ロスアラモス国立研究所:より重篤化させる変異型コロナウイルスがヨーロッパからNYに上陸|川崎病に似た炎症症候群もロンドンからNYに伝播し3人の子供たちが死亡
■ 子供たちの間で広がる川崎病に似た病
この変異株との関係は不明であるが、ニューヨークでは珍しい炎症症候群(inflammatory syndrome)により3人の子供が死亡したとクオモNY州知事が土曜(5月9日)に発表した。この炎症症候群は、新型コロナウイルスの感染と関係していると考えられている。これをロイター通信が報じた。
この前日の金曜、クオモ知事は武漢ウイルスに関係した5歳児が、川崎病や毒素ショックと似た症状を起こして死亡したことを公表していた。これはニューヨークで発生したこの珍しい病気による最初の死亡ケースとなった。
クオモ知事は、土曜に行われた日例記者会見で、この病気がニューヨーク州の少なくとも3人の子供たちの命を奪ったと語った。この子供達の年齢や死因などの詳細については公表しなかった。
しかし、川崎病や毒素ショックと似た炎症症候群が、子供たちの間で新たに広がっていることをますます懸念していると同州知事は語った。当初、子供達は武漢ウイルスに感染しても重症化するリスクは低いと考えられていた。
現在、ニューヨーク州の公衆衛生当局者たちは、武漢ウイルスに被曝してこの炎症症候群を発症している73人の子供達のケースについて調査しているとクオモ知事は語っている。この炎症症候群には血管の炎症も含まれており、心臓疾患を引き起こす可能性がある。
これら73人の子供達は、新型コロナウイルスの検査の結果、陽性反応が出ているか、抗体検査で陽性結果が出ている。しかし、「この子供達が最初に病院で診察を受けたとき、こうした(炎症)症状は出ていなかった」とクオモ知事は語っている。
21歳までの若年患者に発症する症状で、医師たちが『小児発症の多系統炎症症候群(pediatric multisystem inflammatory syndrome)』と呼ぶ症状には以下が含まれていると報じられている:
- 持続する発熱と炎症
- 異常、突発型、または急速な心拍リズム
- 発疹
- 下痢
- 弱脈および呼吸促迫
- めまいもしくは意識消失
こうした炎症症状は、最初にロンドンの子供達の間でクラスター(集団)発生したことが確認されていた。その後、ニューヨーク市の15人の子供達に同様の症状が発生したと地元ABC7が5月5日に報じていた。
しかしこの15人の子供達のうち、ウイルス検査で陽性反応が出たのは4人だけであり、COVID-19の抗体検査でさらに6人が陽性結果となっていた。残る5人については、ウイルス検査でも抗体検査でも陰性となっている。また、ニューヨーク州ロングアイランドでも25人の子供達に川崎病に似た症状が発生しているとコーエン小児病院が確認している。そのうち11人は集中治療室で治療を受けており、郡の衛生委員会は「懸念すべき」状態であると語っている。
ニューヨーク市のデブラシオ市長は、親たちに対して、子供たちが不可解な炎症症状を発症した場合は当局にすぐに連絡をするよう警告を発している。
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