【続報】エプスティーン事件:イスラエル元首相もお忍びで女性らと密会か
エプスティーン事件は、続々と新たな展開を見せている。まず今週、彼の保釈請求が却下され、裁判が始まるまで留置場で拘留されることが決まった。彼の保釈を審査する公聴会が今週月曜、法廷で開かれたが、そこに証人として呼ばれたコートニー・ワイルドという女性が、彼女が14歳の時にエプスティーンに性的虐待を受けた犠牲者として証言した。
エプスティーンは、ワイルドさんを含め、数人の犠牲者の女性に口止め料として数百万ドルを支払っていたとブルームバーグが報じている:
この事案に詳しい人物によると、エプスティーンに対して起こされていた民事訴訟のいくつかは和解に至っているが、その中で、訴訟1件につき100万ドル(約1億円)以上の和解金が支払われたケースもあった。3件の民事訴訟の和解金の合計は550万ドル(約6億円)であったと法廷の記録が示している。民事訴訟でエプスティーンが支払った金額が、合計いくらになるかは明らかになっていないが、検察が査定したエプスティーンの総資産は5億5900万ドル(約600億円)であり、その総資産額からするとわずかな金額であると推定される。
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2008年にエプスティーンは、(当時フロリダ州の地方検事であったアコスタ氏らと)自らの罪について不起訴とする司法取引にサインした後、彼に対して起こされていた20件以上の民事訴訟が最終的に非公開の和解で解決されている。この司法取引で、エプスティーンと他4名の共犯である容疑者らは連邦法で起訴されない約束を勝ち取っていた。 –Bloomberg
これら民事訴訟で、エプスティーンの弁護士は被害者の女性らに対して非常に攻撃的な戦術を取ったともブルームバーグは報じている。民事訴訟では、女性らの犯罪歴、麻薬使用履歴、そして一人の女性の場合は堕胎の経歴に至るまで、私生活を暴かれ詰問されたという。
エプスティーンの弁護士であるマーク・ルッティエー氏は、女性に対して「3人もの胎児を下ろしたことに痛みを感じないのですか?裸の男性一人にマッサージをするよりも、3人の胎児を下ろすことの方がずっと心が痛むことだと思いませんか?」と質問したという。
一方、エプスティーンの広報担当者は、「犠牲者である女性たちは、単に金銭を得るためだけに性的虐待の話をでっち上げている」とし、「彼女たちの信用性を失墜させるような」話をメディアに対して流布していた。
ニューヨークポスト紙によると、数年前、エプスティーンは、別のニューヨークの広報専門家であるR. クーリ・ヘイ氏にも近づき、「彼のイメージを良くするために懇願していた」と報じている。その際、エプスティーンは、ヘイ氏に対して「私が死んだ時、新聞に掲載される訃報欄の見出しで、“ビリオネアーの変態”とは書かれたくない」と語ったと言われている。ヘイ氏はその時、エプスティーンに対して次のアドバイスをしたという。「精神病院に1年間通い、慈善事業に寄付をし、彼のユダヤ教ラビと一緒にローマ法王に面会しに行きなさい」と。(エプスティーンという名前は最も古いユダヤ系の名前の一つ。)
イスラエル元首相も変装してエプスティーン邸へ
さらに今週、イギリスのデイリー・メール紙が、イスラエル元首相のエフード・バラック氏もニューヨークのエプスティーン邸を訪問していたことを写真付きで報じた。「エプスティーン事件Part 5」でも報じた通り、エプスティーンの「ブラックブック(黒い手帳)」に記載されている彼の交友関係者の一人として、エフード・バラック氏もその名前が掲載されていることはすでにわかっている。
マンハッタンのエプスティーン邸へ入るエフード・バラック元首相
バラック氏とその妻ニリ・プリエル
エプスティーンの「ブラックブック(黒い手帳)」のコピーは、2015年にGawkerがスクープしその中身を報じている。
電話番号などの情報は黒塗りされているが、誰が「ブラックブック(黒い手帳)」に名を連ねていたかはここで公開されている。
そして今週、デイリー・メール紙が報じた内容によると、2016年1月、イスラエル元首相のエフード・バラック氏が、マンハッタンにあるエプスティーンの豪邸に入っていくところが写真に収められている。その際、バラック氏は黒いサングラスをし、目から下を迷彩柄のスカーフで隠している。(記事冒頭の写真)バラック氏が訪れたのと同じ日に、4人の若い女性がエプスティーン邸を訪れていたことも報じられている。
同日エプスティーン邸を訪れた4名の女性
(左上:スーザン・ハミルトン、左下:シェフのジェニファー・カーリン、右上:ロシア人モデルのラナ・ポジデヴァ、右下:身元不明)
その女性たちには、エプスティーンの長年の友人であるスー・ハミルトンやジェニファー・カリンの他に、ロシア人モデルのラナ・ポジデヴァもいた。
