過半数の米国民はバイデン政権が発表する新型コロナ情報を信用していない【世論調査】
アメリカ人のバイデン大統領に対する信頼度は下降の一途を辿っている。左派メディアAxiosとIpsosが行った最新の「コロナウイルス指数」世論調査によると、COVID-19感染症に関する正確な情報が得られるとして、大統領を信頼していると回答した人は半数に満たず、1月の大統領就任時に比べて13%減少しているという結果となった。
Axios/Ipsos社の調査によると、コロナウイルス・パンデミックに関する正確な情報を提供しているとして、バイデン大統領、連邦政府、主流メディアを信頼する度合いは連動して下落を続けており、いつになったら底を打つのか終わりが見えない状況となっている。
コロナウイルスに関する正確な情報を提供しているとして、大統領を信頼すると答えた人は、1月の58%から過半数未満の45%に下落した。この世論調査の結果は、今週月曜、ジョー・バイデンが、「97%か98%のアメリカ人がワクチンを接種した場合にのみ、パンデミック前の生活に戻ることができる」という突拍子もないコメントを行ったことにも象徴されている。
【訳】レポーター:「何人のアメリカ人がワクチンを接種すれば、正常な状態に戻るのでしょうか?」
バイデン:「97%か98%。(そうなれば)私たちは非常に(正常な状態に)近付くと思う。しかし、私は科学者ではない。一つだけ確かなことがある。それは、国民の4分の1がワクチン接種を受けずに問題が終わることはないということだ」。
以下はIpsos「コロナウイルス指数」世論調査の推移(1月22日~9月27日):
- 紫の線=「あまり信用していない/全く信用していない」と回答した人の割合。
- 茶色の線=「大いに信用している/完全に信用している」と回答した人の割合。
【訳】Axios/Ipsosの最新のコロナウイルス指数によると、COVID-19に関して、ジョー・バイデンは大統領就任後初めて、アメリカ人の間で信頼の欠如(過半数割れ)に直面している。
今年初めの調査結果と比較すると、バイデンは、民主党支持者で11ポイント減の81%(「大いに信用している/完全に信用している」と回答した割合)、共和党支持者で10ポイント減の11%へと信頼を失っている。また、無党派層の信頼度が最も大きく低下しており、17ポイント減の42%となっている。
【グラフ】コロナに関して正確な情報を提供しているとバイデンを信頼する度合いが下落
大統領を信頼している人は半数に満たない。今月初めに比べて4ポイント減少したが、任期が始まってからは2桁の減少。
- 黒=合計
- 青=民主党支持者
- 赤=共和党支持者
- 紫=無党派層
同様に、連邦政府が正確なCOVID-19情報を提供していると信頼しているアメリカ人は半数以下(49%)で、今月初めの54%から減少した。
Ipsos社の公共問題部門の社長であるクリフ・ヤング氏は、「デルタ株やその他の問題が、一般の人々の認識(信頼)の土台を蝕んでいます」とAxiosに語った。パンデミックの終息に向けた明確な解決策がないことが、信頼度低下の主な要因であると同氏は語っている。
しかしIpsosのヤング社長は重大な要因を見逃している。ジョー・バイデンがアメリカ国民からの信頼を失っている大きな理由は、連邦政府が自然免疫については一切触れず、1億人のアメリカ人に対して新たにワクチン接種を大々的に義務付けたことが関係していることは疑いようがない。全米で医療関係者や警察関係者、軍関係者が、このワクチン接種義務化のために大挙して仕事を辞めている。
この最新世論調査は、9月24日~27日にかけて、全米の1,100人強の成人を対象に行われ、誤差は3.2ポイント。
これらの調査結果は、2022年の中間選挙に向けて、民主党の大統領と民主党そのものにとって大きな懸念材料となっている。バイデン政権の「ハネムーン期間」はすでに終わっており、7月下旬のギャラップ社の世論調査でもすでにバイデンの支持率が急落していることが判明している。
【グラフ】バイデン支持率は下落の一途
米国大統領のバラク・オバマ、ドナルド・トランプ、そしてジョー・バイデンの1期目就任当初からの支持率の推移(月毎)
- 青線=オバマ
- 赤線=トランプ
- 黄線=バイデン
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米国政府は11月から完全にワクチン接種済みの人に限り、33カ国から空路での入国を認めると発表したが、米国政府はこの入国の条件にロシア製ワクチン「スプートニクV」を認めないとワシントンポスト紙が伝えている。「スプートニクV」は最終的にロシア以外の70カ国に流通すると見込まれていることから、数百万人の旅行者に影響する可能性がある。
外国人が米国に入国する際には、FDA(米国食品医薬品局)またはWHO(世界保健機関)が「緊急時使用」として認めているワクチンを接種しなければならないとワシントンポスト紙は伝えている。
一方、ロシア政府は、アメリカや国際機関が、科学ではなく政治ゲームを行っていると見ている。
例えば、パンデミック発生初期には、アメリカ国務省がラテンアメリカで「情報戦争」を展開し、ロシアから「スプートニクV」ワクチンを受け入れるのを阻止しようとしているとの非難が広がっていた。
数日前、ニューヨークで開催された国連総会に出席したロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ワクチンの相互承認を促しており、ロシア政府は「我々の共通の敵」として新型コロナウイルスと戦う用意があると述べている。
しかし、欧米の「ロシア恐怖症」は根深く、「スプートニクV」は欧米で開発・製造されたワクチンと同等の効果があるという証拠が出てきているにもかかわらず、米国政府はロシア製のワクチンを(政治的な理由から)否定し続けるのではないかと疑われている。
【訳】ワクチン外交:「スプートニクV」の驚くべき成功
バイデン政権ではジョー・バイデンから、ジェン・サキ報道官、アンソニー・ファウチ所長に至るまで「科学を信頼しろ(trust the science)」と国民に対して連呼しているが、実際には純粋な政治ゲーム、この場合は地政学的・経済的なライバル競争に取って代わられている。
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