2020年にアメリカ国籍を放棄した人数が過去最多に
アメリカ国民にとって、昨年2020年はコロナ禍が発生しただけでなく、BLMやANTIFAによる暴動からくる社会不安、ロックダウンが引き金となった経済崩壊、そして大統領選挙をめぐる政治的混乱が押し寄せた一年だった。そしてこの年、アメリカ国籍を放棄した人数が過去最多を記録した。
Americans Overseasは、2020年にアメリカ国籍を放棄した人数が6705人となり、2019年の2577人から260%急増して過去最多を記録したと発表した。
昨年前半は、コロナ禍により米国領事館が閉鎖されていたにもかかわらず、前年同期比で3倍近いアメリカ人が同時期に国籍を放棄した。これまでに、国籍を放棄した人数が最多を記録したのは、トランプ大統領が当選した年である2016年の5411人だった。
Americas Overseasは、現在、約900万人のアメリカ人が海外に居住していると見積もっている。日本の国税にあたる内国歳入局(IRS)は、3ヶ月ごとに国籍を放棄した人数を発表している。
Americans Overseasは次のように発表している:
もし世界にある米国大使館がCOVID-19による規制により一年の大部分が閉鎖されていなければ、この数はもっと増えていた可能性がある。もしこのトレンドが続くようであれば、2021年は国籍放棄者の数が新たな記録を打ち立てるだろう。
アメリカ連邦政府が国民に配布したコロナ救済金(1回目の1200ドル+2回目の600ドル)が、国籍を放棄するための手数料に充てられたともAmericans Overseasは語っている。
新型コロナ(武漢ウイルス)パンデミックが始まって以来、海外に移住するアメリカ人は増える傾向にある。
International Tax Blogは、1998年〜2020年の間に国籍を放棄したアメリカ人のデータを年毎にグラフ化している。過去10年間で、国籍を放棄するアメリカ人の数が急増しているのが分かる。
そして以下は、2010年〜2020年の間で四半期ごとにアメリカの国籍放棄者の数値をグラフ化したもの。昨年の第1、第2四半期にコロナ災禍が深刻化し、ニューヨークの老人養護施設で多くの人たちが亡くなっていた時、国籍を放棄した人数が急増しているのが分かる。
世界各国のアメリカ大使館が平常業務を再開すれば、国籍を放棄するアメリカ人の数は新記録を達成するだろうとAmericans Overseasは予想している。
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