歌手のレディー・ガガさん、接戦州の投票者たちを民度の低い「レッドネック」としてステレオタイプに表現する投稿を行い批判が集まる
歌手のレディー・ガガさんは、10月31日(金曜)、自身のツイッターに動画メッセージを投稿した。その中で彼女がジョー・バイデンに投票すると表明しただけでなく、典型的な「レッドネック」のコスプレでスウィング・ステートと呼ばれる激戦州の有権者たちを嘲っているため、全米の労働者階級のアメリカ人たちから非難が集まっている。
「レッドネック」とは、教育レベルの低い白人を指す侮蔑用語で、肉体労働をして首が日焼けして赤くなることからこう呼ばれる。
この動画の中で、ガガさんは全身、迷彩柄の衣装で登場し、巨大なピックアップ・トラックに寄りかかりながら缶ビールを開け、そして彼女がどの候補者に投票するかをカメラに語りかけている。
動画の冒頭で次のように語っている:
やあ、レディー・ガガです。私はアメリカに投票しようと思います。つまり、私はジョー・バイデンに投票します。
もしあなたがミネソタ州、ペンシルバニア州、ジョージア州、ミシガン州、フロリダ州、またはアリゾナ州に住んでいるなら、私はあなたたちに投票に行くことを勧めます。
彼女が言及した州は全て、スウィング・ステートと呼ばれる激戦州。
そしてガガさんはビールを一口飲んでその缶ビールを握り潰した後、それを地面に投げつけ、「2020年選挙に乾杯」と言って動画を終えている。
I’m voting for America #vote #election2020 pic.twitter.com/bspDNkxnhJ
— Lady Gaga (@ladygaga) October 31, 2020
【訳】私はアメリカに投票します。#投票 #2020年選挙
ガガさんは、この動画で言葉に発した以上のメッセージを何か伝えようとしたようだが、当の接戦州の有権者たちからSNS上で広く非難が寄せられている。
一人の女性は次のようにコメントを寄せている:
私はトラックを持っていない。迷彩柄の服を着たことなど一度もないし、ビールも飲まない。もしこれがあなたの想像する#トランプ支持者のイメージだとしたら、あなたは完全に間違っている。私たちは大学教育を受けている勤勉な人間で、私たちの国を愛している。でもナイス・トライだったわ、ガガ。
またサウスカロライナ州にいる別の有権者は次のように投稿しているとデイリー・メールが報じている:
このような人目を引くための行為こそが、まさにトランプが勝つことになる理由だ。一般的な勤勉なアメリカ国民は、彼らが何を着て、どの車に乗り、何を飲食し、どこで仕事をしたり生活するかについて嘲る「セレブ」たちにうんざりしている。
また別の有権者は次のように投稿している:
これは、今回の選挙期間中に私が見かけた中で最も鈍感なものの一つ。あなたはただトランプを再選させるための広告をプロデュースしたにすぎない。
バージニア州アーリントンに住むアンバー・アセイさんは、次のようにガガさんに返信している:
本当のレッドネックは何の問題もないビールを無駄にしたりはしないわよ、ガガ。私の経験から言うわ。
また別のSNSユーザは次のように投稿している:
ガガ、あなたのことが大好き。でも、この動画はめちゃくちゃドン引き。本音を隠した偽善的に感じるし、文字通り私に全く投票したくないと思わせる。あなたが公の場で政治に関わらなかったらよかったのにと正直思う。だって、あなたが持っている音楽とパフォーマンスの才能、その力からそれているから。姐さん、政治は汚い商売よ。
トランプ陣営の広報担当者、ティム・マートー氏もガガさんの投稿に次のように反応している:
Nothing exposes Biden’s disdain for the forgotten working men & women of PA like campaigning with anti-fracking activist Lady Gaga.
— Tim Murtaugh (@TimMurtaugh) November 1, 2020
This desperate effort to drum up enthusiasm is actually a sharp stick in the eye for 600,000 Pennsylvanians who work in the fracking industry. pic.twitter.com/p5LqLFl4Dl
【訳】ペンシルバニア州で忘れ去られた労働者たちにとって、反フラッキング活動家のレディー・ガガと行う選挙キャンペーンほど、バイデン(陣営)による彼らを見下す姿勢をさらしているものはない。
(投票への)熱意を喚起するこのような見境ない活動は、実際、フラッキング産業で働く60万人のペンシルバニア州人の目には(彼らへの)鋭い非難と映る。
こうした動画やメッセージが「セレブ」と言われる人や大手報道機関から発信されるたびに、真にアメリカを分断しているのは誰だろうか?という問いかけをしなければいけない。
レディー・ガガさんは、今年4月、世界保健機関(WHO)が共同主催したチャリティー・コンサートを記者発表する際、WHOのテドロス事務局長を「あなたは真のスーパースター」と称賛している。
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