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ゴールドマン・サックスがSoftBankのビジョンファンドへの貸出リスクを削減

SoftBank

SoftBankの孫社長が追い詰められている。大型投資先であるWeWorkのIPOが頓挫し、粉飾決算やポンジースキーム(高利回り詐欺)疑惑がニュースを賑わせている中、新たな悪いニュースが報じられた。今度はゴールドマン・サックスが、SoftBank Group Corp.によるビジョンファンドの資金調達を支援するために用意している31億ドルの信用枠(クレジット・ライン)の一部を削減するよう模索しているとブルームバーグが報じた

 

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ブルームバーグ紙の報道によると、過去数カ月間にわたって、ゴールドマン・サックスは、「自行が抱えるリスクを下げるために、(ビジョンファンドに)コミットしている与信枠の一部を引き受けてくれるような」その他の金融機関にアプローチしている。もちろんここで重要となるのは「リスク」という単語である。ゴールドマン・サックスは、今後起きる可能性のある崩壊の危機により、SoftBankの信用が融資の担保となっている債権のレベルにまで吹っ飛ぶことを示している。

 

昨年ゴールドマン・サックスとみずほインターナショナルが調整を始めたブリッジ・ファシリティにより、この巨大投資手段(訳者注:ビジョンファンド)は迅速に取引を行うことが可能となる。SoftBankが5月に行ったプレゼンテーションによると、Standard Chartered PlcやCitigroup Inc.、Barclays Plc、そしてRoyal Bank of Canadaを含むその他の銀行と協調融資(シンジケート・ローン)が組まれた。

 

ゴールドマン・サックスは、密かにSoftBank関連のエクスポージャーを清算する一環として、SoftBankの被担保債務を、その額面価格をわずかに下回る価格で売却することを進めている。

 

ゴールドマン・サックスは、今年5月、すでに追加の銀行を協調融資に参加させることに成功しており、これにより自らが抱えるエクスポージャーを削減している。しかしさらに特筆すべきなのは、同行は今現在、これまでに参加している金融機関に加えてさらに他の銀行もこの協調融資に募っていることである。元々この協調融資に参加している10行にも、与信枠を増額するよう誘っているようだが、そのうちの1行は興味がないと、情報源である人物はブルームバーグ紙に語っている。他の金融機関が興味を持つように、ゴールドマン・サックスはビジョンファンドへの与信枠を細分化し、1口5000万ドルという小口にして販売するオファーを提示していると、事情に詳しい1人の人物は語っている。さらに、この状況が進むと、まもなくしてゴールドマン・サックスは与信枠を1口1000ドルにまで細分化し、同銀行のリテール部門であるMarcusのプラットフォーム上で小売し始める可能性がある。

 

こうした投売り状態を伝えるニュースは、SoftBankの価値だけでなく、同社が出資するポートフォリオ企業であるWeWorkやUberの価値をも失墜させるニュースとなっている。

 

さらに、アメリカ最大の銀行であるJPMorganも、これまでWeWorkの共同設立者であるノイマン氏やWeWorkと近い関係にあったが、この惨状を清算するため動き始めたとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が報じたマンハッタンにあるJPMorganの本店で、数日間にわたって同銀行のトップであるジェイムズ・ダイモンCEOとWeWorkのノイマン(元)CEOはこの惨事をどのようにおさめるか討議を重ねたと事情に詳しい複数の人物が語った。JPMorganは、WeWorkによるIPOの引受人となっている。

 

次に何が起きるのだろうか?WeWorkに関するスキャンダルはいずれ下火となり、SoftBankは通常営業に戻ると考える人たちもいれば、NYUビジネス・スクールのスコット・ガロウェイ教授のように、SoftBankのビジョンファンドはこの先12ヶ月以内に閉鎖に追い込まれると予測する人もいる。

 

 

【訳】ビジョンファンドは12ヶ月以内に閉鎖される。

そして現在、PelotonのIPOは実行されない危険性がある。

 

 

万が一、WeWorkの火の粉が出資者のSoftBankにまで及んだ場合、日銀がSoftBankを救済するという最悪の事態が起きるのかもしれない。

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