ソフトバンクが再び巨額のコール・オプション取引に参入か|2億ドル分のテック株オプションを購入とCNBCが報道
ウォール街のトレーダーたちは、コール・オプション取引件数に今週木曜、異常な急上昇が現れたのはソフトバンクが再びIT株に巨額の賭けをしかけているからだと語った。これを金融系ケーブル局CNBCのデービッド・フェイバー氏が報じた。
ネットフリックス、フェースブック、アマゾン、そしてアルファベット株に対して2億ドル(約210億円)分のコール・オプション取引が行われ、それを購入したのはソフトバンクであるのはほぼ確実だと、複数の情報筋がフェイバー氏に語ったという。
フェイバー氏は、10月2日(金曜)に出演したCNBCの番組”Squawk on the Street”で次のように語っている:
「主要取引市場のデリバティブ・マーケットにおける複数の情報筋は、大規模なコール・オプション購入が行われていると指摘しており、彼らは全員その背後にいるのはソフトバンクであると指差している」。
今年8月、主要IT株を未曾有の株高に押し上げることにつながった巨額のオプション取引、つまりナズダック市場の株価を押し上げていた「クジラ」はソフトバンクであると、フィナンシャルタイムズ(FT)紙やウォール・ストリート・ジャーナル紙、その他の報道機関が指摘していた。FT紙は、情報筋の話としてソフトバンクが「危険な賭け」を行っていると報じていた。このニュースが一斉に流れると、リスクの高いデリバティブ取引に巨額を投じているソフトバンクの投資戦略を同社の株主たちが懸念したため、9月に入りソフトバンク株は売り込まれ、120億ドルもの時価総額を失っていた。
これまでソフトバンクは同社のビジョン・ファンドを通してプライベート市場に投資を行ってきたが、シェア・オフィス企業WeWorkなどへの巨額投資が立て続けに赤字続きであることから、同社は上場株へと一部の投資資金をシフトしているようだ。
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