは、最近締結したばかりの、香港のビジネス街近くにある4階建ビル(約6万平方フィート=約5574平方メートル)のリース契約の一部について放棄することを検討している。香港島のワンチャイにあるHopewell Centerビル内の4フロアについて、今年8月、WeWorkは9年間のリース契約を締結していた。
今週報じた通り、SoftBankグループの孫社長は、ビジョンファンドの第3四半期決算報告として65億ドルの事業損失を計上した。その主要因は、投資先企業の多くについてその企業バリュエーションを損切りしたため。その多額の損切りが発生した投資先企業の筆頭がWeWorkだった。
今週水曜に行った四半期決算報告で、孫社長は次のように述べている:
真っ赤っかの大赤字。3ヶ月の四半期決算でこれだけの赤字を出したのは創業以来のことではないかと思います・・・私自身の投資の判断がいろんな意味でまずかったと大いに反省している。
Screenshot via WeWork.com
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