【論説記事】来るべきバイデン・クーデター|ジャッド・グレッグ元上院議員・筆
ジョー・バイデンが11月に大統領に当選するということは、「可能性がある(possible)」という以上ではあるが、「起きそう(likely)」と言うにはわずかに可能性が低い。
バイデンは、女性を彼の副大統領候補とすることを明言している。
それと同様に明らかになっていることは、彼が社会主義者もしくは進歩主義的な人物を(副大統領候補に)選ばざるを得ない状況に追い込まれるかもしれないということである。
彼が自宅の地下室から選挙キャンペーンを展開する中、トランプ大統領はより伝統的な選挙キャンペーンをしかけようとしており、バイデン陣営はトランプが人々を夢中にさせ大きな声を上げることを許してしまっている。一方、バイデンは、独自に人々(有権者たち)を夢中にさせようとする意思をほとんど示していない。
そのため、民主党において社会主義/進歩主義的な側の人たち(つまり極左)が、現在センターステージに躍り出ており、彼らの中からバイデンの副大統領候補が選ばれるべきであると要求している。
そうした人物は、エリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出・民主党)やカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州選出・民主党)、そして彼女たちほど名前が知られていない、極左のための改革を提唱しているその他の人物である可能性がある。
(極左の人間たちの)陰に潜んだ意図がますます明白となっている:
- いくつかの都市で起きている大規模なデモ活動を、単に受け入れるだけではなく、促進し広めようとしている。それが無法状態、略奪、暴動、そして自治区の宣言につながっているにもかかわらず。
- ポリコレ版の歴史を追求することを信じない者たちを探し出し、彼らを破滅させている。そしてそれを、コットン・マザー(*)が赤面するほどの熱狂をもって行なっている。(*コットン・マザーは、セイラムの魔女裁判に関わったことで知られている。出典)
- 今日の社会正義という物差しを基に受け入れられないと判断される歴史的人物の像を排除している。
当然、ユリシーズ・S・グラントやフランシス・スコット・キー、そしてマウント・ラシュモアの顔になっている人物たち(ワシントン大統領、リンカーン大統領、ジェファーソン大統領、セオドア・ルーズベルト大統領)ですら、新民主党の進歩的イデオロギー信奉者たちにとっては、もはや邪悪とみなされていることは皮肉である。
これら非凡な男たちなしにこの国がいかに発展してきたかを考えることは、不可能とは言えないまでも、困難なことである。
左派の人物たちがこれら歴史的人物を非難する際、彼らは、我が国の過去に存在したこれら巨人たちによるリーダーシップなくしては存在していなかったであろう自由や権利を行使していることもまた皮肉である。
しかし民主党は、自国の歴史に対する「戦争の途上にある」という非常に不適切な(ポリコレではない)フレーズを使っている。彼らのドグマ(独断的な考え)に従っているだけかもしれないが。
進歩的な目標を掲げる現代の「ピルグリム」たちは異議を認めず、この国をかつて指導した人々の像に彼らはロープをかけ、スプレー・ペンキを吹き付けている。
彼らは狂信者集団である。
当然、バイデンは彼らにとって「容疑者」である。
バイデンは、狂信者集団にとっての守護聖人であるバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出・無党派)とウォーレン上院議員を(選挙で)打ち負かした。そのため、彼らは、バイデンが彼の仲間(副大統領候補)として、狂信者集団の目標に対して熱意があるという条件を満たした社会主義/進歩主義的な人物を選ぶことを要求している。
これはまさに権力をめぐることだ。
あらゆる主要選挙がそうである。
社会主義/進歩主義的人間たちは、その他のどんな政治運動がそうであるように、このことをよく理解している。
しかし彼らが異なるのは、今の民主党の政治ゲームにおいて制御盤を握っている社会主義/進歩主義的な政治活動家たちには、倫理的な限界が全くないということである。
彼らは、自分たちが掲げる目標が持つ正義という炎で満ち満ちている。彼らはそうした炎をくじこうと試みる人たち全員を敵だとみなしている。
彼らの目標はなによりもまず社会正義であり、その社会正義という目標は身勝手な正しさによって正当化されている。
これは彼らが何の疑いも抱かず、激しい試練を受けることなく前進することを可能にしている。
彼らは、街の一部を独立国家と宣言する。彼らは、アメリカの歴史の中で最も重要な政治指導者たちのほとんどを邪悪であると宣言する。彼らは、その目標が持つ正義という名のもとに無法状態を助長させる。
基本的に彼らはこの国の歴史や政治構造の境界線の外側を行進しており、彼らが行なっていることは全員にとってベストであると主張している。
彼らは、自分たちが(権力を)完全に掌握していないことに長くは我慢できないだろう。彼らは、自分たちを代表する副大統領は手に入れるだろうが、大統領は彼らの代表ではない。そして彼らは非常に短気な人たちであり性急な政治運動である。
彼らの目標は権力を握ることであり、彼らの目的は純粋だ。だったら、なぜ彼らはじっと待つ必要があるのか?
彼らが副大統領(の座)を取ってしまえば、(権力を)完全に掌握するまでの道は明確に示される。
それはアメリカ合衆国憲法修正第25条(**)である。
**アメリカ合衆国憲法修正第25条(出典):
第1節 大統領の免職、死亡、辞職の場合には、副大統領が大統領となる。
第3節 大統領が、その職務上の権限と義務の遂行が不可能であるという文書による申し立てを、上院の臨時議長および下院議長に送付する時は、大統領がそれと反対の申し立てを文書により、それらの者に送付するまで、副大統領が大統領代理として大統領職の権限と義務を遂行する。
ジョー・バイデンが大統領に就任して数ヶ月以内に、彼は次に倒される「像」になるかもしれない。そして社会主義/進歩主義的な政治運動は、さらに権力の座に近づくことになる。
その目標のためには、バイデンを失脚させ副大統領を大統領の座に据えることが必要と判断される可能性がある。
バイデンの議員仲間たち(民主党議員たち)は、彼が大統領の職務を遂行するには高齢すぎると宣言し、アメリカ合衆国憲法修正第25条に則って彼を退任させる可能性がある。
「ブルータス、お前もか?」が起きる瞬間である。
これで彼らの目標は達成されることになる。
権力は、像を倒す人たちの手中に完全に収まることになる。彼らは社会正義を強要する警官のような人たちであり、アメリカの政治史のことを基本的に邪悪だと考えている人たちである。社会主義/進歩主義的な人たちの行き過ぎた行為が国・国民を支配することになる。
これはクーデターだ。
アメリカの一般国民たちは不安に感じるべきだ。警戒しろ。ドナルド・トランプは、国民にとって最も脅威の問題ではない(***)。
(***左派メディアは一斉にそう報じている。)
ジャッド・グレッグ氏は、ニューハンプシャー州の元州知事(共和党)で、上院議員を3期務めた。その際、上院予算委員会の議長および有力メンバーと、上院外交関連計画歳出小委員会の有力メンバーを務めた。
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