チャイナ恒大集団が異例の声明を発表し倒産の噂を否定
3000億ドル(33兆円)以上の巨額の負債を抱え、確実に債務超過に陥っているチャイナ恒大集団は、先週、格付け会社により「テクニカルデフォルト」(*)の判定を受けた。それから5日後となる9月13日(月曜)、異例の声明を自社HP上に発表し、同社が倒産するという噂を否定した。
*【テクニカルデフォルト(technical default)】とは、「債券の発行主体が資金面的には支払い能力があるにもかかわらず、債務不履行(デフォルト)状態となること。」(出典:imidas)
チャイナ最大の不動産ディベロッパーである恒大集団は、自社HP上で次のように声明を発表した:
(Screenshot via evergrande.com)
【訳】最近、インターネット上に出現している恒大集団の倒産やリストラに関する話は、全くの事実無根です。当社は現在、確かに未曾有の困難に遭遇していますが、企業責任を断固として果たし、業務と建設の再開に全力を尽くし、建物の引渡しを確実に行い、通常の操業を再開するために全力を尽くし、お客様の正当な権利と利益を守るために全力を尽くしています。
(太字強調はBonaFIdr)
格付け会社のフィッチ・レーティングスや、ムーディーズは、恒大集団の信用格付けを3段階引き下げており、各社それぞれ「一定のデフォルトが起こる蓋然性が高い」、「デフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高い、または非常に近い」と発表している。
これらの3段階格下げが報じられると、チャイナ国内の不動産市場は打撃を受け、またチャイナのジャンク債の利回りは2020年3月以来の高水準に達している。
さらに13日(月曜)のブルームバーグ通信の報道によると、住宅購入者や個人投資家、さらには自社の従業員による抗議活動が活発化しているため、チャイナの中央政府当局は、不動産開発最大手の債務危機が社会不安を引き起こすのではないかと危機感を募らせているという。恒大集団が異例の声明を発表するに至った背景には、こうした当局の危機感もにじんでいる。
財新の報道によると、恒大集団の深圳本社には、同社が滞納しているウェルスマネジメント商品(理財商品)の返済を求めて数十人の人々が集まったため、13日(月曜)遅くに警察が出動したという。前日12日(日曜)の抗議デモ参加者は数百人に上った。
先週末、恒大集団のウェルスマネジメント商品(理財商品)を購入した社員たちが抗議行動を起こしたため、北朝鮮との国境に近い瀋陽にあるオフィスの社員に自宅勤務をするように指示したという。事情を知る人物の話としてブルームバーグ通信が伝えている。広州では先週、怒った住宅購入者が地元の住宅局を取り囲み、恒大集団が中断している不動産の建設を再開するよう要求した。
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