4人目の女性は身元が不明だが、彼女はエプスティーンと共にニュージャージにあるティーターボロー空港に同行している姿が目撃されている。この空港は、エプスティーンが彼のプライベートジェット機を駐機させている場所であり、7月6日に彼がフランスから戻ってきた際に再逮捕された場所でもある。
この写真が撮影された当時、このボディーガードを引き連れてエプスティーンのEast 71stストリートの邸宅に現れた男性が誰であるかは不明であった。しかし現在、デイリー・メール紙は、彼がバラックであったことを確認している。–Daily Mail
ボディーガードと共にエプスティーン邸から出てきたバラック氏
現在77歳のバラック氏は、この報道を受けて、デイリー・メール紙を訴える計画であるという。彼は、この報道内容が「噴飯もの」の中傷記事であると否定している。
イスラエルの元首相バラック氏は、現在、現職のベンジャミン・ネタニヤフ首相を打倒するために新党を結成している。バラック氏は、今週、デイリー・ビースト紙の取材に対して、実際にエプスティーンのニューヨークの邸宅や、エプスティーンの悪名高いカリブ海のプライベート・アイランド(未成年の少女を集めて乱行が行われていたことから、「ペドファイル・アイランド(小児性愛者島)」と呼ばれている)を訪問したことがあることを認めている。しかし、バラック氏は、「エプスティーンと面会した時、女性や少女は同席していなかった」と主張している。
デイリー・メール紙は、ベンジャミン・ネタニヤフ氏の最大の政敵の一人である人物の写真を入手した。彼は、性的暴行罪で有罪となった人物のマンハッタンの自宅に入る際、顔を隠した状態であった。
エフード・バラック氏の写真が撮影された同じ日に、若い女性の一団も、この億万長者の7階建ての瀟洒な豪邸に入っていく姿が目撃されている。–Daily Mail
デイリー・メール紙は、これら女性たちが、バラック氏がエプスティーン邸に滞在している間に現れたかについては報じていない。
バラック氏は、1999年〜2001年にかけてイスラエルの首相を務め、その後、2007年〜2013年にかけて同国の国防大臣を務めた。バラック氏はまた、彼の興した企業Carbyneに対して、エプスティーンから数百万ドルの投資資金を受け取っている。Carbyneは、緊急サービス向けの位置情報サービスを提供するソフトウェアを開発している企業。先週末、バラック氏は、自身のフェースブック上でエプスティーンとの関係を絶つ方向にあると投稿している:
ここ5年近く、エプスティーンに関係する会社が、(私の)合資会社の受動的な出資者であった。この合資会社は、イスラエルで合法的に登記され、私が管理している。・・・この合資会社の出資者はすべて、同一の商事業契約の制約を受けている。エプスティーンに対する現在の起訴内容が明らかになってすぐに、私はこの合資会社からエプスティーンが関係している会社を追放するための選択肢を検討するよう弁護士達に指示した。
一方、デイリー・メール紙は次のように報じている:
先週末、バラック氏はイスラエルの政治TV番組に出演し、エプスティーンの容疑が未成年の少女に関するものであることを全く知らなかったと語っている。「彼は売春を斡旋した罪で有罪判決を受けて刑期を全うしている。起訴内容では、女性が未成年だとは言っていなかった」と彼は語った。
「アメリカの司法制度では、エプスティーンを『ペルソナ・ノン・グラータ(外交上好ましくない人物)』とは指定していなかった」とバラック氏は述べている。「トランプ政権で最近辞任した当時の検事自身が、(当時の判断を)不注意だったと言っている。それなのに、私が彼の悪行に気がつくべきだったとでも言うのですか?」と述べ、先週辞任した労働省長官のアレックス・アコスタ氏について言及している。
しかし、2014年当時、すでに公開情報でもエプスティーンが児童性愛者として有罪判決を受け、性犯罪者として登録されていたことが分かっていたにも関わらず、バラック氏はエプスティーンからの投資資金を受け取っている。
マイアミ・ヘラルド紙は、さらに、バラック氏の会社Carbineは、エプスティーンの親友レス・ウェクスナー氏(ヴィクトリアズ・シークレットの親会社社長)からも250万ドルの投資を受けていることを報じている。
イスラエルの現首相であるネタニヤフ氏の政党は、バラック氏とエプスティーンの関係について犯罪捜査を行うよう求めている。ネタニヤフ首相も、バラック氏が「今すぐ」捜査されるべきだとツイートしている。7月9日に投稿したツイートで、ネタニヤフ首相は、ヘブライ語で「性犯罪者(エプスティーン)は、他に何をエフード・バラックに与えたのか?」という動画を投稿している。
מה עוד נתן עבריין המין לאהוד ברק? pic.twitter.com/zKOfrqlyKa
— Benjamin Netanyahu (@netanyahu) July 9, 2019
このニュースを報じるデイリー・メール紙:
Photos via Daily Mail
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