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チャイナ共産党の市議会が日本への核攻撃を扇動する動画を公式アカウントに投稿——麻生副総理の「日米で一緒に台湾を防衛」発言に反発

陝西省宝鶏市の共産党市議会が投稿した動画より

チャイナでは今週、1本の動画がSNS上で広く共有されている。この動画は、軍事系のチャンネル上で作成され200万回以上再生された後、共産党員が運営する地方自治体の公式SNSアカウントに投稿された。この動画には、日本が台湾の独立を支援し続ける場合、核兵器で「継続的に」日本を攻撃すると露骨に訴えている。

 

この動画は国際的なメディアに取り上げられた後、チャイナの動画共有サイト「Xigua Video」から削除された。しかし同じ動画が、英語の字幕付きでユーチューブとOdyseeに再投稿されている。

 

 

 

再投稿された動画の英語タイトルには、「チャイナ共産党(CCP)、日本が2度目の無条件降伏をするまで継続的に核攻撃を行うと宣言」と記されている。報道によると、元のタイトルは、「もし日本が台湾再統合のために軍事介入するなら、私は『例外的な日本への核攻撃論』を推奨しなければならない」と記されている。

 

動画のナレーターは、「日本は歴史から教訓を学んでいない」と語り、チャイナは「日本が二度目の無条件降伏を表明するまで、核爆弾を使い続けなければならない」と、第二次世界大戦になぞらえて挑発している。

 

この動画は、先週日曜、陝西省北西部にある宝鶏市の市議会が投稿した。動画にある「例外的な日本への核攻撃論」とは、チャイナの「自衛する場合にのみ核爆弾を使用する」という原則は日本には適用されず、「例外」とすることができるという、多くのチャイナ政府関係者が持っている見解を指す。

 

「我らが国は、前世紀にはなかったような大きな変化の中にある・・・我らが国の平和的な隆盛のためには、対策を講じる必要がある」とナレーションは続く。

 

動画は、今月5日に麻生副総理が「(チャイナが台湾に武力侵攻するケースを念頭に)間違いなく(安全保障関連法上の)存立危機事態に関係してくると言っても全くおかしくない。日米で台湾を防衛しなければならない」と発言したことを、第二次世界大戦中のチャイナ侵略や南京大虐殺と関連付けし、日本に対する「新旧の憎しみを結びつける」ことを国民や政府指導者に訴えかけている。

 

麻生副総理のこの発言は、インドの新聞でも大々的に報じられている:

【訳】日本の麻生副総理の「台湾を守る」発言にチャイナが激怒

 

日本の麻生太郎副総理が、台湾が攻撃された場合、日本と米国が協力して人民解放軍から台湾を守るべきだと発言したことに対し、チャイナは日本に外交上の抗議を行なった。

 

* * *

 

一方、今週初めにフィナンシャルタイムズ(FT)紙がリーク情報をいち早く報じた通り、ホワイトハウスは香港や新疆ウイグル自治区での人権侵害を理由に、多くのチャイナ政府関係者への制裁措置に踏み切った。

 

さらに香港で事業を行っている企業に対しては、抑圧的な香港の国家安全保障法(国安法)の対象になることを警告している。これは、令状なしにチャイナ政府によって電子的および物理的な監視が行われ、企業や顧客のデータをチャイナ政府に引き渡さなければならないリスクがあることを意味している。

 

ロイター通信とウォールストリートジャーナル(WSJ)紙は、今回の金融制裁の対象となるのは、チャイナの香港連絡事務所における7人の職員と報じている。同連絡事務所は、香港にチャイナ政府の影響力を及ぼすための公的基盤。

 

香港でビジネスを行うリスクについての公式な警告として、ジョー・バイデンは訪米中のメルケル独首相との記者会見の席上で次のように発言している:

ビジネスへの忠告をお話しします。香港の状況は悪化の一途をたどっている。チャイナ政府は香港をどう扱うかに関する公約を守っていないため、香港で何が起こる可能性があるかについての忠告という意味合いが強い。これは単純なことであり、複雑なことでもある。

 

国務省のネッド・プライス報道官は、今週火曜、「健全なビジネス界というものは法治(法の支配)に依拠していることを私たちは知っているが、香港に適用されている国家安全保障法はこれを棄損し続けている」と語っている。

 

ウェンディ・シャーマン国務副長官は、来週、日本、韓国、モンゴルへの訪問を予定している。

 

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