ナンシー・ペロシ下院議長、不法滞在は「国外退去の理由ではない」
ナンシー・ペロシ下院議長(カリフォルニア州選出の民主党議員)は、昨年の中間選挙期間中に米国とメキシコを隔てる国境に壁を作ることを「非人道的」と非難し、米国には深刻な国境問題は存在せず、それはトランプ大統領が「でっち上げた」国家的緊急課題だと主張した。
現在、米国の議会は、下院の多数派を民主党議員が、上院の多数派を共和党議員が占め、いわゆる「ねじれ」状態が起きている。下院の議長を務めるナンシー・ペロシ議員は、日本でいうと野党の国会対策委員長のような存在。
現在、民主党議員らは口を揃えて不法移民に恩赦を与え、最終的には国籍まで与えよと法案を可決しているが、ペロシ下院議長もこれに呼応し、米国に不法滞在していることは国外退去の理由にはならないと発言した。
ニューヨークで開かれたイベントで、ペロシ下院議長は聴衆に対し、最近トランプ大統領と行なった電話会談について語った。その電話会談で、ペロシ議長は、不法移民を一斉に国外退去にしようとする強制退去処分を遅らせるようトランプ大統領に要請した(これを受け、トランプ大統領は強制的な国外退去処分を2週間、猶予することを決定)。この電話会談の中で、ペロシ議長はトランプ大統領に対して「不法滞在であるということは国外退去処分の理由にはならない」と伝え、トランプ大統領の強制退去処分の対象になる不法移民は1000万人以上にのぼることを伝えたと語っている。
米国政府は、不法移民を国外退去処分にするのではなく、彼らに米国籍を与える道を開くことにフォーカスするべきであるとペロシ議長は語った。
「私は<不法滞在であることは国外退去処分の理由にはならない>とトランプ大統領に伝えた。(略)責任を追及されている人たちについて論証したいとしても、それは不法移民であるということとは関係ない。なぜならこの処分の対象となる人たちは1000万人以上に上る可能性があるからです。私たちに必要なのは米国民になる道を開く包括的な移民法の改正です」
さらにペロシ議長は、トランプ大統領が発言する国外退去処分の発言の数々について、移民の子供達だけではなく「アメリカの子供達」に恐怖を感じさせていることを大統領に伝えた。「私は母親です。私には五人の子供と九人の孫がいる。そしてあなたは子供達を恐怖させている」と大統領に伝えたと語った。
ペロシ議長のこれら発言は、国境で起きている「人道的な危機」に対処するためにより多くの予算を配分することを目的にした新たな法案を下院で提出することを発表した後に行われた。
ペロシ議長の発言内容はこの動画で視聴することができる。
(Screenshot photo courtesy: GOP War Room’s YouTube Channel)
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