WeWorkがIPO申請を取り消し
大規模な赤字が発覚したりCEOが辞任したりお騒がせ続きのWeWorkが、S-1ファイリングを取り消すことを発表した。CNBCが報じた。
今月初旬、投資家向けのロードショーを延期しており、同社のIPOは無期限延期の状態となっていた。WeWorkはIPOに向けて数々の変革を実施してきた。そこにはアダム・ノイマンCEOの辞任も含まれていた。
8月14日、WeWorkはIPOを実施することを正式に発表していた。しかしIPOの申請書の中で、9億ドルに上る巨額の損失を出していることや企業構造に問題があることが明らかとなっていた。WeWorkの親会社であるThe We Co.は、それ以来、下がり続ける同社の企業バリュエーションや、同社の株式に対する鈍い需要反応が起きたため、投資家向けのロードショーを延期していた。そんな中、9月24日、同社CEOのアダム・ノイマン氏が辞任し、彼が保有する議決権の一部を放棄する発表を行った。
今朝、WeWorkの共同CEOであるアーティー・ミンソン氏とセバスチャン・ガニンハム氏は次の声明を発表した:
我々は、当社の中核ビジネスにフォーカスするためIPOを延期することを決定した。当社のファンダメンタルズは依然として強力だ。我々は、当社の会員、法人顧客、家主パートナー、社員、そして株主に対してこれまで以上にコミットしている。我々は、WeWorkをパブリック企業として運営していくことを心に決めており、将来いつか株式公開を再検討することを楽しみにしている。
WeWorkの最大の出資者であるSoftBankがプライベート市場で同社に対してつけた470億ドルという企業バリュエーションに対して、数多くの疑問の声が起きていた。同社のIPOバリュエーションは大規模な減額が行われ、公開市場における投資家たちは同社のバリュエーションを100億ドル程度にまで下げるべきと模索していた。
ノイマン氏がCEOを辞任して以降、WeWorkの新CEOは、企業の運営コストを削減するために、ノイマン氏のプライベート・ジェットを売却したり、社内事業を売却、また同社社員の約3分の1にあたる5000名の雇用削減を検討している。これらの改革は、同社のIPOを実現させるための方策と広く受け止められているが、同社のIPO申請が一旦取り消しとなった今、同社のIPOがいつ実現するのかは全く不明となっている。
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