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トランプ陣営の戦略は選挙人270票を獲得することではなく、バイデンに270票を取らせないこと?——時間切れが迫る米大統領選、各州の現状まとめ

時間切れが迫る米大統領選——法廷闘争が続く各州の現状まとめ

ハーバード大学法学部アラン・ダーショウィッツ名誉教授(Photo via Flickr)

全米各州で、大統領選挙の結果を選出証書として発行する期限が迫っている。ブルームバーグ通信の報道によると、ジョージア州は11月20日(金曜)に選出証書を発行する予定であり、ネバダ州、ミシガン州、ペンシルバニア州は来週に行われると見込まれている。一方、アリゾナ州は11月30日まで、そしてウィスコンシン州は12月1日まで多少の時間が残っている。

 

ブルームバーグ通信は次のように報じている:

米国選挙支援委員会(U.S. Election Assistance Commission)によると、各州は、投じられた全ての票を集計し、そして全ての有効票がカウントされたことを確認する「キャンバス(集計ボード)」として知られているものが集計された後、証明書を発行することで選挙結果を正式なものにする。そして票の証明を行う締め切り日やその手順は、州によって異なる。

 

証明された合計数は、証書が発行された後でも州が再集計を認めるか、もしくは選挙に異議申し立てが行われれば変更することが可能であるジョージア州、ミシガン州、そしてネバダ州はこれ(再集計)を認めている。そして選出証書(による選挙人)の合計が勝者を宣言することになる。そして勝利した候補者は、もし裁判所が介入しなければ(大統領職に)就任することになると、フロリダ州立大学法学部のマイケル・モーリー助教授は語っている。同助教授は、選挙が緊急事態に陥った場合や、選挙後の訴訟問題について担当した経験がある。Bloomberg

 

そしてニューヨーク大学法学部のリチャード・パイルズ教授は次のように語っている:

これ(今の状況)は、私たちがすでに真実であると知っている結論に向かって、避けられないドミノ倒しの連続となるだろう。その真実とは、これらの州ではバイデンが勝者であり、彼が当選した次期大統領ということだ。・・・今行われているのは、これを確固たるものにする正式な法的手続きとなるだろう。

 

しかしJPモルガンのマイケル・センバレスト氏は、連邦最高裁が、以下のような各州で行われている異議申し立てについて、上告を聞き入れる可能性がある指摘している

ペンシルバニア州で遅れて届いた不在者票(結果を覆すには数が少なすぎる)や、集計作業の透明性に関する不服申し立て(司法の救済措置には特定の郡での再集計を伴う可能性がある)、特定の票を違法に受領したこと(疑義が生じている票は結果を変更するには数が少なすぎる)、そしていたるところで発生した不規則性や不正により投票プロセスが毀損したという告発(これらの告発のほとんどは、過去2週間、下級裁判所で否決されている)

 

そしてセンバレスト氏は次のように結論づけている:

トランプが再選するには、非常に型破りで例外的なことがたくさん起こらなければいけない。・・・まだ選出証書が発行されていない投票結果を基にすると、トランプは、バイデンが270の選挙人に到達することを防ぐために、3つの州での結果を覆すか(結果が承認されるのを)防がなければいけない

 

さらに、ハーバード大学法学部のアラン・ダーショウィッツ名誉教授(民主党支持を表明していることで有名)は、トランプ大統領が19世紀以降、一度も使われたことがない方法で選挙に決着をつけようとしていると予想している。

 

保守派テレビ局Newsmaxとのインタビューの中で、ダーショウィッツ名誉教授は、トランプ大統領がもはや270人の選挙人を獲得しようとはしていないと語っている。その代わりにトランプ陣営が注力しているのは、バイデンに270人の選挙人を獲得させないことだという:

もし彼がバイデンの選挙人の得票数を270未満に抑えることができれば、決定権は下院議会に移る。そこは当然、共和党が各州の代議員団で多数派を占めている。もし下院に移れば、州ごとの投票(1州につき1票)となる。

 

彼(トランプ)は、19世紀に行われた3回の選挙で用いられた作戦を使おうとしている。

 

しかし、この条件でトランプが勝利するには、数多くの条件が完璧に揃わなければいけないとダーショウィッツ名誉教授は指摘している:

これがうまくいくためには、(複数のことが同時に起きる)「完璧な嵐」が必要となる。十分な数の州、十分な数の州司法長官、もしくは州務長官室、または州務長官や州知事が共和党であり、彼らが合法的に選挙結果に証書を発行することを拒否する必要がある。拒否する理由は、法令に則って選挙人が決定会議を開く日、選挙結果に異議申し立てが行われているからということになる。

 

もしこの日、バイデンが270人の選挙人を獲得しなければ——これは2度も3度も投票がやり直しされることはない。憲法によれば、この投票は1度だけ行われる——そしてその1回の投票によって先頭を走っている候補者が270人の選挙人を獲得できなければ、これは自動的に下院議会に移行する。そこでは全く新しいプロセスが取って変わる。そのプロセスは、明らかにトランプ大統領にとって有利なものだ

 

しかしこの他にも憲法解釈があり、接戦州では、州知事と州議会が2つの異なる選挙結果を提出するシナリオがあるとロイター通信が報じている。現在、訴訟や票の再集計が行われているペンシルバニア州、ミシガン州、ウィスコンシン州などでは、州知事は民主党だが州議会は共和党が過半数を占めると言う「ねじれ」が起きている。

 

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『各接戦州の最新ニュース』

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